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9.外していい?*

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「あー……ドМなネコの公開調教やった日? 確か、隣で彼氏が見てる中で酷く犯して欲しいってお願いされたような……」

 喋っているうちに、その日のことを思い出してくる。
 初めて店に来たカップルがたまたま隣に座って、相手をして欲しいってオレに頼んだんだ。その時に渡されたのが、確かに、ぎっしりと道具が詰まったボストンバッグで、オレはその中に入っていた道具でネコと遊んだ覚えがある。

「……オレとシてるときに他の男のことを考えるな」

 考え事をしていたせいで、手の力が緩んでしまったみたいだ。そのことを咎めるみたいに、拗ねた様子で課長が言った。

「ああ、ごめん。それと、教えてくれてありがとう。ご褒美にちゃんとキンタマ潰してあげるから許して」

 オレは耳元でそう言うと、チュッと首の後ろにキスを落とした。そして、右手で力いっぱい睾丸を握り潰して、ついでに左手で乳首を引っ張りながら抓りあげた。

「ひい゛っ、あ゛ぁ゛ぁぁあああ……!!」

 哀れな悲鳴を上げながら、課長が痛みでイく。か細い悲鳴を上げながらブルブルと身体を震わせてオレの腕の中でイく様子は、可哀想で可愛くて堪らなかった。オレは課長がイき終えるまでは苦痛を与え続けられたけれど、それ以上はもう我慢できなくなって自分勝手に腰を叩きつけた。それにも課長は感じてしまったみたいで、中をギュウギュウ締めつけてオレを搾り取ろうとした。そして、オレは崩れ落ちそうになっている課長の身体を抱きしめながら、最後に精を放った。

 ……あー、めちゃくちゃ気持ち良かった。

 オレは全部射精しきってから一息つくと、名残惜しい気持ちを抑えながら、チンポを課長の中から引き抜いた。ヤった後もまだ中に居座りたいと思ったのなんて、初めてかも。
 課長は大きく息をつきながらベッドに横たわったけれど、オレのチンポが出ていくのを感じたみたいで身体を起こした。
 ゴムの口を縛っているオレの股間に顔を寄せてくる。

「なに、舐めたいの?」

 物欲しげな視線を向けられて、オレは頭を撫でる。
 うーん、マスク越しでもなんとなく表情はわかるけれど、どんな表情をしているのか、もっとしっかり見たいな。

「……ねぇ。それよりも、マスク外していい?」
「それは……」
「もう身バレしちゃってるんだから、今更隠す必要なんてないでしょ。だから、顔見せて。次は、キスしながらヤろ? それで、イき顔見せてよ」

 オレがお願いしたら、課長は少し悩んだ末に、コクリと頷いた。

 フェイスマスクを外すと、いつも職場で見ている上司が目の前に居た。
 いつもと違うのは、発情したみたいに目がトロリとしていて、目尻には涙の痕が残っていることくらいだろうか。
 ああ、課長の泣き顔、見たかったな……

「それから、これも外していい?」

 貞操帯に触れながらオレは言ったけれど、課長はフルフルと首を横に振った。

「なに、これがそんなに好きなの?」
「そう……じゃないけれど……」

 歯切れの悪い返事だ。
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