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過去~高校生編1

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ーside 日比野敦ー

なんだありゃ。

すっかりしっぽりまとまっちゃったみたいですねぇ


手を離した後、玲人の方を振り返る慶ちん。

そしてまた歩き出す。

今度は玲人が振り向いて。

慶ちんが歩いているのを確認して自分も歩き出す。


なんだね、これは。

ここ学校ですよー。

永遠の別れじゃないよね?

しかも俺、かなり橋渡し的な役を担ったのにさ。

全く報告がないってどういうことよ?

ま、いいもんねぇ。

今日一から千までもれなく話してもらうんだから!



「おっはー。」と玲人の肩を叩くとめっちゃくちゃ嫌そうな顔をされました。

はいはい、なんですか。

そのあからさまな「なんでお前なんだよ」的表情は。

親友ですよ。


「玲人くーん。ねぇ、冬休みはどうでした?ものすっごーーーーく有意義だったみたいだけど。……誰かのおかげで。ん?」

一瞬玲人の口元が緩んだのを俺は見逃さない。

「あ、何にやけてんだ?何があったの?慶ちんは?告白したんだよね?ねぇねぇ。もしかしてもうヤっちゃっ…ふがっっ?」


口を押さえられる。

ついでに鼻も押さえられてますけど?

息、息!

酸素プリーズ!

ヤバい……きれいなミニスカートの天使ちゃんが…

おいでおいで、って俺に…。


「お前、声がでけぇんだよ!」

そうやって叫んでるお前の声の方がでかいですよ。

ようやく口から手が離れておもいっきり酸素を吸い込む。


「…ぜぇふぅ…で?どうなのよ?」

「どうって。…何が?」

「『何が』ってここでまた大声で言ってもいいんですかぁ。」

「無理。」

「じゃあ、教えて。どうなの?」

「……あぁ。」

「それは、うまくいったってこと?」

「…まぁ。」

「誰のおかげで?」

「ん?……お前?」

「疑問系じゃないでしょ?間違いなく絶対にこの敦様のおかげだろ!」


玲人はすげぇ認めたくなさそうに「…だな。」と呟いた。

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