僕は本当に幸せでした〜刹那の向こう 君と過ごした日々〜

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過去~高校生編1

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-side 桐生玲人-


慶太の誕生日の夜、俺らは初めてセックスをした。

あいつはやっぱり何にも知らなくて。

慶太の初めての扉を一つ一つ俺が開けていく。


俺が触れるたびに慶太の身体は赤く染まり、身体は快楽に叫びを上げる。


一度なんかじゃ足りない。

本当は何度も何度もあいつを抱いて、抱きつぶしてやりたかった。

でもそんなの出来やしない。


誕生日プレゼントとして家の鍵をあげると慶太は涙を流して喜んだ。

本当は、それ以外にも用意していたのに。


ペアリング。


渡せなかったんだ。

なぜかは分からないけど。


『ウソツケ。オ前ハ分カッテルダロ?』

『ソンナノ簡単サ』

『オ前ハ縛ラレルノガ怖インダ』


違う。

『違ワナイ』


うるさい!

『認メタクナインダロ?本心ダカラ』


俺は慶太を愛してるんだ。

『本当ニ?』


本…当に…俺は…慶太を…。



ひとりのヤツとこんなに長く続いたのは初めてで。

一人だけを相手にするのは初めてで…。



『本当ニ慶太ダケヲ愛シテルノカ?』

『オ前ニ一人ノ人間ヲ愛スルコトガ出来ルノカ?』


執着してるだけなのだろうか?


『初メテ男ニ手ヲ出シタンダロ?』

『珍シイダケジャナイノカ?』


分からない…。


初めはただの黒い点だったのがどんどん広がって今では染みのように半分以上に侵食している。


慶太。

俺はお前を愛してるのに。


でも…

それを認めてしまうのが怖いんだ。



俺と慶太の出会った高校一年。

そして高校二年へ。


ごめん。

俺はお前を裏切る事になる。




-高校生編1終了-


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