僕は本当に幸せでした〜刹那の向こう 君と過ごした日々〜

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過去~高校生編2

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-side 水野慶太-


すごく楽しかった春休みも昨日までの事。

今日から僕は高校二年生になる。

新しい校舎、新しい教室、新しいクラスメート。

環境が変わるのはすごく不安だけど、でも大丈夫。


僕は一人じゃないから。

それにもしかしたら…


(玲人と同じクラスになれるかも)


小さいけどすごく大きな期待。



「あ、慶ちんだ!!おっはよー!!」

あっちゃんが駆け寄ってくる。

変わらずだなぁ。

て言うかまた髪の色が薄くなったのでは…



「よっ」

「おはよ、玲人」


そして玲人。


どうしよう…思い出してしまう。

初めて抱かれたあの日から日をあけずしてずっと僕は…。


「あれぇ、慶ちん。なんか顔が…。熱でもあんじゃないの?」

「ないない。全然大丈夫!」


やっぱり初めてのときは玲人が手加減してくれたみたいで、最近はとても…激しい。

さすがに昨日は今日から学校って分かってたからアレだけど。


「慶太、どした?」

「あ…なんでもないよ」


不思議そうな顔をして僕の顔を覗き込んでくる玲人。

いつになったら慣れるのかなぁ。

僕の心臓は玲人を見かけるたびにドキドキしっぱなしです。


「てかさぁ、クラス替えのヤツ見に行こうよ!!」

なんかワクワクしてるあっちゃん。


「あぁ、行くか」

「うん」


三人揃って新しいクラスの確認に向かう。

どうか、お願いです。

玲人と同じ空間で1年を過ごさせてください。



「えぇっとぉーーー、あ!あった。俺ね、4組ぃ」

「あぁ、俺は、2組…みたいだな」

「…僕も4組」

順に、あっちゃん、玲人、僕。


(離れちゃった…。そんなにうまくはいかないよね、やっぱり。)


「慶ちん!!同じクラスだね!!俺、嬉しいぃ~」

「うん、一年間よろしくね」

「…てか、何で俺だけ違うわけ?」

「あぁ、えぇとそれは、運命なのですよ、二人の!ほら、会えない時間ほどなんとやらってさ」

「誰がそんなの言ったわけ?」

「昨日のドラマの人」

「お前バカ?」


やっぱりこの関係は変わらないよね?

安心した。

確かに玲人と同じクラスじゃなかったのはさびしい。

でも今までだってそうだったし。

何も変わんない。

大丈夫。


そうだよね、玲人?

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