星月夜の間で。

玖優

文字の大きさ
上 下
2 / 5
第1章 高校生編

しおりを挟む
   、、、リリリ、リリリ

  今日もこの音で目が覚める。起きたら、顔を洗って、朝ごはんを作る。

しばらくすると、兄さんが降りてくる。   「おはようございます」
  かけた声に、「おはよう」帰ってくる声はいつもの通り優しい。

二人で朝ごはんを食べ、家を出る。 
「今日は遅くなる。晩御飯はいらないから、戸締まりと、火の元気をつけて」
そう言って、頭を撫でると少し早足で駅へと歩き出した。

昔からかかえていたこの気持ちは、今日も動き続ける。今も、頭を撫でられただけなのに胸がドキドキと高鳴っている。僕は臆病で卑怯だ。このまま家族でいたいから隠し通すと決めたのに、かけられる言葉に甘えて恋心を捨てられないでいる。

  鬱々とそんなことを考えながら歩いていると、
  「おっはよ~、なーに考えてるの?」
   「愛斗うるさい。おはよ、ぼーっとしてたけど大丈夫?」
    いきなりかけられた声に驚き、振り返ると、啓くんと、愛だった。
「おはようございます。大丈夫ですよ、夕飯の献立を考えていました。」
と、慌てて返す
 「朝から大変だねー、まっ、無理だけはしないでね~」
  「本当、そういうとこ愛人も見習いなよ。月夜は少しちゃんとしすぎて心配だけどね」
   「はい。気にかけてくれてありがとうございます。」

   これは、誤魔化したのがばれていますね。  自分一人で解決すべきことなのに、二人に心配をかけてしまったみたいです。反省しないといけませんね。っと、話しているうちに学校についたみたいですね。

  「さて、少し急ぎましょうか。もうすぐでH.Rです。」
    「うわっ、もうそんな時間?じゃあ、下駄箱まできょーそーね」

    先に走って行ってしまった愛を見て、二人で顔を見合わせ、慌てて追いかけます。

     それでは、今日も一日、頑張りますか。

   「よーし、H.R.はじめるぞ。出席とるぞ。
相田、飯坂、…   全員いるな。次に連絡な、図書委員会は12時半、図書室。
    あと、今日から週番よろしくな。最後に、今日は会議があるから放課後先生はいない。何か質問ある奴は早めにききにいけよー。」

    「起立、礼、ありがとうございました。」

         「ありがとうございました。」


    「なぁ、つきー今日の放課後空いてる?空いてたら、自習室で勉強教えてほしいんだけど、、」
 
     「いいですよ。ただ、掃除当番なので待っていてもらえますか?」

      「うん。ありがと~。ねぇきいて!「月夜、俺も一緒でいい?」   けいー、おれが話してる途中だったんだけど。あっ、なにそれがどうしたのみたいな顔~。そんな邪険にするとおれすねるぞ。」

     「はいはい、それでどうしたの?」

    「うん、きいてよ姉ちゃんがさ、ひどいんだよ~」
    
      この二人は、何だかんだで仲がいいですね。見ていて楽しいです。

    そういえば、本当に夕飯なににしましょう、冷蔵庫にはたいしたものが入っていませんでしたし、このさい帰りにスーパーで買い物していきましょうか、確か今日は、魚が安くなってましたね。よし、夕飯は魚の煮物に決定です!

    「つき、楽しそうだねー、どうしたの?」
    
     「いえ、今日の夕飯は、魚の煮物にしようかなって考えていました。」
  
     「本当、朏はえらいよなー。俺だったら毎日ご飯作って、掃除してって、絶対できないわ」

   、、、そんなに偉いわけではあるません。もとは、兄さんに褒めてもらえるのが嬉しくて始めたことです。
     こんなに邪な気持ちを抱えてやっているのですから純粋に褒められるとなんか、心が痛みます。

     「月夜、なにを【キーンコーンカンコーン、コーンカーンキーンコン】じゃあ、放課後にね。」

     「はい、教科書27ページ開いてー…」


    (月夜はなにを考えていたのだろうか、沈んだ顔をしていたな。)

       (啓くんはなにを言いかけていたのでしょうか?気になります。)

