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最終章 神造七代の創生
最後は笑顔で未来を(4)
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躱し続けるウロボロスは、二人分の思考が内側で話し合う。あのドリルに穿たれると死にはしないが、肉を抉られ骨を絶ち再生させるのに少し時間が掛かる。
『わたし、痛いのがずっと続くのはちょっと嫌……』
『それは、そうだね。でも、このままだと埒が明かないよ』
『うーん、そうなんだけど……』
『どうする? 奏』
攻撃を受けるその間、ずっと激痛に苛まれるため受けるのは避けたい。だが、このままでは意味がないのも事実。どうするか、奏と遥は考える。
『わたしの案としてはね、一度だけ攻撃を受けてその身でドリルと悪神の動きを封じ、勝負を決めるって感じ』
『なるほど。でも、それだと耐え続けないとダメだよ?』
『そうなんだよねー……』
遥の言う通り、激痛に耐えなければならない。それは奏と遥のどちらにも、全身へ苦痛が駆け巡り血反吐を吐きながらも、意識を失ってはならないということだ。
言葉にするには簡単だが、自ら激痛を味合う羽目になる。遥も案を考えるが、これといって妙案がない。耐えるだけなら、奏も遥も踏ん張れるだろう。
『奏の案しかないね』
『やれそう? 遥』
『ん。大丈夫。奏こそ平気?』
『わたしも大丈夫!』
『じゃあ、それでいこう』
『オッケー!』
遥は、奏の案に乗る。そうと決まればさっそく行動に起こす。突貫してくる悪神に対して、ウロボロスは真っ向から相対することに。
「捨て身覚悟か! よかろう、ここで死ぬがいい! ウロボロスッ!!」
そして、悪神が持つドリルによる刺突がウロボロスの腹を穿つ。
「「二人共!」」
「あんたたち!」
「奏ちゃん、遥ちゃん!」
と、燐や桜、真冬、紅たち見守る仲間が叫ぶ。高速回転が、鱗を剥がし肉を抉り骨を絶ち、真っ赤な血飛沫が飛び散る。
悪神は、笑いながら告げる。
「ふはははははっ! これで終わりだ、ウロボロス!」
と。しかし、奏と遥はその激痛に耐えながら肉体を動かす。
「グルルッ! オオオオオオオオオッ!!」
咆哮を上げ、尻尾を悪神の腹部に巻きつけ、両翼は機体を包み込むように、左手はドリルを持つ手首を掴む。
「な、なにをしている!?」
その行為に、悪神はドリルを引き抜こうと腕を引くがビクともしない。距離を取りたくとも、尻尾に巻きつかれ動きを封じられたことに気づき焦る。
残った片手でウロボロスを殴るが、その瞳はギラつき畏怖させる。ここにきて、悪神の本能が警鈴を鳴らす。
「――――――っ!?」
ウロボロスから早急に離れろ、さもなくば死が待っている、と。本能に従い、ドリルから手を放し捨てるが、手首を掴まれ引き抜けない。体も同様に、引き剥がせず迫りくる恐怖に冷静さが欠けていく。そこへ、ウロボロスの反撃が始まった。
「――うぶっ!?」
ウロボロスの右手の拳が悪神の顔面を思い切り殴る。顔のフォルムは凹み歪み何度も、顔を殴り破壊を試みる。顔の半分が大破し、その次はぶら下がる腕だ。肩に噛みつき、牙が機体に穴を空け砕く。火花が散り、それでもお構いなしに顎を離すと腕を掴み引っ張る。
「いぎっ……。や、やめろっ!!」
ギチギチと音を鳴らし、痛覚などないはずの悪神の口からもれる苦痛に似た声。力任せにウロボロスは腕を引き千切ってみせた。
「あああああああああっ!!」
悲痛な叫びを上げる悪神へ最後に、貫かれた腹に力を込めると血が吹き出し痛みが増すがそれでも、息を大きく吸い込み腹を膨らませる。
それが何を意味しているのか、気づいた時にはもう遅い。ウロボロスは、至近距離から最大火力による黒炎を吐いた。
「グゥォオオオオオオオオオオオオオオオオ――」
己の尻尾も、爆炎に巻き込まれることを承知の上で悪神へ火炎放射をぶち込む。両者を黒炎が包み爆ぜた。周囲へ爆風が吹き荒れ、黒炎の威力は大地も瓦礫の山も燃やし尽くし焦土と化す。フェニックスの背に乗る仲間も緊急退避。
しばらくして、治まると地上へ降り立つ仲間たち。奏と遥を捜すと、悪神はあの攻撃にも消滅はせず、けれど頭だけとなり地面に転がっていた。
「おい、二人共! 無事なのか!?」
「無事なら返事をして!?」
燐と桜が叫ぶ。仲間が捜す視線の先に二人は、全身が黒焦げとなったウロボロスの姿のままだが、咳込みながらも無限再生のお陰で無事だ。
ウロボロス化が解け、二人の姿に戻るとその場に座り込む。
「えへへっ。倒せたわ!」
「やったね。奏」
「うん! 遥と一緒だったからね」
「だね。二人じゃないと倒せないよ」
笑いながら、倒せたと喜ぶ二人に駆け寄った仲間がやり過ぎと怒る。
「笑っている場合か!」
「もう、二人共、やり過ぎよ!」
燐と桜が軽く、奏と遥の頭をこつく。陽菜が、ボロボロの二人の傷を治癒させていく。
