乙女ゲームに転生したらチートだったけど平凡に生きたいのでとりあえず悪役令息付きの世話役になってみました。

任務ですよ

117.

さぁ～て。


3人は森をぬけた先のぽっかりと空いた庵にたどり着いた。

「精霊たちここが魔女の庵？」

ヤナが空中に話しかけると風がふわっと頬を撫でた。

「そうみたいだな。」

レオンがこっくりと頷く。その動作に、イオは違和感を感じた。

「おい。。。レオン・ライオス。

あなたまさか精霊が見えるのですか。」

イオの質問にレオンは目をぱちくりとさせた。

「あーーー。そういえばお前さんは見えないんだっけ？」

「あなたが見えてることに俺は驚きなんだが。」


「お兄ちゃん。レオンは家系的にそういう関係を結んでるから見えるんだよ。」



「そうそう。じゃなきゃ本当は王族ぐらいしか精霊が見えるわけないの。
ヤナはイレギュラーなんだから。」



「なにを騒いでいる。」

急に後ろから声がしてヤナとレオンは振り返った。

イオだけがふぅっとため息をついた。

「魔女ディアヌンテ。背後なら近づくのをやめなさいと何度言えば...」

「わ！レオン様だぁ!!!!!!」

イオが言い終わらないうちに魔女ディアヌンテはレオンに向けて満面の笑みで微笑んだ。

「お、おう。ディアヌンテ。元気そうだな！」

「うん！先生の勧めでここに庵をつくったんだけどあんまり人が来なくて楽しい生活を送ってるよ！」

......まぁ。楽しさは人それぞれだよな？