添い寝オオカミと発情ウサギ

夏芽玉

文字の大きさ
上 下
4 / 12

【4】オイルマッサージ*

しおりを挟む
「うん……」

 マッサージして貰えると聞いて、オレはその言葉の意味を深く考えずに頷いてしまった。するりとオレの下着が脱がされる。ライの前で全裸になってしまったことにようやく気付いたが、間を開けずにライの温かい掌で臀部を揉みほぐされて、またオレの口から甘いため息が漏れた。毎日長時間座りっぱなしなので、意外と尻も凝っていたようだ。

「どう、大丈夫そう?」
「んっ、すごく気持ちイイ……」

 オレがそう答えたら、とろりとした液体がお尻にかけられた。ぬるめの温度に温められていたようで、冷たかったり熱かったりということはなかったのだけど、びっくりして思わず「ひゃっ」という情けない声を出してしまった。

「な、なに……?」
「オイルマッサージは、経験ない?」
「ひぁんっ、……あっ……な、ないでしゅ……」

 慣れない刺激に思わず声が裏返ってしまう。

「力、抜いてて」

 さっぱりとした花のような香りが鼻腔を擽る。使われたのはアロマ系のオイルなのだろうか。ライに言われたからという理由だけでなく、好ましい匂いにも包まれて、思わずうっとりと力を抜いてしまった。太腿の付け根からふくらはぎまで、途中で何度かオイルを足されながらマッサージされた。オイルの滑りを借りながらグイグイと押されると、痛気持ちいい。血行が良くなったのか、足先までポカポカと温まってきた。気を抜いたらすぐにでも寝てしまいそうだ。このまま朝までぐっすり寝たら、気持ちいいだろうな……

「じゃあ、今度は仰向けになって」

 ライに声を掛けられて、オレの意識が浮上した。一瞬、夢の中に居た気がする。このまま眠ってしまっても全然問題なさそうな気もしたけれど、せっかく『添い寝リフレ』に来たのだから、ライに添い寝されながら寝たいなと思った。
 オレは眠い目を擦りながら、言われた通りに仰向けになる。その時、自分の状態を思い出した。さっき、パンツも脱いでしまったので、オレは全裸だ! しかも、血行が良くなったのは脚だけではなかったようで、その付け根にあるムスコもしっかりと勃ち上がってしまっていた。

「あ、こ、これは……」
「気持ち良くなって貰えて、嬉しいよ」
「せ、生理現象なんで、気にしないで。あの、ごめんなさい……」

 ライはただマッサージしてくれていただけなのに、自分は気持ち良くなりすぎてムスコをおっ勃ててしまうだなんて……居た堪れない。しかも、そんなオレにもにこにこと笑顔を絶やさずに接してくれるなんて、どんだけ心が広いんだ。顔だけじゃなくて、心までイケメンだなんて。ライはきっと人気のあるキャストなんだろうな……初回でそんな獣人ひとを紹介して貰えるなんて。最近、イイコトなんて全然なかったけれど、今日はツイてるかもしれない。
 そんなことを考えていたら、今度はオイルが胸にも垂らされた。

「へっ……!?」

 そ、そんなところもマッサージしちゃうの!?
 オレが目を白黒させている間に、ライの手がそこに伸びて来て、指先で乳首をきゅっと摘まれた。だけど、オイルのせいですぐににゅるんと滑ってしまう。ライは逃げた乳首を追いかけるようにもう一度摘むけれど、またオイルで滑って……

「ひぁっ、やっ、あっ……つ、摘んじゃダメぇっ……」

 それを何度も繰り返されると、段々ヘンな気分になってくる。さっきまでの凝りが解されて脱力していく気持ち良さではなく、下半身にモヤモヤが溜っていくほうの気持ち良さで……

「ダメ……? それじゃあ、これはどう?」

 ライはそう言うと、もう片方の乳首をぱくっと口に含んだ。

「ああぁぁああああ……!!」

 熱い口の中に乳首を咥えられて、吸い上げられるとビリビリと電流が走ったみたいに、凄まじい快感が身体中を駆け巡った。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

