ビーチボール星

カティーサーク満蔵

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ビーチボール星

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 寝る男を間違えた女が自分の夢を潰したってさ。

木材をスカイブルーに塗っていたときだった。俺はそんな話を誰かから聞いたんだ。

あそこのコーヒーショップの青いドアは昔オレが塗ったのさ。

昔あの辺はヘビがよく出てね、緑の硬そうな皮のヘビが突然飛び出して俺らを脅かした。

ビーチボール星。

ーーー

 ポップコーンのでかいバージョンを食ってるガキがいた。砂糖みたいなヤツで表面がコーティングされてて、そいつをカシュカシュ食っている。

俺は鉄筋と針金の中間みたいな鉄の棒をひたすら折り曲げてて、顔は無表情で、この後白い狼に乗って帰るような勢いだった。

クーラーの効いた果物売り場を行ったり来たりする女。

ヘッドホンのパンフレッド。

エスカレーターをまともに乗れない兄弟。

もう少し待てばオレンジの皮がひっくり返る

ーーーーーーー
 デパートに行って。それからラルフローレンの売り場に行ってプレゼントを探す。

おれは真上からビッグバードを選ぶ。

兄は「バスの時間は気にするな」と言った。

アイスクリーム屋はチョコレートナッツをすすめてくる。

木枠のガラス窓を集めて作られたバスが、ほんの偶に街を流す。

ーーーーー

 コンクリの壁の前で二人のバカがホットドックを食っている。壁にはスプレーでオカマとかチンポとか書いてある。

A「アメリカのマヨネーズは白いんだぜ」

B「警察を呼べ!」

A「自動首切断機を発明した奴がいるらしい」

B「バックしてきたBBQコンロに轢かれて死んじまえよ」

A「チューイングガムから人生を学んだ」

B「そいつはいいなハハハ!」

A「うずらの玉子をひき肉で包み込んだやつは大受けだった」

B「聞いただけでパンツ濡れてきた」

Aはホットドッグの最後の一口を食べず道に捨てた。そいつを待ち構えてた鼠がワンバウンドでキャッチしてどっかへ消えた。

A「もう帰るわ」

B「うん。じゃあね」

と言って二人は別れた。

ーーーーーーーー

 フルーツを並べるように女を寝かせた。

冷えたアクリルケースはパツンっと音を出した。

アイスキャンディーを女の割れ目に挿入する。

無反応だ。

「OK、これで一ヶ月はもつ。」

ドアが開くと魚を持った男が入ってきた。

「よう。見てくれコレ」

マス釣りに行ってた従弟だ。

15インチ越えのマスを顔に近づけこう言う「脂がノッてまるでバターの香りだよお」

私は従弟を追い払うと彼女の胸の上に乾燥ヒナ菊を乗せた。パセリでも添えるように。

ーーーー

 デカいケツの女が板を選んでいる。

夜の靴下売り場はジョークで済まされない。

泣いてる女の口がミラーに写る。

神に祈るコーンスナックと魚の頭。

奴は自分の足とクモの区別もできない。

柔らかい棒のダメージ。

掃除中の男。

毛布に包まる男。

スパイスショップは遠い。

豊富なカラーのポロシャツ。

カフェオレに指をつっこむ男。

スパイスショップは潰れた。

万引き犯しか来ない化粧品売り場。

火のついたゆで卵が安物のガラスを突き破る。
そいつを観たストッキング売り場の女「あれはフライングファイヤーエッグよ」と叫ぶ。
客の女が床に落ちた火のついたゆで卵を、デカいふくらはぎした脚で踏みつぶす。

ーーーーーー
 あとレッド社の着せ替え人形は入荷しない。
今日は入荷しない。
人形を積んだトラックが行方不明になったから。
だからいつ入荷するか分からない。


おしまい



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