     
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

愛され末っ子

西条ネア
BL
本サイトでの感想欄は感想のみでお願いします。全ての感想に返答します。 リクエストはTwitter(@NeaSaijou)にて受付中です。また、小説のストーリーに関するアンケートもTwitterにて行います。 (お知らせは本編で行います。) ******** 上園琉架(うえぞの るか)四男 理斗の双子の弟 虚弱 前髪は後々左に流し始めます。髪の毛の色はご想像にお任せします。深い赤みたいなのアースアイ 後々髪の毛を肩口くらいまで伸ばしてゆるく結びます。アレルギー多め。その他の設定は各話で出てきます! 上園理斗(うえぞの りと)三男 琉架の双子の兄 琉架が心配 琉架第一&大好き 前髪は後々右に流します。髪の毛の色はご想像にお任せします。深い緑みたいなアースアイ 髪型はずっと短いままです。 琉架の元気もお母さんのお腹の中で取っちゃった、、、 上園静矢 (うえぞの せいや)長男 普通にサラッとイケメン。なんでもできちゃうマン。でも弟(特に琉架)絡むと残念。弟達溺愛。深い青色の瞳。髪の毛の色はご想像にお任せします。 上園竜葵(うえぞの りゅうき)次男 ツンデレみたいな、考えと行動が一致しないマン。でも弟達大好きで奮闘して玉砕する。弟達傷つけられたら、、、 深い青色の瞳。兄貴(静矢)と一個差 ケンカ強い でも勉強できる。料理は壊滅的 上園理玖斗(うえぞの りくと)父 息子達大好き 藍羅(あいら・妻)も愛してる 家族傷つけるやつ許さんマジ 琉架の身体が弱すぎて心配 深い緑の瞳。普通にイケメン 上園藍羅(うえぞの あいら) 母 子供達、夫大好き 母は強し、の具現化版 美人さん 息子達(特に琉架)傷つけるやつ許さんマジ。 てか普通に上園家の皆さんは顔面偏差値馬鹿高いです。 (特に琉架)の部分は家族の中で順列ができているわけではなく、特に琉架になる場面が多いという意味です。 琉架の従者 遼(はる)琉架の10歳上 理斗の従者 蘭(らん)理斗の10歳上 その他の従者は後々出します。 虚弱体質な末っ子・琉架が家族からの寵愛、溺愛を受ける物語です。 前半、BL要素少なめです。 この作品は作者の前作と違い毎日更新(予定)です。 できないな、と悟ったらこの文は消します。 ※琉架はある一定の時期から体の成長(精神も若干)がなくなる設定です。詳しくはその時に補足します。 皆様にとって最高の作品になりますように。 ※作者の近況状況欄は要チェックです! 西条ネア

アルバイトで実験台

夏向りん
BL
給料いいバイトあるよ、と教えてもらったバイト先は大人用玩具実験台だった! ローター、オナホ、フェラ、玩具責め、放置、等々の要素有り

家族になろうか

わこ
BL
金持ち若社長に可愛がられる少年の話。 かつて自サイトに載せていたお話です。 表紙画像はぱくたそ様(www.pakutaso.com)よりお借りしています。

傷だらけの僕は空をみる

猫谷 一禾
BL
傷を負った少年は日々をただ淡々と暮らしていく。 生を終えるまで、時を過ぎるのを暗い瞳で過ごす。 諦めた雰囲気の少年に声をかける男は軽い雰囲気の騎士団副団長。 身体と心に傷を負った少年が愛を知り、愛に満たされた幸せを掴むまでの物語。 ハッピーエンドです。 若干の胸くそが出てきます。 ちょっと痛い表現出てくるかもです。

かわいい息子がバリタチだった

湯豆腐
BL
主人公は、中田 秀雄(なかた ひでお)36歳サラリーマン。16歳の息子と2人暮らし。 残業で深夜に帰宅したとき、息子・真央(まお)が男と性行為をしている姿を目撃してしまう! 【注意】BL表現、性描写がかなりあります。

組長と俺の話

性癖詰め込みおばけ
BL
その名の通り、組長と主人公の話 え、主人公のキャラ変が激しい?誤字がある? ( ᵒ̴̶̷᷄꒳ᵒ̴̶̷᷅ )それはホントにごめんなさい 1日1話かけたらいいな〜(他人事) 面白かったら、是非コメントをお願いします!

灰かぶりの少年

うどん
BL
大きなお屋敷に仕える一人の少年。 とても美しい美貌の持ち主だが忌み嫌われ毎日被虐的な扱いをされるのであった・・・。

獣人将軍のヒモ

kouta
BL
巻き込まれて異世界移転した高校生が異世界でお金持ちの獣人に飼われて幸せになるお話 ※ムーンライトノベルにも投稿しています

処理中です...