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街を探索
運ぶのはライリーの役目
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「愛しいパオラ。これを。」
セレス島を離れることになってアーロンが私に首飾りをくれた。赤い、アーロンの瞳のような石が付いている。
「私に会いたくなったら……いえ、困ったことが有ったらその石に私の名を呼び掛けてください。駆けつけますから。」
「……あ、ありがとう。」
駆けつけるったって、異空間じゃないのだろうか……。まあ、いいや。
「離れがたい。パオラ。でも母の目も欺かなくては貴方が危ない。神器の欠片集めは協力できませんが、旅の間は父が貴方を守るでしょう。ですが、どうしても嫌になったらここに戻ってきてください。いつでも歓迎します。」
「う、うん。」
それって監禁コースだよね?あの三食昼寝付きだけど外には絶対出れない屋敷は勘弁してください。
「貴方たちにも私の加護を授けましょう。パオラを守るように。」
「ありがとうございます。」
「では、旅の幸運を祈っています。パオラ、愛しています。」
アーロンが私を抱き上げて船に乗せてくれる。まあ、色々手助けしてくれるんだろうからとチュッとほっぺにキスをした。横で見ていたライリーとリアムがぎょっとしている。エイデンはムッとしているけど。
赤い顔をして頬を嬉しそうに抑えるアーロンを見ていたと思ったら次の瞬間には潮風と共に船が海に戻っていた。
「僕もほっぺにキスが欲しい。」
エイデンが隣でつぶやく。
「……世の中には兄の射精を手伝う妹だっているんだろう……なにか理由があったに違いない……。」
リアムもつぶやく。
「これ、こっちの方向であってんのか?」
ライリーだけが方位磁石をもって現実に立ち向かっていた。
ΘΘΘ
「トンガには欠片はないから、ここから近いのはチサロの砂漠だな。」
「砂漠かあ。用意揃えて行かないとね。食料も少なくなってきたし。あと、キモうさに砂漠用のローブを買ってあげたい。」
「アレだ、アーロン神がどんな加護くれたのか気になってっからギルドも寄って行こうぜ。」
「ギルド?」
「うさちゃんは知らない?冒険者になったらギルドで登録して依頼を受けて仕事できるんだ。そういう生業で生きてる人の組合みたいなものかな?」
「へー。」
そんな仕事もあるのか。私には……無理だな。あんな熊魔獣倒すとか嫌だもん。
「ギルド行ったら大抵自分のレベルやら特技やら神様に与えられた加護なんかも見れる水晶が置いてあんのよ。アーロン神が何くれたかわかるし、俺、最近確認してないからレベルチェックもしとこうかな。」
「へー。それ、私のも見れるの?」
「もちろん。自分のは自分でしか見れないけどね。」
「見たい。見たい。」
「じゃあ、街に着いたら一緒に行こう。」
そうして無事にトンガの陸地に着いた私たちは街に買い出しに行くことになった。
「ってぇ!俺、知らずにうさちゃんの姿を受け入れ過ぎてた!うさちゃん、この姿で街中歩けるわけないじゃん!」
さあ、宿も決めないとな、と4人で港から歩いていると人の視線を感じてリアムが叫んだ。
「おお、そうだった。危ねぇ、俺もフツーに見慣れてたわ。あ、これでいいんじゃね?」
ライリーがそこらへんに落ちていた紙袋を拾い上げて指でぶすぶすと豪快に2つの穴をあけた。
「え。」
ズポリとかぶらされる紙袋。
いつも思うけど、雑い!雑過ぎる!
