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プロローグ
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ようやく現実へと戻って来た二人は、今更ながら自分達がずっと見られていたということに気づいたようだ。
「えっ?っ…だれ?」
玲人に尋ねる彼は、先程までの激しい行為のせいか、はたまた見られたことに対する羞恥のせいか。
未だに顔が上気しており頬もピンクがかっている。
「慶太……お前。何で今日はっ…」
かわいい彼の声で寝室の入り口へと目が行き自ずと邪魔物の存在に気づく。
僕がいることに対して僅かばかりの驚きを見せた玲人は急いで洋服を身に纏おうとする。
ごめんね。今日は遅くなる予定だったもんね。
声にならない謝罪をするのはなぜか僕だった。
桐生玲人。僕の恋人。
たった今、僕以外の人を抱いていた男。
今までもずっとそうしてきた男。
そしてこれからもそうするであろう男。
先程までベッドにいた彼を玲人は帰し、リビングのソファに腰かけていた僕へと近づく。
「……」
「…」
お互いに言葉が出ない。
それは当然のこと。
自分の恋人の浮気セックスを見た男と、自分の恋人にそれを見られた男。
「慶太…今日早かったんだな」
きっと沈黙に耐えきれなかったのだろう。
玲人が先に言葉を発する。
「うん。バイト、急にキャンセルになっちゃって。…連絡すればよかったね」
「……」
そしてまたやって来る静寂。
「玲人、ここは、僕と玲人の家だよね?」
顔の表情をピクリとも動かせない程に僕は絶望していた。
ここは。ここだけは。
二人だけのものであって欲しかったのに。
この家だけはそうだと思っていたのに。
最後の希望、だったのに。
「えっ?っ…だれ?」
玲人に尋ねる彼は、先程までの激しい行為のせいか、はたまた見られたことに対する羞恥のせいか。
未だに顔が上気しており頬もピンクがかっている。
「慶太……お前。何で今日はっ…」
かわいい彼の声で寝室の入り口へと目が行き自ずと邪魔物の存在に気づく。
僕がいることに対して僅かばかりの驚きを見せた玲人は急いで洋服を身に纏おうとする。
ごめんね。今日は遅くなる予定だったもんね。
声にならない謝罪をするのはなぜか僕だった。
桐生玲人。僕の恋人。
たった今、僕以外の人を抱いていた男。
今までもずっとそうしてきた男。
そしてこれからもそうするであろう男。
先程までベッドにいた彼を玲人は帰し、リビングのソファに腰かけていた僕へと近づく。
「……」
「…」
お互いに言葉が出ない。
それは当然のこと。
自分の恋人の浮気セックスを見た男と、自分の恋人にそれを見られた男。
「慶太…今日早かったんだな」
きっと沈黙に耐えきれなかったのだろう。
玲人が先に言葉を発する。
「うん。バイト、急にキャンセルになっちゃって。…連絡すればよかったね」
「……」
そしてまたやって来る静寂。
「玲人、ここは、僕と玲人の家だよね?」
顔の表情をピクリとも動かせない程に僕は絶望していた。
ここは。ここだけは。
二人だけのものであって欲しかったのに。
この家だけはそうだと思っていたのに。
最後の希望、だったのに。
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