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過去~高校生編1

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ピンポーン…

時間ぴったり。


「よっ。」

「あ、玲人。いらっしゃい。狭いけどごめんね。」


はじめて訪れた慶太の部屋。

こじんまりはしているがなんかすごく慶太らしい。

整理整頓された部屋にはサイズ的に似つかわしくない大きさの本棚。

自分の家とは違ってすごく生活感がある。


(ここで、毎日慶太が過ごしてるんだよなぁ。)


「玲人、座って。」

クッションを手渡してくる慶太。


「悪いな、お前んちに押しかけて。」

「全然!狭くてビックリしたでしょ?」

「いや、なんか慶太って感じだよ。」

「それって僕が小さいってこと?」

「あはは、違うって!なんとなく雰囲気が、な。」

「…そう?」


すごく緊張しているのに会話はこうしてスムーズに出来ていることに安心した。

そう言えば告白なんてしたことがなくて。

どうやって切り出したらいいものか分からない。


「あっちゃん、遅いよね?僕、あっちゃんのトナカイ楽しみなんだけどなぁ。」

「あ…あぁ。そうだな。」


敦が来ないと分かったら慶太は悲しむだろうか。

俺と二人だと楽しめないだろうか。

そう思うと、敦が来ないと言うことをなかなか言い出すことができない。


「あ、これケーキ。一番うまそうなヤツ買ったから。」

「ありがとう!冷蔵庫に入れとくね。」


キッチンへとケーキを持っていく慶太の後ろ姿を眺める。


もうただの友達には戻れない。

戻りたくはない。

あの華奢な身体を抱き締めたくて仕方ない。


「あのな、慶太。」

俺の呼びかけにこっちを振り返る。


「今日さ、敦来れないんだっで。」

「えっ?」

「なんか、急にばあちゃんの具合が悪くなったらしくって。(敦のばあちゃん、ゴメン!)」

「え、あ……そうなんだ。」

「やっぱり二人じゃ嫌…か?」

「へっ?…嫌じゃないよ、全然!でも、料理いっぱい作っちゃったから。…玲人、あっちゃんの分も食べてくれる?」

「了解。」


とりあえず慶太はこj状況を嫌がってはいないみたいでホッとした。

第一関門は突破、かな?

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