【完結】第三王子は、自由に踊りたい。〜豹の獣人と、第一王子に言い寄られてますが、僕は一体どうすればいいでしょうか?〜

N2O
BL
気弱で不憫属性の第三王子が、二人の男から寵愛を受けるはなし。 表紙絵 ⇨元素 様 X(@10loveeeyy) ※独自設定、ご都合主義です。 ※ハーレム要素を予定しています。

どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします

文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。 夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。 エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。 「ゲルハルトさま、愛しています」 ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。 「エレーヌ、俺はあなたが憎い」 エレーヌは凍り付いた。

【完結】守護霊さん、それは余計なお世話です。

N2O
BL
番のことが好きすぎる第二王子(熊の獣人/実は割と可愛い) × 期間限定で心の声が聞こえるようになった黒髪青年(人間/番/実は割と逞しい) Special thanks illustration by 白鯨堂こち ※ご都合主義です。 ※素人作品です。温かな目で見ていただけると助かります。

完結・オメガバース・虐げられオメガ側妃が敵国に売られたら激甘ボイスのイケメン王から溺愛されました

美咲アリス
BL
虐げられオメガ側妃のシャルルは敵国への貢ぎ物にされた。敵国のアルベルト王は『人間を食べる』という恐ろしい噂があるアルファだ。けれども実際に会ったアルベルト王はものすごいイケメン。しかも「今日からそなたは国宝だ」とシャルルに激甘ボイスで囁いてくる。「もしかして僕は国宝級の『食材』ということ?」シャルルは恐怖に怯えるが、もちろんそれは大きな勘違いで⋯⋯? 虐げられオメガと敵国のイケメン王、ふたりのキュン&ハッピーな異世界恋愛オメガバースです!

悪役令息の七日間

リラックス@ピロー
BL
唐突に前世を思い出した俺、ユリシーズ=アディンソンは自分がスマホ配信アプリ"王宮の花〜神子は7色のバラに抱かれる〜"に登場する悪役だと気付く。しかし思い出すのが遅過ぎて、断罪イベントまで7日間しか残っていない。 気づいた時にはもう遅い、それでも足掻く悪役令息の話。【お知らせ:2024年1月18日書籍発売!】

完結·助けた犬は騎士団長でした

BL
母を亡くしたクレムは王都を見下ろす丘の森に一人で暮らしていた。 ある日、森の中で傷を負った犬を見つけて介抱する。犬との生活は穏やかで温かく、クレムの孤独を癒していった。 しかし、犬は突然いなくなり、ふたたび孤独な日々に寂しさを覚えていると、城から迎えが現れた。 強引に連れて行かれた王城でクレムの出生の秘密が明かされ…… ※完結まで毎日投稿します

急に運命の番と言われても。夜会で永遠の愛を誓われ駆け落ちし、数年後ぽい捨てされた母を持つ平民娘は、氷の騎士の甘い求婚を冷たく拒む。

石河 翠
恋愛
ルビーの花屋に、隣国の氷の騎士ディランが現れた。 雪豹の獣人である彼は番の匂いを追いかけていたらしい。ところが花屋に着いたとたんに、手がかりを失ってしまったというのだ。 一時的に鼻が詰まった人間並みの嗅覚になったディランだが、番が見つかるまでは帰らないと言い張る始末。ルビーは彼の世話をする羽目に。 ルビーと喧嘩をしつつ、人間についての理解を深めていくディラン。 その後嗅覚を取り戻したディランは番の正体に歓喜し、公衆の面前で結婚を申し込むが冷たく拒まれる。ルビーが求婚を断ったのには理由があって……。 愛されることが怖い臆病なヒロインと、彼女のためならすべてを捨てる一途でだだ甘なヒーローの恋物語。 この作品は、他サイトにも投稿しております。 扉絵は写真ACより、チョコラテさまの作品(ID25481643)をお借りしています。

断る――――前にもそう言ったはずだ

鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」  結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。  周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。  けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。  他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。 (わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)  そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。  ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。  そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?

処理中です...