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2.だって、春だから*
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オレは来た道を引き返すか、それともこのまま進むか悩んだ。
だけど、引き返してどーする?
こいつがどこに向かっているのか知らないけれど、駅まではほぼ一本道だ。駅までこいつを引き連れて歩けってか? 嫌だよ、そんなの。どこまでついてくるかはわからないけれど、実験する気になんてならねぇ。
それに、引き返すのはなんだか癪に障る。なんで、オレがこいつに背中を向けて、来た道を戻んなきゃなんねーんだよ!!
オレとそいつは無言でお互いの距離を詰めていった。二人とも、道のど真ん中を歩いている。すると当然、二人がそのまま進むと、そのうちぶつかりそうになるわけで。
そしてついに、オレたちはお互いがそれ以上進めなくなったところで向かい合って立ち止まった。ここまで来ても、相手はオレに道を譲る気はないようだ。
目の前に立ちはだかる相手にオレは眉を顰めた。
どけよ。
そう思いながら相手を睨みつける。お互い目が合ったような気がした。するとその瞬間、目の前の相手は、コートを両手でバサッと左右に開いて、中をオレに見せつけてきた。
予想していた通り、彼はコートの下には何も着用していなかった。つまり、全裸だ。全裸。
いや、全裸の彼が身に着けているものが一つだけあった。貞操帯だ。貞操帯ってのは、チンポに嵌めて勃起できなくするための道具だ。彼のチンポを覆う金属が、街灯の光をキラリと反射していた。
いや、よく見て見れば、彼が身に着けているものがもう一つあった。それは首輪だ。首輪の中央には金具がついていて、そこに小さな鍵がぶら下がっている。これは……貞操帯の鍵だろうか?
「あぁ……」
やっぱりな、という気持ちが口から溜息になって出た。
はあぁぁ、ただでさえイラついてんのに、なんでこんな日に限って、変態に出会うなんて本当、マジでツイてねええぇぇ!!!!
……春だな。間違いなく春だ。だから、頭が沸いたヤツが出てくるんだ!!
こんなことでしか承認欲求を満たせないだなんて、どうせくたびれたオッサンなんだろ、と目の前でいつまでもトレンチコートを御開帳したままの相手を睨みつけた。
相手はオレに裸体を見せつけて興奮しているのか、ハァハァと荒い息を吐いていた。変態のオナニーに付き合わされてげんなりとした気分になる。
だけど、目の前に晒された白い肌の肉体は、よく見てみれば、だらしないなんてことはなく、スッキリとした身体に程よくもっちりと肉が乗っている。なかなか抱き心地の良さそうだ。
……こいつ、意外とイイ身体してんな。ちょっと好みのタイプかもしんない。つーか、結構好きかも……? それに、思っていたより若い……?
最初は露出狂なんか、見なかったフリをして通り過ぎてしまおうと思っていた。こーゆーのは無視するのが一番だ。
だけど、やっぱり気が変わった。せっかく相手から見せつけてきたんだ。どうせだったらじっくり検分してやんよ!!
オレは目の前の相手をよくよく観察することにした。
色白の肌は興奮しているせいか、ほんのりと赤く染まっているようで艶めかしい。筋肉質というわけではないけれど、ほどほどに鍛えられた身体にうっすら乗った脂肪。とても手触りも良さそうだ。
乳首は綺麗なピンク色で、この距離でもわかるくらいツンと立ち上がっていた。
オレは更に視線を下げていく。貞操帯が嵌っている恥部は無毛……つまり、パイパンだ。元々毛が薄いのか、そういう処理をしているのか……どっちだ? 無毛の下半身に、メタルの貞操帯が嵌っているのが、酷くいやらしく見えた。
無遠慮に身体を見られて、相手は更に興奮したらしい。
ハァハァという息遣いが更に大きくなった。
「……ふむ。よし、ホテルに行くぞ」
オレはそう言うと彼に近づいて、手を引いた。見せつけてくるっていうことは、彼もきっとそのつもりなんだろう。
今日はハプバーのイベントで出会ったコと遊ぶつもりだったけれど、この際こいつでもイイや。そう思えるくらい、彼の身体はオレの好みのど真ん中だった。
一瞬抵抗を感じたから、なんだよと思って彼を振り返ったら、彼はいそいそとトレンチコートの前を閉めていた。ああ、そーゆーの大事だよな。うん。流石にそんなプレイと間違えられて警察に捕まるのはゴメンだ。
彼がコートをきっちり着るのを待って、オレはまた歩き出した。彼は大人しくオレについてきた。
一度駅から離れて住宅街まで来てしまったけれど、駅の反対側には繁華街がある。
駅を超えて繁華街の方面に出て裏道に入ると、オレは適当なラブホテルに彼を連れ込んだ。
だけど、引き返してどーする?
