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過去~高校生編1
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「うぉーい!!慶ちーん、かっえりっましょー!」
タイミングよく二人がやってくる。
僕・女子・ウサギ。
二人の視線が行ったり来たりしてるのがすぐ分かった。
「あの、えっとね。これね、誕生日プレゼント…なんだって」
やっぱり少しだけ恥ずかしくって隠すようにウサギをきゅっと抱きしめてしまった。
(赤くなってウサギ抱いてるぅ。)(いやぁん、ナイスアングル!!)(誰か、写メ写メ!!)
「慶ちん、もらったの?よかったねぇ。ちょっと見せてよ」
あっちゃんが僕からウサギを取り上げる。そしてそれを横から玲人が眺める。
「うん、可愛い。慶ちんみたいだね」
「…そうか?」
「そうだって。慶ちんコレ抱いて夜寝るんだよね?」
「は?……慶太がウサギを抱きしめて寝る…。(それは俺のポジションなのでは?)」
玲人がウサギの頭をむぎゅ-っと押さえ込む。
「あ、だめ!」
あわてて玲人の手をどけてウサギを取り戻した。
(もぅ、玲人は乱暴だな。ウサギがかわいそうじゃないか。)
そう言ってウサギの頭をなでてるあたり、もうすでにこの子は僕の中に入り込んできてるのかもしれない。
「ちっ。ま、いいわ。帰るぞ、慶太」
「うん!」
「じゃ、みんなもまったねぇ」
「あの…本当にありがとね、これ」
「「「全然!!」」」
教室を出て、靴を履き替えて、学校から離れる。
なぜだか一度振り返って見た。
(今度この校門をくぐるときは新しい学年なんだよなぁ。)
そしてウサギを抱く腕に少し力を入れる。
「慶太、なにしてんの?行くぞ!!」
「慶ちーん!俺、腹へったぁ」
「あ、ごめーん!今行く」
(一年間お世話になりました。四月からまたお願いします。)
ペコリと一礼して二人に駆け寄って言った。
「なに、誰かいたの?」
「ううん、別に。ちょっとね」
僕のお辞儀に答えるように校舎からはチャイムが聞こえていた。
タイミングよく二人がやってくる。
僕・女子・ウサギ。
二人の視線が行ったり来たりしてるのがすぐ分かった。
「あの、えっとね。これね、誕生日プレゼント…なんだって」
やっぱり少しだけ恥ずかしくって隠すようにウサギをきゅっと抱きしめてしまった。
(赤くなってウサギ抱いてるぅ。)(いやぁん、ナイスアングル!!)(誰か、写メ写メ!!)
「慶ちん、もらったの?よかったねぇ。ちょっと見せてよ」
あっちゃんが僕からウサギを取り上げる。そしてそれを横から玲人が眺める。
「うん、可愛い。慶ちんみたいだね」
「…そうか?」
「そうだって。慶ちんコレ抱いて夜寝るんだよね?」
「は?……慶太がウサギを抱きしめて寝る…。(それは俺のポジションなのでは?)」
玲人がウサギの頭をむぎゅ-っと押さえ込む。
「あ、だめ!」
あわてて玲人の手をどけてウサギを取り戻した。
(もぅ、玲人は乱暴だな。ウサギがかわいそうじゃないか。)
そう言ってウサギの頭をなでてるあたり、もうすでにこの子は僕の中に入り込んできてるのかもしれない。
「ちっ。ま、いいわ。帰るぞ、慶太」
「うん!」
「じゃ、みんなもまったねぇ」
「あの…本当にありがとね、これ」
「「「全然!!」」」
教室を出て、靴を履き替えて、学校から離れる。
なぜだか一度振り返って見た。
(今度この校門をくぐるときは新しい学年なんだよなぁ。)
そしてウサギを抱く腕に少し力を入れる。
「慶太、なにしてんの?行くぞ!!」
「慶ちーん!俺、腹へったぁ」
「あ、ごめーん!今行く」
(一年間お世話になりました。四月からまたお願いします。)
ペコリと一礼して二人に駆け寄って言った。
「なに、誰かいたの?」
「ううん、別に。ちょっとね」
僕のお辞儀に答えるように校舎からはチャイムが聞こえていた。
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