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過去~高校生編2

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-side 水野慶太-


一度学校が始まってしまえば時間が過ぎるのはとても早い。

ましてや新学期、新学年。

初めのうちはやる事が山積みでそれに追われる日々。

プラス僕にはバイトもあって、やはり春休みの間ほど玲人との時間が取れなくなっていた。


寂しい。

物足りないのも事実。

でも時間は待ってくれずにただただ過ぎていく。


新入生を迎えた時に咲きほこっていた桜はいつの間にか散り始め、桜色のじゅうたんが校門から校舎まで引かれるように散り落ちていた。

その上をいつもの三人で歩く。


「慶ちん今日もバイトだっけ?」

「あ、うん。そうなんだ」

「なんかシフト、結構いっぱい入れてない?」

「二年生になって落ち着いたし。三年になって忙しくなるまで増やそうかと思って」

「そうなんだ…。じゃあ、玲人、寂しいんじゃないの?慶ちんのことバイトに取られて」

「……」

「玲人?」

「…あ…あぁ、そうだな」


玲人の様子がおかしい。

今日だけじゃなくて最近結構ボーっとして上の空な事が多い。

心配になる。

体調悪かったりするのかな?


「玲人、大丈夫?」

「ぁ…何が?」

「いや…なんていうか…体調崩してるのかなぁって。最近元気ない感じがして」

「別に、大丈夫。つか、敦の言うとおり、お前バイト入れすぎ!お前が体調崩したりすんなよ?
そうなったら看病するの俺だろ?」

「もう!僕ね、こう見えて結構身体は丈夫なんだから」


笑った。

良かった。いつもの玲人だ。

やっぱり思い過ごし…だったかな?


「じゃあ、僕バイトだからもう行くね」

「おぅ」

「慶ちん、がんばってね!」


来年の事も考えて今のうちにいっぱい働いておかなくちゃ。


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