紅やアザゼルたちも、やれやれといった感じ肩を竦める。が、これでこちら側の悪神は復活する力がなくなり勝利したと言っても問題ない。残るは、オリジナルと戦う夏目たちに託された。
『わたし、痛いのがずっと続くのはちょっと嫌……』
『それは、そうだね。でも、このままだと埒が明かないよ』
『うーん、そうなんだけど……』
『どうする? 奏』
攻撃を受けるその間、ずっと激痛に苛まれるため受けるのは避けたい。だが、このままでは意味がないのも事実。どうするか、奏と遥は考える。
『わたしの案としてはね、一度だけ攻撃を受けてその身でドリルと悪神の動きを封じ、勝負を決めるって感じ』
『なるほど。でも、それだと耐え続けないとダメだよ?』
『そうなんだよねー……』
遥の言う通り、激痛に耐えなければならない。それは奏と遥のどちらにも、全身へ苦痛が駆け巡り血反吐を吐きながらも、意識を失ってはならないということだ。
言葉にするには簡単だが、自ら激痛を味合う羽目になる。遥も案を考えるが、これといって妙案がない。耐えるだけなら、奏も遥も踏ん張れるだろう。
『奏の案しかないね』
『やれそう? 遥』
『ん。大丈夫。奏こそ平気?』
『わたしも大丈夫!』
『じゃあ、それでいこう』
『オッケー!』
遥は、奏の案に乗る。そうと決まればさっそく行動に起こす。突貫してくる悪神に対して、ウロボロスは真っ向から相対することに。
「捨て身覚悟か! よかろう、ここで死ぬがいい! ウロボロスッ!!」
そして、悪神が持つドリルによる刺突がウロボロスの腹を穿つ。
「「二人共!」」
「あんたたち!」
「奏ちゃん、遥ちゃん!」
と、燐や桜、真冬、紅たち見守る仲間が叫ぶ。高速回転が、鱗を剥がし肉を抉り骨を絶ち、真っ赤な血飛沫が飛び散る。
悪神は、笑いながら告げる。
「ふはははははっ! これで終わりだ、ウロボロス!」
と。しかし、奏と遥はその激痛に耐えながら肉体を動かす。
「グルルッ! オオオオオオオオオッ!!」
咆哮を上げ、尻尾を悪神の腹部に巻きつけ、両翼は機体を包み込むように、左手はドリルを持つ手首を掴む。
「な、なにをしている!?」
その行為に、悪神はドリルを引き抜こうと腕を引くがビクともしない。距離を取りたくとも、尻尾に巻きつかれ動きを封じられたことに気づき焦る。
残った片手でウロボロスを殴るが、その瞳はギラつき畏怖させる。ここにきて、悪神の本能が警鈴を鳴らす。
「――――――っ!?」
ウロボロスから早急に離れろ、さもなくば死が待っている、と。本能に従い、ドリルから手を放し捨てるが、手首を掴まれ引き抜けない。体も同様に、引き剥がせず迫りくる恐怖に冷静さが欠けていく。そこへ、ウロボロスの反撃が始まった。
「――うぶっ!?」
ウロボロスの右手の拳が悪神の顔面を思い切り殴る。顔のフォルムは凹み歪み何度も、顔を殴り破壊を試みる。顔の半分が大破し、その次はぶら下がる腕だ。肩に噛みつき、牙が機体に穴を空け砕く。火花が散り、それでもお構いなしに顎を離すと腕を掴み引っ張る。
「いぎっ……。や、やめろっ!!」
ギチギチと音を鳴らし、痛覚などないはずの悪神の口からもれる苦痛に似た声。力任せにウロボロスは腕を引き千切ってみせた。
「あああああああああっ!!」
悲痛な叫びを上げる悪神へ最後に、貫かれた腹に力を込めると血が吹き出し痛みが増すがそれでも、息を大きく吸い込み腹を膨らませる。
それが何を意味しているのか、気づいた時にはもう遅い。ウロボロスは、至近距離から最大火力による黒炎を吐いた。
「グゥォオオオオオオオオオオオオオオオオ――」
己の尻尾も、爆炎に巻き込まれることを承知の上で悪神へ火炎放射をぶち込む。両者を黒炎が包み爆ぜた。周囲へ爆風が吹き荒れ、黒炎の威力は大地も瓦礫の山も燃やし尽くし焦土と化す。フェニックスの背に乗る仲間も緊急退避。
しばらくして、治まると地上へ降り立つ仲間たち。奏と遥を捜すと、悪神はあの攻撃にも消滅はせず、けれど頭だけとなり地面に転がっていた。
「おい、二人共! 無事なのか!?」
「無事なら返事をして!?」
燐と桜が叫ぶ。仲間が捜す視線の先に二人は、全身が黒焦げとなったウロボロスの姿のままだが、咳込みながらも無限再生のお陰で無事だ。
ウロボロス化が解け、二人の姿に戻るとその場に座り込む。
「えへへっ。倒せたわ!」
「やったね。奏」
「うん! 遥と一緒だったからね」
「だね。二人じゃないと倒せないよ」
笑いながら、倒せたと喜ぶ二人に駆け寄った仲間がやり過ぎと怒る。
「笑っている場合か!」
「もう、二人共、やり過ぎよ!」
燐と桜が軽く、奏と遥の頭をこつく。陽菜が、ボロボロの二人の傷を治癒させていく。
紅やアザゼルたちも、やれやれといった感じ肩を竦める。が、これでこちら側の悪神は復活する力がなくなり勝利したと言っても問題ない。残るは、オリジナルと戦う夏目たちに託された。
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