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過去~高校生編1
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しおりを挟む高校に入って最初の夏休みはあっという間に過ぎていき。
九月。
新学期が始まる。
「慶太く~ん、一緒にご飯、食べましょう!」
戻ると思っていた僕の日常は以前と変わりつつある。
夏休みの終了と共に玲人との関係も終わると思っていたのに。
なぜか毎日お昼ごはんを誘いに来る。
夏休み前の『僕・お弁当・本』という構図は。
今や『僕・お弁当・玲人(+α)』という形へとなぜか変貌を遂げていた。
その+αというのは……
「俺も。ねぇ、俺もね!」
玲人のお友達A君である。
はじめはかなり驚いていたクラスメートたちも、今ではその光景に慣れ出していて。
「水野くん、お迎え来たよ?」
と教えてくれる始末である。
ふぅ、とひとつ息をつき。
僕はお弁当を持って廊下で待っている彼らの元へ向かった。
「慶太の弁当、いつ見てもうまそうだよなぁ。あ、これちょうだい。」
ひょいと僕の弁当から唐揚げを奪い自分の口へと放り込む。
「あぁ~!!ずりぃよ、玲人。俺も欲しいのに。」
A君があまりに悔しそうな顔をしてるから「どうぞ。」と口元に唐揚げを差し出す。
その唐揚げは横から出てきた別の手に取り上げられるのだけど。
あと一歩、と言うところでA君の口に入りそうだった唐揚げは。
またしても玲人の口に入ることになった。
「お前にはもったいなすぎ。これでも食ってろ。」
購買で変われたパンを投げつける玲人。
しぶしぶとそのパンの包みを開ける彼がなんだかとてもおかしくて。
僕は思わず吹き出してしまったんだ。
「???」
「どうした、慶太?」
不思議そうな顔をする二人に。
「別に。なんでもない。」
そう告げてお弁当に箸を戻した。
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