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過去~高校生編2
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しおりを挟むーside 桐生玲人ー
俺は慶太になんて言おうとしたんだろう。
それは本当にくだらない。
「そしたら……考え直してくれるか、大学の事?」
大学の事。
俺らのこと。
もう一度俺を愛するという事。
なんてしょうもないんだ。
いまだに慶太の決意を受け入れることが出来ず、俺は醜く惨めにもあがき続けている。
あいつの事を抱いて抱いて抱きまくって慶太の存在を感じていたいのに、それすら出来ずに他に走る。
それが原因であいつは俺から離れていくというのにバカな俺はまだ続けてるんだ。
隣で眠るあいつを俺は出来るだけ長く見続けて、でもいつの間にか睡魔には勝てずに寝てしまって。
次の日起きてあいつがまだ隣にいることに安堵する。
おかしな方向へ考えが向かってしまいそうになる。
いっそのこと殺してしまいたい。
そしたらあいつはどこにも行かないだろ?
俺もすぐにお前のそばに行くから。
狂ってる。
本当にそうだ。
でも慶太に関して俺は普通じゃいられないんだ。
何とか、何とか見つけなくては。
なんでもいいんだ。
何とかしてあいつを離さなくてすむ。
その方法を探さなくちゃいけない。
時間がねぇよ。
俺らが卒業して大学が始まるまでもうあと二ヶ月半くらい。
その間に俺はどうにかしないといけないんだ。
共通テスト。
もし俺が勝ったら、なんて言わなくてよかったよ。
俺がお前に勝てるわけねぇよな。
後日自己採点した結果。
俺の点数は慶太にまるで及びもしなかった。
比べようがないほどあいつはすごかった。
また俺は一つ方法を失った。
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