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過去~高校生編1
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-side 桐生玲人-
なんかあまりに嬉しすぎて。
慶太が好きすぎて。
我慢が出来なくてやってしまった。
過剰に反応してカタカタと震えだす慶太が無性に可愛く感じる。
「大丈夫だ。」と声をかけると震えも収まり、次はちゃんと俺を受け入れる事ができた。
慶太。
俺の慶太。
全部が初めての慶太。
何も知らない慶太。
俺がすべての慶太。
嬉しい。
嬉しいはずなのに。
少しだけ。
ほんの少しだけ俺の中にモヤモヤが生じだす。
『じゃあ俺は?』
このころからだったのかもしれない。
徐々にだけど、少しずつ確実に。
俺は黒い何かに蝕まれていくんだ。
でも耳をふさいで聞こえないふりをする。
ちゃんとこの時向き合っていればよかったのに…。
-side 水野慶太-
毎日が楽しくて仕方ない。
こんな日が僕に訪れるなんて思ってもいなかった。
ずっと一人でただただひっそりと生きていく。
「あれ、あいつ誰だっけ?てか、いたっけ?」
そんな存在になるはずだったのに。
「慶太、今日バイトか?後で行くから」
一人きりの世界に玲人が増えて。
「あ、俺も行く!慶ちん、ポテトおまけして?」
あっちゃんが増えて。
「水野バイトしてんの?」「どこで?」「私も今度行くから!」
クラスの人たちが増えて。
一生分の幸せを今感じてるのかもしれない。
でも、この一生分の幸せが一生続いて欲しい。
どうか。
どうか。
消えないで……。
なんかあまりに嬉しすぎて。
慶太が好きすぎて。
我慢が出来なくてやってしまった。
過剰に反応してカタカタと震えだす慶太が無性に可愛く感じる。
「大丈夫だ。」と声をかけると震えも収まり、次はちゃんと俺を受け入れる事ができた。
慶太。
俺の慶太。
全部が初めての慶太。
何も知らない慶太。
俺がすべての慶太。
嬉しい。
嬉しいはずなのに。
少しだけ。
ほんの少しだけ俺の中にモヤモヤが生じだす。
『じゃあ俺は?』
このころからだったのかもしれない。
徐々にだけど、少しずつ確実に。
俺は黒い何かに蝕まれていくんだ。
でも耳をふさいで聞こえないふりをする。
ちゃんとこの時向き合っていればよかったのに…。
-side 水野慶太-
毎日が楽しくて仕方ない。
こんな日が僕に訪れるなんて思ってもいなかった。
ずっと一人でただただひっそりと生きていく。
「あれ、あいつ誰だっけ?てか、いたっけ?」
そんな存在になるはずだったのに。
「慶太、今日バイトか?後で行くから」
一人きりの世界に玲人が増えて。
「あ、俺も行く!慶ちん、ポテトおまけして?」
あっちゃんが増えて。
「水野バイトしてんの?」「どこで?」「私も今度行くから!」
クラスの人たちが増えて。
一生分の幸せを今感じてるのかもしれない。
でも、この一生分の幸せが一生続いて欲しい。
どうか。
どうか。
消えないで……。
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