僕は本当に幸せでした〜刹那の向こう 君と過ごした日々〜

大学生編

93

ー玲人へ


こうして玲人に手紙を書くのは初めてですね。

なんか少し緊張します。


口調も丁寧になっちゃうし…。

あんまりうまく書けないかもしれないけど最後まで読んでくれるとうれしいな。


玲人。

正直ね、君と出会わなかったら良かった。

そう思う事もあったんだ。


でもね、出会ってよかったと思うことのほうが大きくて。

だから、ありがとう。

それを言わせてください。


君と出会って。

君に好きだと言ってもらえて。

君に好きだと言って。

君とキスをして。

抱き合って。

笑いあって。

もちろんそんな日々ばかりじゃなかったけれど。


ねぇ、玲人、君は僕に恋することの温かさを教えてくれた。

そして愛されることの幸福感をくれた。


でもね、同時に愛することの切なさを教えてくれた。

裏切られることの痛みも。


あなたが好きです。

本当に大好きです。

けれど、さよならです。


こうして逃げて行く僕を弱いやつだと、そう笑ってくれていいよ。

弱くて、ごめんね？


ねぇ、玲人。

君と出会って一緒に過ごしてきたこの六年半。


僕は。

僕は本当に幸せでした。


だから、君も幸せに。


ありがとう。

さようなら。


ps　家の鍵は玄関口のポストに入れておきます。

後、テーブルの上の料理。ずっとリクエストしてくれてた中華。昨日のだけどまだおいしいと思います。

今日もう一度温めておいたけど、でも玲人が戻ったときに冷えてたらまた温めなおしてね。

余ったら冷凍しておけば結構もつと思います。

なんか、最後まで母親みたいになっちゃったけど、食べてもらえると嬉しいです。
　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
慶太ー