僕は本当に幸せでした〜刹那の向こう 君と過ごした日々〜

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過去~高校生編1

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「慶ちん!お誕生日おめでとう!!」

パーンと激しいクラッカーの音と、そこから飛び出てくる紙やらなんやらに少し驚く僕。


(やっぱり、今日は玲人の家でよかった。)


あっちゃんが「いっぱい騒ごう!」って言ったものだから、僕の家だと壁薄くてきっと文句言われちゃうねって事で今日は玲人の家。


「慶太、おめでとう」

「ありがとう」

「慶ちんもようやく十六歳かぁ。玲人とかもうすぐ十七歳だよね?」

「玲人は確かお誕生日、五月だったよね?」

「あぁ。ほぼ一年違うな」

「俺はね、俺はね、七月!」


五月に十七歳になる玲人。

そして七月に十七歳になるあっちゃん。


去年のその日、僕はまだ二人に出会ってはいなかった。

だから今年はその分もいっぱいお祝いしたいなぁ。


「はい、これ。俺からのプレゼント。慶ちん喜んでくれると嬉しいなぁ。」

「あっちゃん、別に良かったのに。…でも、ありがとね」


丁寧に包装紙をはがして中身を取り出す。


「…あっちゃん」

「別にケチったわけじゃないよ?なんかこういうのってさ、理由が無いとあげるの恥ずかしいでしょ?」


それは、とてもシンプルな写真立てで

中には、僕と玲人とあっちゃんの写真。


「前にさ、慶ちんのお部屋行ったとき。アルバムとか写真とか無かったから。コレが最初の一枚ね」

その言葉にじんわりと目頭が熱くなる。


「いっぱいいっぱい増やしていこうね?」

「…ん」


ほろりと僕の瞳から涙が零れ落ちて。

何とか止めようとするんだけど、止まらなくて。

玲人が頭をなでてくれる。

あっちゃんは「泣かしちった」って苦笑い。


「あっちゃん……ありがと。すごくうれしい」

「そ?よかったぁ」

「…俺、このあと結構出しにくくね?」

「お、玲人!そうだよ、玲人は何用意したの?」

「うるせぇ、お前には見せねぇ」

「は?俺のだけ見て自分のは見せてくんねえの?うわ、けち」

「…うるせぇ。慶太、後でな?」

「うん?」


見せにくいもの…なのかな?

玲人からもらえるなら何でも嬉しいのに。


「まぁいいや、後で慶ちんに教えてもらおうっと。じゃ、早速ご飯食べよう!」


目の前にはとても豪勢な料理たち。

玲人とあっちゃんがどこからか調達してくれたらしい。

お金持ちってすごいなぁ、ってしみじみ思った。

そしてその料理たちの脇にはなぜかポテトやハンバーガーたち。

バイト先の店長さんが「水野君今日誕生日なんだって?コレしかここにはなくて申し訳ないけど持ってってよ!」と持たせてくれたものだ。


「うん、お腹減った!僕、コレ食べてみたい」

「あ、俺取ったげるよ」

「あっちゃん、ありがと!」

「……貸せ、俺がやる。お前はしゃべらず食ってろ」


今まで見たこともない料理を玲人がお皿にたくさん取ってくれる。


「うわ、おいしそう。いただきます!…んー!おいしい、コレ」

「そう?俺には慶太の飯のほうが全然うまいけど」

「玲人の意見に賛成~!!」

「二人とも…誕生日だからってそんなお世辞は…」

「「お世辞じゃねぇ(ない)!!」」

「…はぃ。ごめんなさい」


ってなんで僕が謝るんだろう?

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