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ss.パパがパパになる日〈前編〉
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家中が騒がしい。ママは、昨夜、陣痛が始まったそうだ。子どもは寝ろ、と寝室に追いやられたが、大して眠れなかった。パパの家に行けば良かったか。心配で離れたがらない翡翠と黒曜が、お産の邪魔にならないよう見てる係を拝命したが、あまり役には立っている気がしない。私も眠れないが、妹たちも、何回寝かしつけても起きてしまう。出産がどうこう言うよりも、手伝いに来たおばちゃん達が賑やか過ぎた。
空が白み始めたので、諦めて妹たちの軟禁を解くことにした。
「朝ごはんでも、食べに行きましょうか」
「ごはんなんて、食べてる場合じゃないよ!」
「じゃにゃーよ!」
私の妹なのに、翡翠のマネばかりする黒曜にイライラした。
いや、ダメだ。黒曜は可愛い担当だ。愛でる心を忘れてはいけない。
「私たちが規則正しい生活をしなければ、ママの心的負担が増すと思いませんか? 翡翠は可愛い我が子で、黒曜は大事な預かり子。ごはんも食べずに視界に入って来るなんて、お産どころではないでしょう。いいから、おとなしく飯を食え」
「ひっ」
「おにぃ、こわーの」
黒曜に上着を着せて、抱きかかえた。そのまま居間に連れて行く。
「黒曜には怒ってないよ。翡翠が悪い子すぎて、困っているんだ」
「ホント? おこんない?」
「良い子にしてたら、怒らない。私も子どもなんだよ。大人みたいにうまくはやれない。だから、黒曜も手伝って欲しい」
「うん!」
黒曜を座布団に座らせたら、朝ごはんの支度だ。
お父様が作ったごはんを、おばちゃんたちに手伝ってもらいながら、温め直して、ちゃぶ台に配膳していった。お父様は、ママにつきっきりで張り付いているのに、いつごはんの準備をしたのだろう。
調理実習に困らないようにと、たまに包丁を握らされているが、もっと本格的に料理を覚えて、自分と黒曜のごはんくらいはなんとかできるようになった方がいいだろうか。肉も魚も卵も苦手で逃げ回っているのだが、野菜だけで作れる料理から教えてもらうこともできるだろう。
用意されていたのは、白米と寄せ鍋だった。肉と魚を入れなくて良ければ、作れそうな気がした。
食べ終わって、食器を片付けたら、お産の部屋に入っても良いよ、と許可が出た。昨日も入ったし、ママが苦しそうにしてるのを見てるだけだし、見てるだけで痛い気がするし、入れてくれなくていいのだけど、黒曜と翡翠が入ってしまえば、子守が必要になる。諦めて入った。
昨日は、ママがベッドに転がって、時折顔を歪めていただけだったのに、部屋中ビニールと白い布だらけになって、全然違う部屋になっていた。お父様もパパもおばちゃんたちも、白装束になっている。私たちも、入り口で似たような格好にさせられ、霧吹きをかけられた。
「こっちにおいで」
パパに呼ばれて、ママの枕元に近付く。
ママは、全身汗だくで、とても辛そうにしている。時々、悲鳴をあげるのが、怖い。お腹が痛いらしい。そんなに痛いなら、子どもなんて産まなければいいのに。翡翠を産んだんだから、知らない訳がないのに。竜をこんなに苦しめるなんて、お産は怖すぎる。最強の敵だ。
「ママ、がんばれっ。がんばーれっ」
黒曜が飛びつこうとしてるのを、慌てて止めた。可愛いけど、今はダメだ。
「黒曜、ママは痛いいたいだから、少し離れて応援しよう」
「やだやだ、あっち!」
「ダメだよ」
「おいで」
黒曜と押し問答をしていたら、ママがこちらに手を伸ばしてきた。ママは、今が一番大変な時なのに。我が子でもない私たちなど構う必要はないのに。なんでだ! やっぱり私たちは、邪魔だ。
黒曜を抱えて部屋を出ようとしたら、パパに捕まった。
「大丈夫だよ」
なんだかわからないうちに、黒曜と一緒にママの手を握ることになった。
またママは、苦しみだした。なんで、そんなに頑張るんだ。なんで、そんなに痛みに耐えなきゃいけないんだ。なんで、そんなに!
お母様も、私たちを産む時に、同じように苦しんだのだろうか。こんなに大変な思いをさせた人に、私は何をしただろうか。胸を張って言えることが、何も思い浮かばなかった。
そんなに子どもが欲しければ、お父様が産めばいいと思った。小さいママたちばかり頑張らせて、可哀想だ。
おばちゃんたちが、頭が出たと騒ぎ出し、それからは、いくらもしないで赤ちゃんが、おばちゃんに取り上げられた。それをお父様が受け取り、何かした後、赤ちゃん用の寝台に寝かせた。
「もう見に行っていいよ」
パパに押されて、赤ちゃんの前まで移動した。
「ちっちゃーねー」
以前見た赤ちゃんの黒曜よりも小さいミニチュア赤ちゃんがいた。ママだけでなく、赤ちゃんも大変だったんだろうか。くったりして動かない。白い顔をくちゃくちゃにして、手を握りしめ、まるまっているだけだった。小さな手には小さい爪が付いていて、こんなに小さいのによくこんなに精巧に作り出したものだ、と感嘆したが、これっぽっちも動かない。
「なんで動かないんですか。なんで泣かないんですか。なんで赤くないんですか。話が違いますっ」
ママはあんなに頑張ったのに、ダメだったのか? 何か失敗したのか? どうしてだ。怖い!
「泣かせたいのか? 叩けば泣くぞ」
お父様の手が伸びてきたので、必死で掴んだ。
「やめてください。なんで叩くのですか。虐待ですか」
「生存確認だ。さっきのは、ノドの具合を見ていただけだが。殴るのとは違うからな」
そういえば、さっきお父様は、赤ちゃんを叩いていた。遠くて止めに行けなかったが、信じられなかった。お父様は、信頼してはいけない人だ。だから、赤ちゃんが動かないのかもしれない。
「赤ちゃんの前でまで、争わない」
パパは、私の手をつかんで、赤ちゃんの手をつつかせた。
「ひぃ。やめてください。可哀想です」
赤ちゃんの手が動いて、私の指をつかんだ。まったく力強さは感じない。触っているのと変わらないつかみ方だが、私は微塵も動けなくなった。1ミリでも動けば、赤ちゃんが壊れる。絶対に動かない。
「良かったね。お兄ちゃんが大好きみたいだよ」
こうなることがわかっていたのか、パパはとても満足そうだ。
「違うと思いますっ」
また動かなくなった赤ちゃんが、怖い。
「あー、こくよーも、こくよーもー」
「じゅんばんばん。ちょっと待ってね」
私の指はハズされ、黒曜とチェンジだ。それはそれで生きた心地がしない。
「黒曜、動いちゃダメだぞ。赤ちゃん、壊れちゃうからな」
「大丈夫だよ。琥珀は過保護だなぁ。赤ちゃんは2人目なのに」
パパは笑って、黒曜の手も外すと、赤ちゃんをママと翡翠のところへ連れて行った。私と黒曜は、お父様に連れられて部屋を出た。
「夢が叶って、良かったな」
寝てしまった黒曜を部屋に置いてきて、お父様がごはんを食べている横に座っていたら、よくわからない話を振られた。
「夢ですか? まあ、無事に産まれてホッとはしてますが」
私は、ママの子が無事に生まれるようにと、お父様にお願いしたりしなかったと思う。何の話だ。お父様は、意味不明すぎて、理解が及ばない。
「あれは、ジョエルの子だぞ。欲しかったんだろう?」
「え?」
「お前が、次はジョエルの子だと言うから、作ってみた。あいつらを目くらますなど、造作もなかった。おかげで、誰の子でも好きに作れることが、わかったぞ」
作った? 作ったって、何だ? 赤ちゃんは、お母さんのおなかに宿るものだ。お父様の勝手でできる訳がない。お父様の子を作ったというなら、まだわかる。お父様の子だから、お父様が作るのだろう。だが、パパの子どもをお父様が作るのか? 父さんの子も? その辺を歩いている女の人も、お父様とすれ違ったら、パパや父さんの子ができるのか? すごい迷惑じゃないか?
「まさか、お母様も?」
「ああ、今晩あたり生まれるだろう。なんでか知らんが、シャルルの子は、満月の夜にしか生まれない。あっちは、キーリーを派遣した。俺が見なくとも、勝手に医者がどうにかするだろう」
「それは、犯罪行為だったりしませんか?」
「心配はいらない。この村には、そんな法はない。但し、向こうでは黒だ。やるなよ?」
「やりませんよ!」
お父様の前では、何が失言になるかもわからなかった。次の子は、お父様が産めと言うのは、問題ないだろうか。怖い。
空が白み始めたので、諦めて妹たちの軟禁を解くことにした。
「朝ごはんでも、食べに行きましょうか」
「ごはんなんて、食べてる場合じゃないよ!」
「じゃにゃーよ!」
私の妹なのに、翡翠のマネばかりする黒曜にイライラした。
いや、ダメだ。黒曜は可愛い担当だ。愛でる心を忘れてはいけない。
「私たちが規則正しい生活をしなければ、ママの心的負担が増すと思いませんか? 翡翠は可愛い我が子で、黒曜は大事な預かり子。ごはんも食べずに視界に入って来るなんて、お産どころではないでしょう。いいから、おとなしく飯を食え」
「ひっ」
「おにぃ、こわーの」
黒曜に上着を着せて、抱きかかえた。そのまま居間に連れて行く。
「黒曜には怒ってないよ。翡翠が悪い子すぎて、困っているんだ」
「ホント? おこんない?」
「良い子にしてたら、怒らない。私も子どもなんだよ。大人みたいにうまくはやれない。だから、黒曜も手伝って欲しい」
「うん!」
黒曜を座布団に座らせたら、朝ごはんの支度だ。
お父様が作ったごはんを、おばちゃんたちに手伝ってもらいながら、温め直して、ちゃぶ台に配膳していった。お父様は、ママにつきっきりで張り付いているのに、いつごはんの準備をしたのだろう。
調理実習に困らないようにと、たまに包丁を握らされているが、もっと本格的に料理を覚えて、自分と黒曜のごはんくらいはなんとかできるようになった方がいいだろうか。肉も魚も卵も苦手で逃げ回っているのだが、野菜だけで作れる料理から教えてもらうこともできるだろう。
用意されていたのは、白米と寄せ鍋だった。肉と魚を入れなくて良ければ、作れそうな気がした。
食べ終わって、食器を片付けたら、お産の部屋に入っても良いよ、と許可が出た。昨日も入ったし、ママが苦しそうにしてるのを見てるだけだし、見てるだけで痛い気がするし、入れてくれなくていいのだけど、黒曜と翡翠が入ってしまえば、子守が必要になる。諦めて入った。
昨日は、ママがベッドに転がって、時折顔を歪めていただけだったのに、部屋中ビニールと白い布だらけになって、全然違う部屋になっていた。お父様もパパもおばちゃんたちも、白装束になっている。私たちも、入り口で似たような格好にさせられ、霧吹きをかけられた。
「こっちにおいで」
パパに呼ばれて、ママの枕元に近付く。
ママは、全身汗だくで、とても辛そうにしている。時々、悲鳴をあげるのが、怖い。お腹が痛いらしい。そんなに痛いなら、子どもなんて産まなければいいのに。翡翠を産んだんだから、知らない訳がないのに。竜をこんなに苦しめるなんて、お産は怖すぎる。最強の敵だ。
「ママ、がんばれっ。がんばーれっ」
黒曜が飛びつこうとしてるのを、慌てて止めた。可愛いけど、今はダメだ。
「黒曜、ママは痛いいたいだから、少し離れて応援しよう」
「やだやだ、あっち!」
「ダメだよ」
「おいで」
黒曜と押し問答をしていたら、ママがこちらに手を伸ばしてきた。ママは、今が一番大変な時なのに。我が子でもない私たちなど構う必要はないのに。なんでだ! やっぱり私たちは、邪魔だ。
黒曜を抱えて部屋を出ようとしたら、パパに捕まった。
「大丈夫だよ」
なんだかわからないうちに、黒曜と一緒にママの手を握ることになった。
またママは、苦しみだした。なんで、そんなに頑張るんだ。なんで、そんなに痛みに耐えなきゃいけないんだ。なんで、そんなに!