こいつがどこに向かっているのか知らないけれど、駅まではほぼ一本道だ。駅までこいつを引き連れて歩けってか? 嫌だよ、そんなの。どこまでついてくるかはわからないけれど、実験する気になんてならねぇ。
それに、引き返すのはなんだか癪に障る。なんで、オレがこいつに背中を向けて、来た道を戻んなきゃなんねーんだよ!!
オレとそいつは無言でお互いの距離を詰めていった。二人とも、道のど真ん中を歩いている。すると当然、二人がそのまま進むと、そのうちぶつかりそうになるわけで。
そしてついに、オレたちはお互いがそれ以上進めなくなったところで向かい合って立ち止まった。ここまで来ても、相手はオレに道を譲る気はないようだ。
目の前に立ちはだかる相手にオレは眉を顰めた。
どけよ。
そう思いながら相手を睨みつける。お互い目が合ったような気がした。するとその瞬間、目の前の相手は、コートを両手でバサッと左右に開いて、中をオレに見せつけてきた。
予想していた通り、彼はコートの下には何も着用していなかった。つまり、全裸だ。全裸。
いや、全裸の彼が身に着けているものが一つだけあった。貞操帯だ。貞操帯ってのは、チンポに嵌めて勃起できなくするための道具だ。彼のチンポを覆う金属が、街灯の光をキラリと反射していた。
いや、よく見て見れば、彼が身に着けているものがもう一つあった。それは首輪だ。首輪の中央には金具がついていて、そこに小さな鍵がぶら下がっている。これは……貞操帯の鍵だろうか?
「あぁ……」
やっぱりな、という気持ちが口から溜息になって出た。
はあぁぁ、ただでさえイラついてんのに、なんでこんな日に限って、変態に出会うなんて本当、マジでツイてねええぇぇ!!!!
……春だな。間違いなく春だ。だから、頭が沸いたヤツが出てくるんだ!!
こんなことでしか承認欲求を満たせないだなんて、どうせくたびれたオッサンなんだろ、と目の前でいつまでもトレンチコートを御開帳したままの相手を睨みつけた。
相手はオレに裸体を見せつけて興奮しているのか、ハァハァと荒い息を吐いていた。変態のオナニーに付き合わされてげんなりとした気分になる。
だけど、目の前に晒された白い肌の肉体は、よく見てみれば、だらしないなんてことはなく、スッキリとした身体に程よくもっちりと肉が乗っている。なかなか抱き心地の良さそうだ。
……こいつ、意外とイイ身体してんな。ちょっと好みのタイプかもしんない。つーか、結構好きかも……? それに、思っていたより若い……?
最初は露出狂なんか、見なかったフリをして通り過ぎてしまおうと思っていた。こーゆーのは無視するのが一番だ。
だけど、やっぱり気が変わった。せっかく相手から見せつけてきたんだ。どうせだったらじっくり検分してやんよ!!
オレは目の前の相手をよくよく観察することにした。
色白の肌は興奮しているせいか、ほんのりと赤く染まっているようで艶めかしい。筋肉質というわけではないけれど、ほどほどに鍛えられた身体にうっすら乗った脂肪。とても手触りも良さそうだ。
乳首は綺麗なピンク色で、この距離でもわかるくらいツンと立ち上がっていた。
オレは更に視線を下げていく。貞操帯が嵌っている恥部は無毛……つまり、パイパンだ。元々毛が薄いのか、そういう処理をしているのか……どっちだ? 無毛の下半身に、メタルの貞操帯が嵌っているのが、酷くいやらしく見えた。
無遠慮に身体を見られて、相手は更に興奮したらしい。
ハァハァという息遣いが更に大きくなった。
「……ふむ。よし、ホテルに行くぞ」
オレはそう言うと彼に近づいて、手を引いた。見せつけてくるっていうことは、彼もきっとそのつもりなんだろう。
今日はハプバーのイベントで出会ったコと遊ぶつもりだったけれど、この際こいつでもイイや。そう思えるくらい、彼の身体はオレの好みのど真ん中だった。
一瞬抵抗を感じたから、なんだよと思って彼を振り返ったら、彼はいそいそとトレンチコートの前を閉めていた。ああ、そーゆーの大事だよな。うん。流石にそんなプレイと間違えられて警察に捕まるのはゴメンだ。
彼がコートをきっちり着るのを待って、オレはまた歩き出した。彼は大人しくオレについてきた。
一度駅から離れて住宅街まで来てしまったけれど、駅の反対側には繁華街がある。
駅を超えて繁華街の方面に出て裏道に入ると、オレは適当なラブホテルに彼を連れ込んだ。
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