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最終章
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しおりを挟む「ねぇ玲人…」
「…なに?」
「いや…あの…」
「なんだよ」
「玲人って…カナダに行った事ある?」
「カナダ、外国の?…なんだよ、急に」
「あ、ちょっとね。同じ研究室に人が今度旅行で行くみたいでね。…それだけ、なんだけど…」
「ふーん。…ねぇよ、行ったこと」
「そっか…」
「何、行きたいの?」
「ううん!…行きたく…ない」
「…あっそ」
「ただね…」
「…ただ?」
その後。
慶太、確か…。
「これ、見たいな、って」
「…どれ?」
慶太は手に持っていた写真らしきものを俺に見せた。
色とりどりのまばゆいライトがたくさん飾り付けられ場所。
確かにキレイだった。
それを見たいと言う慶太。
見せてやりたいと、思ったんだ。
「へぇ。…でも、それ、日本でも見れそうじゃね?」
なんて、そっけない振りしたけどさ。
「そうかもしれないけどさ…でも、絶対キレイだよ」
「……」
「クリスマスとか年末限定なんだって。…すごいんだろうなぁ」
「…どこ、それ?」
「 」
あぁ、どこって言ってたっけ?
思い出せない。
ほらな、やっぱり聞いてなかったんだよ、俺。
今からしてみればきっとこれもサインだった。
急にカナダの事を話し出して。
この時点で何かに気づくべきだったのに。
あぁ。
どこだよ。
慶太。
お前の話…聞いてた。
俺、ちゃんと聞いてたよ。
写真よりお前のほうがキレイだって。
そんなくさい事思いながら聞いてたんだ。
慶太。
「……どこ、それ?」
どこ?
どこだ。
「セントエリザベスパーク」
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