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第九章.これはハッピーエンドですか?
111.END
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シュバルツの寝室で目が覚めた。なんでこんなところで寝ているのか、まったく心当たりがない。誰かに話を聞こうと寝室を出て、囲炉裏の部屋に来たら、シュバルツがシャルルとイチャイチャしていた。何がどうなってるの?
「ナズネェ!」
シャルルは、シュバルツを蹴倒して、私のところに来た。
「えーと。あー。ごめん。私は行くから、続きをどうぞ」
意味がわからなすぎて、うっかり見とれてしまったが、そんな現場に、私がいていい訳がない。速やかに退散しなければならない。ちょっと前の自分のあれやこれやの絵面を第三者目線で確認して、心がえぐられたが、反省は後でいい。とりあえず、立ち去ろう。
「話があるの。聞いて欲しいの」
立ち去らねばならないのに、部屋に招き入れられてしまった。とても気まずい。シュバルツがニヤニヤしてるのが、腹立たしい。
3人でツノを突き合わせるように座ったら、シュバルツに抱き抱えられた。反対脇には、シャルルを抱えている。
「さわらないで!」
「ナズネェ、落ち着いて。魔力切れを回復させてるだけだから。あと、一夫多妻って、こういうことだから」
「魔力切れは、もう私は関係ないよね。あと、私の知ってる一夫多妻は、こんなんじゃないよ。騙されちゃダメだよ」
「魔力切れには関係ないが、俺のパートナーは、シャルルだからな。男2人がいないうちに、話しておかなければならないことがある」
「何を言って、、、」
「多夫多妻と言うと、ややこしくなるが、俺の妻はシャルルだけだ。残りのは、ただのオマケだ。同時に、元シャルルの妻も、シャルルだ。男は全部オマケだ。今俺に抱かれてるのは、俺が死ぬとシャルルが泣くから協力しているだけだ。ヤキモチを焼く必要はない」
ちょっと待って。なんか、今、いろいろおかしなことを言われた。全然頭に入って来ないから、マジで手を離して欲しい。ニヤニヤしてるのも嫌だけど、真面目な顔で抱かれるのは、もっと耐えられない。
「俺は、シャルルの身体も心も両方好きだった。だから、分裂して、とても困惑している。身体は元シャルルに返すとしても、名前だけは返したくなかった。だから、元シャルルに名前をもらう許可を取った。新しい名前を考えて欲しい」
「なんで私が? シュバルツがもらったなら、シュバルツがつければいいじゃん」
「話をちゃんと聞いていたか? 全部シャルルの所為だ。俺に名を付けた時、なんと言った? 俺は、すごい嬉しかったんだ。だから、元シャルルに名付けるのは、シャルルだ。俺が考えても、誰も喜ばない」
「シュバルツ先生の気持ち、すごくよくわかる。私は、シャルルより、ナズネェの付けてくれる名前の方が好き」
似たような顔をした2人が、いい雰囲気を醸し出して見つめ合っている。もう2人で仲良くしてろよ、と思うのに、無理やり私を混ぜ込んでくるのが、ウザい。
「シャルルの名付けには、時間が必要だ。焦らず、騒がず、一晩待て。きっと良い名を考えてくれる」
「はい」
シュバルツが元気そうで良かった。シュバルツとシャルルは、とても仲が良さそうで良かった。だけど、私は全然ついていけないよ。そもそもなんでシュバルツが元気そうなんだ。この2人は、いつから仲良しだ。もしかして、何をする前から、2人の手のひらの上だったのか。
「シュバルツの身体は、もう良くなったの?」
「仕方がないからな。治すことにした」
ほおずりされるのが、気持ち悪い! シャルルと仲良ししてればいいのに!
「シャルルは勝手にドツボにハマっていたが、俺は、シャルルの希望を叶えることしかできない。身体を入れ替える魔法を考えない選択肢はなかった。それに、俺が死んだら、唯一の人を選ぶことができるだろう? だから、使えもしない魔法を発動させる方法を考えた。確実に死ねる様、あり得ないくらい魔法の多重詠唱を成功させた。死んだら生き返れなんて、無茶苦茶だ」
そういえば、もうシャルルじゃないんだからと、力づくで逃げ出そうとしたら、シャルルに止められた。私でも、多少の魔力供給源になれるから、おとなしくしてろと言われた。シャルルはきっと、シュバルツを選んだんだ。可哀想なキーリー。
「シャルルの望みをきいて、もうしばらく生きていてやるから、逃げるなよ」
「もうシュバルツにプロポーズする方法とかも、ご相談申し上げてもいいデスカ?」
「俺にとって都合の良い話に改変するぞ」
「相談しない未来は、どうなりましたか?」
「なるほど。たいして変わらないか? だが、そんなことをしていると、また歩けなくなるぞ」
「そこも加味して回して下さい」
「そろそろ俺も、断ることを覚えねばならんな」
3人で張り付いていたら、ジョエルとキーリーに見つかって、怒られた。シュバルツがシャルルと離れたら死んでしまうからと、私が人身御供に差し出された。
日常的に、抱っこやらおんぶやらされていたのに、抱きつかれるのは、本気で嫌だ。ジョエルなんて、冗談抜きで死の恐怖だ。手つなぎからお願いします、という提案は、断られた。プロポーズなんてしたのは、誰だ。何人でもいいよ、なんて言ったのは、誰だ。とても後悔した。
