僕は本当に幸せでした〜刹那の向こう 君と過ごした日々〜

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過去~高校生編1

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「ねぇねぇ、二人ともクリスマスはどうすんの?」


急にあっちゃんに聞かれてそういえばそんな時期だったことを思い出す。

正直クリスマスの時期はあまりいい思い出がないから考えないようにしていた。


「三人でクリスマスパーティーしようぜ!」

あっちゃんが僕たちに向かって親指をグッと立てて見せた。


「何が楽しくてお前とクリスマスなんだよ。」

「えー、だって予定ないでしょ?俺ら誰も恋人いないし。」

「ま、そうだけども…。」

「慶太ちんは?どう思う?」

「うん、すごく楽しそう!!」


三人でパーティー。

僕が料理作って、玲人がケーキ買ってきて、それであっちゃんがサンタの衣装着て。

あ、トナカイの方が似合うかな。


「まぁ、慶太がいいなら。」

「じゃ、決まりね!ちょうど終業式だしさ。みんなでパーっと。パーっとね!」

「うん!」



ーside 日比野敦ー

「俺行かないから。」

メシ食べ終わって慶ちんと別れたあと、教室に向かう途中で玲人に告げる。


「は?」

「だから、クリスマス。俺は行かないから。」

「何言ってんの?お前が計画したんだろ。慶太だってあんなに楽しみにして…。」

「玲人さ、いい加減どうにかしたら?」

「…どういう意味だよ。」

「慶太のこと、好きなんだろ?バレバレだっつーの。」


横を歩いていた玲人が立ち止まる。


「その辺の女とっかえひっかえ捕まえてる場合じゃねぇだろ?」


正直、殴ってやろうかと思った。

泣きもせず必死に歯を食いしばって堪えてる慶太を思うと。

一発じゃすまないくらい殴ってやりたかった。

でも、そんなことを慶太が望んでないってことも分かっていた。


「とにかく俺は行かないから。その日は二人で過ごせよ。そんで言え、お前の気持ち。」

「……」

「じゃねえと、俺が取っちゃうかもよ?」

「お前……」

「なーんてね。安心しろ、単なる友達としてしか見てないから。」


今のところは、な。

俺が本気にならないうちにくっついちまえよ。

ダチ同士で取り合うようになるなんてシャレになんねぇだろ?

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