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過去~高校生編2

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-side 水野慶太-


高校に入って三度目の春。

僕はとうとう受験生になった。


大学にも行くつもりでいる。

また奨学金のお世話になろうと。


(大学…か…)


僕の行く大学はもう決まってるんだ。

いつだっただろう、玲人とそんな話になったのは。


「慶太。お前、高校卒業したらどうすんの?」

「大学……行きたいと思ってるよ」

「あっそ。で、どこの?」

「まだ迷ってるんだけど…S大かT大のどっちか。…なかなか決めれなくって」

「へぇ…じゃあさ、S大にしろよ」

「……え?」

「俺、S大が第一希望だからさ」

「…そう…なんだ」

「だからお前もS大な?………嫌なのか?」

「そういうわけじゃ、ないけど…」

「じゃ、いいだろ?決まりな」


それで終わり。

進路も自分で決める事はなかった。

まぁ、二者択一で自分でも決めれてなかったのだから別にいいだろう、そう言われてしまうとあれだけど。



高校三年生になって、またクラス替え。

今年は自分一人でどのクラスか確認に行った。

掲示板の前で自分の名前を探す。


(えと…水野慶太…水野慶太…あ、一組…か。)


そして続けて今度は玲人の名前を探してみる。


(玲人は…二組だ。)


明らかにほっとしている自分がいた。

去年はあれほど一緒のクラスになりたいと願ったのに。


右手の中指にはめられた指輪にそっと触れる。

今の僕にはこれだけで十分だ。


あっちゃんは四組らしく、今年はみんなばらばらになった。


高校生活最後の年。

それが幕を開けた。


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