変態英雄が暗殺者の俺を溺愛してくる

夏芽玉

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6.チャンスは今だ*

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「歯形だらけになっちゃった。でも、俺のものって感じで、すげー興奮する……」

 どのくらい好き勝手されていたのだろう。
 尻の穴がぽっかりと空いたまま閉じなくなってしまっている感覚がする。気のせいだろうか。
 肩も背中も腰も尻もあちこちが痛い。
 俺は、ぐっと掌を握りしめた。今ならちゃんと力を込めることができる。
 薬の効果が切れたのだろう。これなら、次にこいつが身体を離した時に逃げ出せば……

 そのチャンスはすぐにやってきた。
 相手が体勢を変えたんだ。

 ────今だ!!

 身体にかかる重圧が消えた瞬間、ベッドの上から逃げ出そうとしたけれど、相手が動くほうが早かった。
 腰を掴まれて、引き戻される。

「……てことで、挿れるね」
「なっ……」

 中腰の状態で、指なんかよりも太くて熱いものを尻の穴にズッポリと突っ込まれた。

「あっ、あっ……」

 思わず引き攣った声が出てしまう。
 じっくりと解されたおかげか、痛みは感じなかった。ただ、圧迫感がすごい。
 しかもその大きなモノが、俺の変になる場所……前立腺とやらをゴリゴリと刺激してくるものだから、堪ったもんじゃない。

「ひぃっ……や、やめ……」

 尻にチンコを突っ込まれて気持ちよくなれるはずがない。
 頭ではそう思っているのに、ビリビリとした快感が身体中を駆け巡る。

「どう? 気持ちいい?」
「いいわけないっ……から、やめっ……」
「ああ、イイみたいだね」
「ひぁっ……!」

 人の話を聞かずに、ガンガンと腰を振ってくる。その乱暴な動きに、悲鳴とも嬌声ともつかない声が俺の口から零れる。

「こっちも触ったら、気持ちよくなっちゃうかなー?」

 温かい手が胸を撫でまわして、指先が俺の乳首に触れた。両方同時に強い力で摘まれると、痛みにビクリと身体が震える。

「んなっ!? そんなの、なるわけ……」
「だよねー。だから、塗ったらジンジンしてくるやつ使ってあげるね」
「はぁっ!?」

 何処に隠し持っていたのか、相手が俺の乳首に香油のようなものをたっぷりと塗りつけた。

「なっ、やめ……ひぃっ!!」

 その手から逃れようと身を捩ったら、自ら相手の腰を尻に押し付ける動きになってしまった。さらに奥まで相手を呑み込んで、ゾクっと身体が震える。
 それに……

「やっ……やだ、なにこれっ……ひぃっ、いい゛い゛っ……!!」

 先ほど何かを塗られた乳首が熱くてむず痒い。

「ゾワゾワして気持ちいいでしょ?」

 そんなわけあるか!!
 あまりのむず痒さに、乳首を掻き毟ろうとした。それなのに、両手を後ろから捕まえてしまったせいで俺の行動が阻まれる。

「ああ゛っ、あああ゛っ……!!」

 痒くておかしくなりそうだ。
 身体を捩っても、相手の手から逃れることができない。
 それならせめてシーツ擦りつけようと上体を倒したけれど、手を後ろに引っ張られている所為で微妙に届かなかった。

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