シュバルツの機嫌が直ったので、離婚することは考えられないが、後ほどジョエルとキーリーへの対応について、ご相談させて頂こう。
「ナズネェ!」
シャルルは、シュバルツを蹴倒して、私のところに来た。
「えーと。あー。ごめん。私は行くから、続きをどうぞ」
意味がわからなすぎて、うっかり見とれてしまったが、そんな現場に、私がいていい訳がない。速やかに退散しなければならない。ちょっと前の自分のあれやこれやの絵面を第三者目線で確認して、心がえぐられたが、反省は後でいい。とりあえず、立ち去ろう。
「話があるの。聞いて欲しいの」
立ち去らねばならないのに、部屋に招き入れられてしまった。とても気まずい。シュバルツがニヤニヤしてるのが、腹立たしい。
3人でツノを突き合わせるように座ったら、シュバルツに抱き抱えられた。反対脇には、シャルルを抱えている。
「さわらないで!」
「ナズネェ、落ち着いて。魔力切れを回復させてるだけだから。あと、一夫多妻って、こういうことだから」
「魔力切れは、もう私は関係ないよね。あと、私の知ってる一夫多妻は、こんなんじゃないよ。騙されちゃダメだよ」
「魔力切れには関係ないが、俺のパートナーは、シャルルだからな。男2人がいないうちに、話しておかなければならないことがある」
「何を言って、、、」
「多夫多妻と言うと、ややこしくなるが、俺の妻はシャルルだけだ。残りのは、ただのオマケだ。同時に、元シャルルの妻も、シャルルだ。男は全部オマケだ。今俺に抱かれてるのは、俺が死ぬとシャルルが泣くから協力しているだけだ。ヤキモチを焼く必要はない」
ちょっと待って。なんか、今、いろいろおかしなことを言われた。全然頭に入って来ないから、マジで手を離して欲しい。ニヤニヤしてるのも嫌だけど、真面目な顔で抱かれるのは、もっと耐えられない。
「俺は、シャルルの身体も心も両方好きだった。だから、分裂して、とても困惑している。身体は元シャルルに返すとしても、名前だけは返したくなかった。だから、元シャルルに名前をもらう許可を取った。新しい名前を考えて欲しい」
「なんで私が? シュバルツがもらったなら、シュバルツがつければいいじゃん」
「話をちゃんと聞いていたか? 全部シャルルの所為だ。俺に名を付けた時、なんと言った? 俺は、すごい嬉しかったんだ。だから、元シャルルに名付けるのは、シャルルだ。俺が考えても、誰も喜ばない」
「シュバルツ先生の気持ち、すごくよくわかる。私は、シャルルより、ナズネェの付けてくれる名前の方が好き」
似たような顔をした2人が、いい雰囲気を醸し出して見つめ合っている。もう2人で仲良くしてろよ、と思うのに、無理やり私を混ぜ込んでくるのが、ウザい。
「シャルルの名付けには、時間が必要だ。焦らず、騒がず、一晩待て。きっと良い名を考えてくれる」
「はい」
シュバルツが元気そうで良かった。シュバルツとシャルルは、とても仲が良さそうで良かった。だけど、私は全然ついていけないよ。そもそもなんでシュバルツが元気そうなんだ。この2人は、いつから仲良しだ。もしかして、何をする前から、2人の手のひらの上だったのか。
「シュバルツの身体は、もう良くなったの?」
「仕方がないからな。治すことにした」
ほおずりされるのが、気持ち悪い! シャルルと仲良ししてればいいのに!
「シャルルは勝手にドツボにハマっていたが、俺は、シャルルの希望を叶えることしかできない。身体を入れ替える魔法を考えない選択肢はなかった。それに、俺が死んだら、唯一の人を選ぶことができるだろう? だから、使えもしない魔法を発動させる方法を考えた。確実に死ねる様、あり得ないくらい魔法の多重詠唱を成功させた。死んだら生き返れなんて、無茶苦茶だ」
そういえば、もうシャルルじゃないんだからと、力づくで逃げ出そうとしたら、シャルルに止められた。私でも、多少の魔力供給源になれるから、おとなしくしてろと言われた。シャルルはきっと、シュバルツを選んだんだ。可哀想なキーリー。
「シャルルの望みをきいて、もうしばらく生きていてやるから、逃げるなよ」
「もうシュバルツにプロポーズする方法とかも、ご相談申し上げてもいいデスカ?」
「俺にとって都合の良い話に改変するぞ」
「相談しない未来は、どうなりましたか?」
「なるほど。たいして変わらないか? だが、そんなことをしていると、また歩けなくなるぞ」
「そこも加味して回して下さい」
「そろそろ俺も、断ることを覚えねばならんな」
3人で張り付いていたら、ジョエルとキーリーに見つかって、怒られた。シュバルツがシャルルと離れたら死んでしまうからと、私が人身御供に差し出された。
日常的に、抱っこやらおんぶやらされていたのに、抱きつかれるのは、本気で嫌だ。ジョエルなんて、冗談抜きで死の恐怖だ。手つなぎからお願いします、という提案は、断られた。プロポーズなんてしたのは、誰だ。何人でもいいよ、なんて言ったのは、誰だ。とても後悔した。
シュバルツの機嫌が直ったので、離婚することは考えられないが、後ほどジョエルとキーリーへの対応について、ご相談させて頂こう。
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