54 / 327
過去~高校生編1
47
しおりを挟む「ねぇねぇ、二人ともクリスマスはどうすんの?」
急にあっちゃんに聞かれてそういえばそんな時期だったことを思い出す。
正直クリスマスの時期はあまりいい思い出がないから考えないようにしていた。
「三人でクリスマスパーティーしようぜ!」
あっちゃんが僕たちに向かって親指をグッと立てて見せた。
「何が楽しくてお前とクリスマスなんだよ。」
「えー、だって予定ないでしょ?俺ら誰も恋人いないし。」
「ま、そうだけども…。」
「慶太ちんは?どう思う?」
「うん、すごく楽しそう!!」
三人でパーティー。
僕が料理作って、玲人がケーキ買ってきて、それであっちゃんがサンタの衣装着て。
あ、トナカイの方が似合うかな。
「まぁ、慶太がいいなら。」
「じゃ、決まりね!ちょうど終業式だしさ。みんなでパーっと。パーっとね!」
「うん!」
ーside 日比野敦ー
「俺行かないから。」
メシ食べ終わって慶ちんと別れたあと、教室に向かう途中で玲人に告げる。
「は?」
「だから、クリスマス。俺は行かないから。」
「何言ってんの?お前が計画したんだろ。慶太だってあんなに楽しみにして…。」
「玲人さ、いい加減どうにかしたら?」
「…どういう意味だよ。」
「慶太のこと、好きなんだろ?バレバレだっつーの。」
横を歩いていた玲人が立ち止まる。
「その辺の女とっかえひっかえ捕まえてる場合じゃねぇだろ?」
正直、殴ってやろうかと思った。
泣きもせず必死に歯を食いしばって堪えてる慶太を思うと。
一発じゃすまないくらい殴ってやりたかった。
でも、そんなことを慶太が望んでないってことも分かっていた。
「とにかく俺は行かないから。その日は二人で過ごせよ。そんで言え、お前の気持ち。」
「……」
「じゃねえと、俺が取っちゃうかもよ?」
「お前……」
「なーんてね。安心しろ、単なる友達としてしか見てないから。」
今のところは、な。
俺が本気にならないうちにくっついちまえよ。
ダチ同士で取り合うようになるなんてシャレになんねぇだろ?
12
お気に入りに追加
245
あなたにおすすめの小説

男の娘を好きに成っても良いですか?
小春かぜね
BL
とある投稿サイトで、自分を応援してくれる人を、女性だと信じ好意を持ってしまった主人公。
相手のプロフィールから、思い思いに女性の姿を想像し、日増しにその想いは強く成っていく。
相手プロフィールからの情報で、自分との年齢差が有る事から、過度の交流を悩んでいた主人公だが、意外にも相手側が積極的の感じだ!?
これを機会と捉えた主人公は、女性だと思われる人とやりとりを始めるが……衝撃事実に発展する!!!

キミと2回目の恋をしよう
なの
BL
ある日、誤解から恋人とすれ違ってしまった。
彼は俺がいない間に荷物をまとめて出てってしまっていたが、俺はそれに気づかずにいつも通り家に帰ると彼はもうすでにいなかった。どこに行ったのか連絡をしたが連絡が取れなかった。
彼のお母さんから彼が病院に運ばれたと連絡があった。
「どこかに旅行だったの?」
傷だらけのスーツケースが彼の寝ている病室の隅に置いてあって俺はお母さんにその場しのぎの嘘をついた。
彼との誤解を解こうと思っていたのに目が覚めたら彼は今までの全ての記憶を失っていた。これは神さまがくれたチャンスだと思った。
彼の荷物を元通りにして共同生活を再開させたが…
彼の記憶は戻るのか?2人の共同生活の行方は?
春風の香
梅川 ノン
BL
名門西園寺家の庶子として生まれた蒼は、病弱なオメガ。
母を早くに亡くし、父に顧みられない蒼は孤独だった。
そんな蒼に手を差し伸べたのが、北畠総合病院の医師北畠雪哉だった。
雪哉もオメガであり自力で医師になり、今は院長子息の夫になっていた。
自身の昔の姿を重ねて蒼を可愛がる雪哉は、自宅にも蒼を誘う。
雪哉の息子彰久は、蒼に一心に懐いた。蒼もそんな彰久を心から可愛がった。
3歳と15歳で出会う、受が12歳年上の歳の差オメガバースです。
オメガバースですが、独自の設定があります。ご了承ください。
番外編は二人の結婚直後と、4年後の甘い生活の二話です。それぞれ短いお話ですがお楽しみいただけると嬉しいです!

消えない思い
樹木緑
BL
オメガバース:僕には忘れられない夏がある。彼が好きだった。ただ、ただ、彼が好きだった。
高校3年生 矢野浩二 α
高校3年生 佐々木裕也 α
高校1年生 赤城要 Ω
赤城要は運命の番である両親に憧れ、両親が出会った高校に入学します。
自分も両親の様に運命の番が欲しいと思っています。
そして高校の入学式で出会った矢野浩二に、淡い感情を抱き始めるようになります。
でもあるきっかけを基に、佐々木裕也と出会います。
彼こそが要の探し続けた運命の番だったのです。
そして3人の運命が絡み合って、それぞれが、それぞれの選択をしていくと言うお話です。

僕の追憶と運命の人-【消えない思い】スピンオフ
樹木緑
BL
【消えない思い】スピンオフ ーオメガバース
ーあの日の記憶がいつまでも僕を追いかけるー
消えない思いをまだ読んでおられない方は 、
続きではありませんが、消えない思いから読むことをお勧めします。
消えない思いで何時も番の居るΩに恋をしていた矢野浩二が
高校の後輩に初めての本気の恋をしてその恋に破れ、
それでもあきらめきれない中で、 自分の運命の番を探し求めるお話。
消えない思いに比べると、
更新はゆっくりになると思いますが、
またまた宜しくお願い致します。

林檎を並べても、
ロウバイ
BL
―――彼は思い出さない。
二人で過ごした日々を忘れてしまった攻めと、そんな彼の行く先を見守る受けです。
ソウが目を覚ますと、そこは消毒の香りが充満した病室だった。自分の記憶を辿ろうとして、はたり。その手がかりとなる記憶がまったくないことに気付く。そんな時、林檎を片手にカーテンを引いてとある人物が入ってきた。
彼―――トキと名乗るその黒髪の男は、ソウが事故で記憶喪失になったことと、自身がソウの親友であると告げるが…。

【完結・BL】俺をフッた初恋相手が、転勤して上司になったんだが?【先輩×後輩】
彩華
BL
『俺、そんな目でお前のこと見れない』
高校一年の冬。俺の初恋は、見事に玉砕した。
その後、俺は見事にDTのまま。あっという間に25になり。何の変化もないまま、ごくごくありふれたサラリーマンになった俺。
そんな俺の前に、運命の悪戯か。再び初恋相手は現れて────!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる