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19.お祭の日
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「翡翠ー、翡翠ー」
ずっと一緒じゃなきゃ嫌だと、びーびー泣いていた翡翠を最近見ていない。寝ていても、布団に入って来なくなった。
最近は、魔力の消費量が減ったから、いなけりゃいないで構わないのだが、翡翠は大切にしないといけない妹だ。何処に隠れているのだろう。
「翡翠ー。いてっ」
後ろから押されて、縁台に頭を打ちつけてしまった。
振り返ると、翡翠がいた。顔を真っ赤にして、怒っている。だが、目の色は黒のままだから、多分大したことではない。
「ゴミ箱の中とか、縁の下とか、私を探す場所がおかしいよね!」
「そうかな? こうして見つかったし、そう的ハズレでもなかったと思うけれど」
翡翠は、大体いつもそばに居る。翡翠が、私にくっついてくるからだ。翡翠がそばにいない時は、翡翠が私に会いたくない時だ。そういう時は、どこを探しても、絶対に翡翠はいない。私は、自力で見つけることはできない。翡翠が出て来たくなる状況を作らない限り、翡翠を見つけることはない。だから、あえて大声を出して、適当すぎる場所を探しているフリをしていただけだ。
「私は、ずっと屋根の上にいたの!」
「そうか。それは、盲点だった」
転移魔法を使える相手をまともに追いかけて、捕まえられる訳がない。大抵、屋根の上から、こちらを窺っているのは知っているけれど、追いかけたりはしない。魔力の無駄だ。
「もう、なんなの! 何の用なの!!」
「今日、祭があるらしい。一緒に行きたくて、探していた」
「お祭?」
「そう。どんな祭かは知らないが、楽しいらしいぞ。一緒に行こう」
「私と一緒でいいの?」
なんだか、翡翠らしくないな。前は、ついてくるなと言っても、どこにでもついて来たのに。とうとう兄離れか? それとも、最近のあれこれで、嫌われたか? 翡翠もか。
「本当は、エスメラルダをつれて行きたかったけれど、家から出すと、怒られるから」
「お兄ちゃん、素直だったら、何言っても許される訳じゃないからね」
「知ってるよ。もう自由に過ごすのは、辞めることにした。素直な気持ちも封印する。でも、翡翠なら、いいだろう?」
「私だけ?」
「うん。あ、あとエスメラルダと父さんには、言ってもいいかな」
ずっと一緒にいたんだ。秘密にしても、どうせバレる。エスメラルダは、そもそも常識が違う。気にしない。
「一回殺してもいい?」
「気に入らなかったら、生き返してくれなくても構わないよ。私は、もう特に生に執着をしていないから」
「お兄ちゃん、どうしちゃったの?」
「甘えすぎていた私が悪かったのは、わかった。だけど、甘えることをやめることにしたら、信用できる人が誰も残らなかったんだよ」
メイジーさんの身請けで、気付いたことがある。金を積んだら終了の身請け話まで、恋がどうとか言っていた件だ。
私には、父が3人もいる。これは、3人で母を取り合っていると言うことではないだろうか。母の何がいいのかは、わからない。ママの存在が、わからない。だが、そう仮定したならば、父2人にとって私は、恋敵の息子だ。そして私は、父に対して、実の息子だという証明ができない。これは、3人ともに恋敵の息子という認識である可能性はないか。そうだとしたら、母向けのエサとしての価値しかない。
ママは、私の乳母になるために翡翠を産んだ人だ。母への忠誠心は恐るべきものがあるが、私への情が如何ほどかは、疑問しかない。私がいい子であれば、受け入れられる程度の情はあるだろうが、それ以上を求めるのは、申し訳ない。
母は、私を置いて去った。論外だ。
ダディとマミィも、私を助けなかった。
翡翠は、恐らく、お父様とママの駒だ。
私には、母の子という以外の価値は、何もない。わかってはいたが、直視するのは、ツラいな。
「ちょ、そこまで追い込む気は、誰にもなかったよ?」
「大丈夫。私には、エスメラルダが残っている」
「なんでそこに出てくるのが、緑小鬼なの」
「エスメラルダは、同族に虐待されていた。元の住処に戻せないんだよ。大人に相談しろって言うから、ちょっと紹介しようと連れてきたら、変な魔改造をされてしまって、もうどうにもしようがないだろう。メイジーさんの様に、無責任なことはしないよ。生涯ともに過ごす。今は、それ以外に生きる目的はない。エスメラルダさえ大切にしてくれるなら、私のことなど、煮るなり焼くなり好きにすれば良い。翡翠なら、許す」
「なんか、話が色々違くない? 絶対、みんなに伝わってないよ」
「お父様は、私の気持ちなど、百も承知なのだろう? 叶える気がないだけで」
「それ、私が言ったヤツ! でも、違う。間違ってた」
「翡翠の所為じゃない。ちゃんと差し向かいで話し合った結果だ。折角、翡翠みたいで可愛かったのに、魔改造をされるのは許しがたいけれど、エスメラルダは、人になりたいようだから、仕方がない。私のワガママは、通さない」
「その翡翠みたいって言うのは、やめてよ! どこが似てるのよ。すごい嫌だから、やめて!」
「知らないのか? 翡翠は、翡翠色、薄緑の宝石なんだ。丁度、緑小鬼の肌色が翡翠色だろう? 可愛いと思わないか?」
「翡翠って、そっちの翡翠だったの? 紛らわしい!」
「こっちの翡翠にも似てると思うぞ。前は緑小鬼語しか話さなかったから、何を言っているやら、さっぱりわからないところがそっくりだし、目が2つで鼻が1つ。顔立ちも大体同じだろう?」
「ムカつく! ムカつく! 超ムカつく!! お父様に美術を習って来い!」
「美術は、とっくに合格を頂いている。お父様にも、よくわからないらしい」
「役に立たないお父様だな! やっぱり教育係に向いてないよ」
翡翠を連れて、トロルの村にやってきた。
何祭なのかは聞いていないが、フィドルを披露する予定だった祭が開かれると聞いたので、遊びにやってきた。ダディとマミィの子として、参加する予定だ。
「翡翠、私の魂の双子、ベンガラくんと、私の両親だ。
これは翡翠。私の乳兄妹です」
「、、、、、」
「おかえりなさい、琥珀ちゃん。翡翠ちゃん、楽しんでいってね」
「ありがとう、マミィ」
「、、、、、」
「よし、琥珀、早速祭りに繰り出すぞ。ステップは、忘れていないな?」
「お任せ下さい。渾身の後方伸身宙返り2回ひねり後方屈身宙返りを披露致しましょう」
ダディの拳と拳を合わせた。なんだかわからないが、ダンスの時の挨拶だ。
「おかしいでしょう!!」
急に、翡翠が爆発した。
「何がだ。何が不満だ。祭りとは、こういうものだろう」
初めて参加するから、知らんが。
「違うよ。お兄ちゃんが、全然違うじゃん。こっちの方が、家族みたいって、どういうことよ!」
折角、楽しい祭りに連れてきたのに、スタート前から怒り狂っているとか、何なんだ。
「勘違いはいけない。私は、何も変わらない。違うのは、家族の方だ。付き合いの長さだけの問題かもしれないが、ダディは不自然を物ともせず私を息子に仕立ててくれる。マミィは、才能のない私をどこまでもすくいあげてくれた。ベンガラくんはね、魂の双子なんだよ。後で、その証拠を見せてあげよう」
ダディとマミィも大好きだが、ベンガラくんが、本当にヤバいのだ。何もしていない時は、ぼんやりとして、何もしゃべらない。ごはんも、食べろと言われない限り食べ始めないくらい、能動的には何もしない子なのだ。だが、一度、火をつけたベンガラくんは、止まることを知らない。ベンガラくんを咲かせるために、私も止まれないのだ。
「何よ、それ」
「ふっふっふ。お父様をも唸らせた、私の宴会芸をとくとご覧じろ」
翡翠とベンガラくんの手を引っ張って、祭の中に飛び込んだ。
ずっと一緒じゃなきゃ嫌だと、びーびー泣いていた翡翠を最近見ていない。寝ていても、布団に入って来なくなった。
最近は、魔力の消費量が減ったから、いなけりゃいないで構わないのだが、翡翠は大切にしないといけない妹だ。何処に隠れているのだろう。
「翡翠ー。いてっ」
後ろから押されて、縁台に頭を打ちつけてしまった。
振り返ると、翡翠がいた。顔を真っ赤にして、怒っている。だが、目の色は黒のままだから、多分大したことではない。
「ゴミ箱の中とか、縁の下とか、私を探す場所がおかしいよね!」
「そうかな? こうして見つかったし、そう的ハズレでもなかったと思うけれど」
翡翠は、大体いつもそばに居る。翡翠が、私にくっついてくるからだ。翡翠がそばにいない時は、翡翠が私に会いたくない時だ。そういう時は、どこを探しても、絶対に翡翠はいない。私は、自力で見つけることはできない。翡翠が出て来たくなる状況を作らない限り、翡翠を見つけることはない。だから、あえて大声を出して、適当すぎる場所を探しているフリをしていただけだ。
「私は、ずっと屋根の上にいたの!」
「そうか。それは、盲点だった」
転移魔法を使える相手をまともに追いかけて、捕まえられる訳がない。大抵、屋根の上から、こちらを窺っているのは知っているけれど、追いかけたりはしない。魔力の無駄だ。
「もう、なんなの! 何の用なの!!」
「今日、祭があるらしい。一緒に行きたくて、探していた」
「お祭?」
「そう。どんな祭かは知らないが、楽しいらしいぞ。一緒に行こう」
「私と一緒でいいの?」
なんだか、翡翠らしくないな。前は、ついてくるなと言っても、どこにでもついて来たのに。とうとう兄離れか? それとも、最近のあれこれで、嫌われたか? 翡翠もか。
「本当は、エスメラルダをつれて行きたかったけれど、家から出すと、怒られるから」
「お兄ちゃん、素直だったら、何言っても許される訳じゃないからね」
「知ってるよ。もう自由に過ごすのは、辞めることにした。素直な気持ちも封印する。でも、翡翠なら、いいだろう?」
「私だけ?」
「うん。あ、あとエスメラルダと父さんには、言ってもいいかな」
ずっと一緒にいたんだ。秘密にしても、どうせバレる。エスメラルダは、そもそも常識が違う。気にしない。
「一回殺してもいい?」
「気に入らなかったら、生き返してくれなくても構わないよ。私は、もう特に生に執着をしていないから」
「お兄ちゃん、どうしちゃったの?」
「甘えすぎていた私が悪かったのは、わかった。だけど、甘えることをやめることにしたら、信用できる人が誰も残らなかったんだよ」
メイジーさんの身請けで、気付いたことがある。金を積んだら終了の身請け話まで、恋がどうとか言っていた件だ。
私には、父が3人もいる。これは、3人で母を取り合っていると言うことではないだろうか。母の何がいいのかは、わからない。ママの存在が、わからない。だが、そう仮定したならば、父2人にとって私は、恋敵の息子だ。そして私は、父に対して、実の息子だという証明ができない。これは、3人ともに恋敵の息子という認識である可能性はないか。そうだとしたら、母向けのエサとしての価値しかない。
ママは、私の乳母になるために翡翠を産んだ人だ。母への忠誠心は恐るべきものがあるが、私への情が如何ほどかは、疑問しかない。私がいい子であれば、受け入れられる程度の情はあるだろうが、それ以上を求めるのは、申し訳ない。
母は、私を置いて去った。論外だ。
ダディとマミィも、私を助けなかった。
翡翠は、恐らく、お父様とママの駒だ。
私には、母の子という以外の価値は、何もない。わかってはいたが、直視するのは、ツラいな。
「ちょ、そこまで追い込む気は、誰にもなかったよ?」
「大丈夫。私には、エスメラルダが残っている」
「なんでそこに出てくるのが、緑小鬼なの」
「エスメラルダは、同族に虐待されていた。元の住処に戻せないんだよ。大人に相談しろって言うから、ちょっと紹介しようと連れてきたら、変な魔改造をされてしまって、もうどうにもしようがないだろう。メイジーさんの様に、無責任なことはしないよ。生涯ともに過ごす。今は、それ以外に生きる目的はない。エスメラルダさえ大切にしてくれるなら、私のことなど、煮るなり焼くなり好きにすれば良い。翡翠なら、許す」
「なんか、話が色々違くない? 絶対、みんなに伝わってないよ」
「お父様は、私の気持ちなど、百も承知なのだろう? 叶える気がないだけで」
「それ、私が言ったヤツ! でも、違う。間違ってた」
「翡翠の所為じゃない。ちゃんと差し向かいで話し合った結果だ。折角、翡翠みたいで可愛かったのに、魔改造をされるのは許しがたいけれど、エスメラルダは、人になりたいようだから、仕方がない。私のワガママは、通さない」
「その翡翠みたいって言うのは、やめてよ! どこが似てるのよ。すごい嫌だから、やめて!」
「知らないのか? 翡翠は、翡翠色、薄緑の宝石なんだ。丁度、緑小鬼の肌色が翡翠色だろう? 可愛いと思わないか?」
「翡翠って、そっちの翡翠だったの? 紛らわしい!」
「こっちの翡翠にも似てると思うぞ。前は緑小鬼語しか話さなかったから、何を言っているやら、さっぱりわからないところがそっくりだし、目が2つで鼻が1つ。顔立ちも大体同じだろう?」
「ムカつく! ムカつく! 超ムカつく!! お父様に美術を習って来い!」
「美術は、とっくに合格を頂いている。お父様にも、よくわからないらしい」
「役に立たないお父様だな! やっぱり教育係に向いてないよ」
翡翠を連れて、トロルの村にやってきた。
何祭なのかは聞いていないが、フィドルを披露する予定だった祭が開かれると聞いたので、遊びにやってきた。ダディとマミィの子として、参加する予定だ。
「翡翠、私の魂の双子、ベンガラくんと、私の両親だ。
これは翡翠。私の乳兄妹です」
「、、、、、」
「おかえりなさい、琥珀ちゃん。翡翠ちゃん、楽しんでいってね」
「ありがとう、マミィ」
「、、、、、」
「よし、琥珀、早速祭りに繰り出すぞ。ステップは、忘れていないな?」
「お任せ下さい。渾身の後方伸身宙返り2回ひねり後方屈身宙返りを披露致しましょう」
ダディの拳と拳を合わせた。なんだかわからないが、ダンスの時の挨拶だ。
「おかしいでしょう!!」
急に、翡翠が爆発した。
「何がだ。何が不満だ。祭りとは、こういうものだろう」
初めて参加するから、知らんが。
「違うよ。お兄ちゃんが、全然違うじゃん。こっちの方が、家族みたいって、どういうことよ!」
折角、楽しい祭りに連れてきたのに、スタート前から怒り狂っているとか、何なんだ。
「勘違いはいけない。私は、何も変わらない。違うのは、家族の方だ。付き合いの長さだけの問題かもしれないが、ダディは不自然を物ともせず私を息子に仕立ててくれる。マミィは、才能のない私をどこまでもすくいあげてくれた。ベンガラくんはね、魂の双子なんだよ。後で、その証拠を見せてあげよう」
ダディとマミィも大好きだが、ベンガラくんが、本当にヤバいのだ。何もしていない時は、ぼんやりとして、何もしゃべらない。ごはんも、食べろと言われない限り食べ始めないくらい、能動的には何もしない子なのだ。だが、一度、火をつけたベンガラくんは、止まることを知らない。ベンガラくんを咲かせるために、私も止まれないのだ。
「何よ、それ」
「ふっふっふ。お父様をも唸らせた、私の宴会芸をとくとご覧じろ」
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