「これ、余計に目立つんじゃない?」
「そうかぁ?」
「もー。ライリー穴はもう少し寄せて開けないとキモうさ前が見えないよ!」
「そういう問題か?」
「おっと。こっちも穴がいるか!」
バリバリと音がしてまた穴が開けられると耳が外に出された。
「……。」
袋をかぶった二歳児くらいの子供らしいものがライリーに向かって両手を上げる。
「よし、うさ公!」
「ちょ、キモうさ、僕だって抱っこできるよ?」
「エイデンはそんなに体力ないでしょ?ライリーに任せておきなよ。」
責任もって私を抱っこして歩くがいいよ、ライリーよ。
ガハハと笑ってライリーは私を抱えて歩き出した。
セレス島を離れることになってアーロンが私に首飾りをくれた。赤い、アーロンの瞳のような石が付いている。
「私に会いたくなったら……いえ、困ったことが有ったらその石に私の名を呼び掛けてください。駆けつけますから。」
「……あ、ありがとう。」
駆けつけるったって、異空間じゃないのだろうか……。まあ、いいや。
「離れがたい。パオラ。でも母の目も欺かなくては貴方が危ない。神器の欠片集めは協力できませんが、旅の間は父が貴方を守るでしょう。ですが、どうしても嫌になったらここに戻ってきてください。いつでも歓迎します。」
「う、うん。」
それって監禁コースだよね?あの三食昼寝付きだけど外には絶対出れない屋敷は勘弁してください。
「貴方たちにも私の加護を授けましょう。パオラを守るように。」
「ありがとうございます。」
「では、旅の幸運を祈っています。パオラ、愛しています。」
アーロンが私を抱き上げて船に乗せてくれる。まあ、色々手助けしてくれるんだろうからとチュッとほっぺにキスをした。横で見ていたライリーとリアムがぎょっとしている。エイデンはムッとしているけど。
赤い顔をして頬を嬉しそうに抑えるアーロンを見ていたと思ったら次の瞬間には潮風と共に船が海に戻っていた。
「僕もほっぺにキスが欲しい。」
エイデンが隣でつぶやく。
「……世の中には兄の射精を手伝う妹だっているんだろう……なにか理由があったに違いない……。」
リアムもつぶやく。
「これ、こっちの方向であってんのか?」
ライリーだけが方位磁石をもって現実に立ち向かっていた。
ΘΘΘ
「トンガには欠片はないから、ここから近いのはチサロの砂漠だな。」
「砂漠かあ。用意揃えて行かないとね。食料も少なくなってきたし。あと、キモうさに砂漠用のローブを買ってあげたい。」
「アレだ、アーロン神がどんな加護くれたのか気になってっからギルドも寄って行こうぜ。」
「ギルド?」
「うさちゃんは知らない?冒険者になったらギルドで登録して依頼を受けて仕事できるんだ。そういう生業で生きてる人の組合みたいなものかな?」
「へー。」
そんな仕事もあるのか。私には……無理だな。あんな熊魔獣倒すとか嫌だもん。
「ギルド行ったら大抵自分のレベルやら特技やら神様に与えられた加護なんかも見れる水晶が置いてあんのよ。アーロン神が何くれたかわかるし、俺、最近確認してないからレベルチェックもしとこうかな。」
「へー。それ、私のも見れるの?」
「もちろん。自分のは自分でしか見れないけどね。」
「見たい。見たい。」
「じゃあ、街に着いたら一緒に行こう。」
そうして無事にトンガの陸地に着いた私たちは街に買い出しに行くことになった。
「ってぇ!俺、知らずにうさちゃんの姿を受け入れ過ぎてた!うさちゃん、この姿で街中歩けるわけないじゃん!」
さあ、宿も決めないとな、と4人で港から歩いていると人の視線を感じてリアムが叫んだ。
「おお、そうだった。危ねぇ、俺もフツーに見慣れてたわ。あ、これでいいんじゃね?」
ライリーがそこらへんに落ちていた紙袋を拾い上げて指でぶすぶすと豪快に2つの穴をあけた。
「え。」
ズポリとかぶらされる紙袋。
いつも思うけど、雑い!雑過ぎる!
「これ、余計に目立つんじゃない?」
「そうかぁ?」
「もー。ライリー穴はもう少し寄せて開けないとキモうさ前が見えないよ!」
「そういう問題か?」
「おっと。こっちも穴がいるか!」
バリバリと音がしてまた穴が開けられると耳が外に出された。
「……。」
袋をかぶった二歳児くらいの子供らしいものがライリーに向かって両手を上げる。
「よし、うさ公!」
「ちょ、キモうさ、僕だって抱っこできるよ?」
「エイデンはそんなに体力ないでしょ?ライリーに任せておきなよ。」
責任もって私を抱っこして歩くがいいよ、ライリーよ。
ガハハと笑ってライリーは私を抱えて歩き出した。
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