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過去~高校生編2
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しおりを挟む-side 桐生玲人-
息が切れて切れて切れて、口の中が血の味がする。
苦しかったけど、それでも止まらず慶太の家へ向かった。
慶太はそこにいて俺を家へ迎え入れてくれた。
沈黙が続く。
どれくらいそれが続いたのだろうか。
何か言わなきゃと思って口をついて出た言葉は最悪な言い訳で。
「ゴメン」の一言も言えない。
慶太はただただ冷静に見えた。
俺をなじりもしない。
もちろん、殴りもしない。
そして。
泣きもしない。
そんな資格などないのに少しだけイラッとした自分がいた。
もっと取り乱すと思ってた。
ひどく泣いてわめいて取り乱して。
「別れたくない!」
そう言われると思ってた。
なのに、あいつの言った事は「もうしないか?」という事だけ。
(慶太…お前怒んないのかよ。)
「しない」と誓う。
でも、その誓いが口から出るのに一瞬の間があった。
その躊躇いは俺の本心だったんだ、きっと。
抱いてくれとせがむ慶太を俺は抱く。
あいつは、今までした事も無いような大胆な態度をとった。
自分から俺のものに手を伸ばし咥えた。
そして自分から俺を求め、何度も何度もねだった。
慶太の口から漏れる甘いはずの声は掠れてしまい、息も絶え絶えになっている。
もう無理なはずなのに何度も繰り返し俺を受け入れる。
それが痛くて苦しくて壊れ物に触れるようにあいつを扱ったんだ。
もっと自分を出せばいいのに。
もっと言いたいことを言えばいいのに。
こういう方法でしか俺に対する感情を表現できない慶太のことが。
愛しくて、悲しくて、憎くて。
慶太が気を失うまで行為は続いた。
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