お母様も、私たちを産む時に、同じように苦しんだのだろうか。こんなに大変な思いをさせた人に、私は何をしただろうか。胸を張って言えることが、何も思い浮かばなかった。
そんなに子どもが欲しければ、お父様が産めばいいと思った。小さいママたちばかり頑張らせて、可哀想だ。
おばちゃんたちが、頭が出たと騒ぎ出し、それからは、いくらもしないで赤ちゃんが、おばちゃんに取り上げられた。それをお父様が受け取り、何かした後、赤ちゃん用の寝台に寝かせた。
「もう見に行っていいよ」
パパに押されて、赤ちゃんの前まで移動した。
「ちっちゃーねー」
以前見た赤ちゃんの黒曜よりも小さいミニチュア赤ちゃんがいた。ママだけでなく、赤ちゃんも大変だったんだろうか。くったりして動かない。白い顔をくちゃくちゃにして、手を握りしめ、まるまっているだけだった。小さな手には小さい爪が付いていて、こんなに小さいのによくこんなに精巧に作り出したものだ、と感嘆したが、これっぽっちも動かない。
「なんで動かないんですか。なんで泣かないんですか。なんで赤くないんですか。話が違いますっ」
ママはあんなに頑張ったのに、ダメだったのか? 何か失敗したのか? どうしてだ。怖い!
「泣かせたいのか? 叩けば泣くぞ」
お父様の手が伸びてきたので、必死で掴んだ。
「やめてください。なんで叩くのですか。虐待ですか」
「生存確認だ。さっきのは、ノドの具合を見ていただけだが。殴るのとは違うからな」
そういえば、さっきお父様は、赤ちゃんを叩いていた。遠くて止めに行けなかったが、信じられなかった。お父様は、信頼してはいけない人だ。だから、赤ちゃんが動かないのかもしれない。
「赤ちゃんの前でまで、争わない」
パパは、私の手をつかんで、赤ちゃんの手をつつかせた。
「ひぃ。やめてください。可哀想です」
赤ちゃんの手が動いて、私の指をつかんだ。まったく力強さは感じない。触っているのと変わらないつかみ方だが、私は微塵も動けなくなった。1ミリでも動けば、赤ちゃんが壊れる。絶対に動かない。
「良かったね。お兄ちゃんが大好きみたいだよ」
こうなることがわかっていたのか、パパはとても満足そうだ。
「違うと思いますっ」
また動かなくなった赤ちゃんが、怖い。
「あー、こくよーも、こくよーもー」
「じゅんばんばん。ちょっと待ってね」
私の指はハズされ、黒曜とチェンジだ。それはそれで生きた心地がしない。
「黒曜、動いちゃダメだぞ。赤ちゃん、壊れちゃうからな」
「大丈夫だよ。琥珀は過保護だなぁ。赤ちゃんは2人目なのに」
パパは笑って、黒曜の手も外すと、赤ちゃんをママと翡翠のところへ連れて行った。私と黒曜は、お父様に連れられて部屋を出た。
「夢が叶って、良かったな」
寝てしまった黒曜を部屋に置いてきて、お父様がごはんを食べている横に座っていたら、よくわからない話を振られた。
「夢ですか? まあ、無事に産まれてホッとはしてますが」
私は、ママの子が無事に生まれるようにと、お父様にお願いしたりしなかったと思う。何の話だ。お父様は、意味不明すぎて、理解が及ばない。
「あれは、ジョエルの子だぞ。欲しかったんだろう?」
「え?」
「お前が、次はジョエルの子だと言うから、作ってみた。あいつらを目くらますなど、造作もなかった。おかげで、誰の子でも好きに作れることが、わかったぞ」
作った? 作ったって、何だ? 赤ちゃんは、お母さんのおなかに宿るものだ。お父様の勝手でできる訳がない。お父様の子を作ったというなら、まだわかる。お父様の子だから、お父様が作るのだろう。だが、パパの子どもをお父様が作るのか? 父さんの子も? その辺を歩いている女の人も、お父様とすれ違ったら、パパや父さんの子ができるのか? すごい迷惑じゃないか?
「まさか、お母様も?」
「ああ、今晩あたり生まれるだろう。なんでか知らんが、シャルルの子は、満月の夜にしか生まれない。あっちは、キーリーを派遣した。俺が見なくとも、勝手に医者がどうにかするだろう」
「それは、犯罪行為だったりしませんか?」
「心配はいらない。この村には、そんな法はない。但し、向こうでは黒だ。やるなよ?」
「やりませんよ!」
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