変態英雄が暗殺者の俺を溺愛してくる

夏芽玉

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5.噛み痕*

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 脱力している間に手際よく服を脱がされた。
 おかげで、俺は今、皇帝のベッドに全裸で横たわっている。

 くそっ、シーツの肌ざわり良すぎんだろ!!
 いったい、どんだけ値が張る高級品なんだろうか。

「ああ、とってもキレイだ……こんな仕事しているのに、傷も少ない。キミってば、優秀なんだね」

 俺の身体には無数に傷跡があるのに、こいつはいったい何を言っているんだ。
 そう思ったけれど、傷の痕を指先で撫でられるとゾワゾワっとした感覚が背中を走った。

「じゃあ、ちゃちゃっと準備しちゃうねー。はい、うつ伏せになってお尻を上げて……って、あ、しまった。薬盛られたままだと動けないよね、よいしょっと」

 一人芝居を続ける相手に何か言ってやりたいが、薬の所為で舌の根元まで痺れていて声を発することができない。
 効果時間は短い……とは言っていたけれど、持続時間は一体どのくらいなんだ!?
 外はまだ騒がしいので、先ほど見つかった侵入者はまだ捕まっていないのだろう。
 衛兵はもうしばらくはこっちには来ないとは思うけれど……

「外が気になる? 大丈夫、そんなの気にならなくなるくらいヨくしてあげるね」

 そう言われた直後、尻に何か冷たいものがぶっかけられた。
 気持ち悪さに逃げ出したいのに、動かない俺の身体はただされるがままになっている。
 ずぶりと尻の穴に何かが突っ込まれた。多分、指だろう。

「痛く……はないよね。こっちには依存性ありまくるやつを使うから、大丈夫だよー。いっぱい気持ちよくなろーね」

 それのどこがどう大丈夫なんだ!!
 しかも、相手が俺の尻の穴を弄るのに一生懸命になっている今が逃げだすチャンスだっていうのに、全く身体が動かねぇ!!

 ああ、もう……!!

 今まで誰も触れたことのない尻の中を弄られている所為で、どうしても意識がそこに集中してしまう。
 そこは出す場所であって、何かを入れる場所じゃない!! そんなところを弄られたって、気持ち悪……

「あ、ここかな。みーつけた!!」
「……!!」

 気持ちが悪いと思っているはずなのに、体内に感じたのは確かな快感だった。

「前立腺って、知ってる?」

 俺の身体が快感を拾う場所を的確に捕えた相手は、指先でグリグリとそこを執拗に押しつぶしてくる。
 今まで感じたことのない快感を与えられて暴れ出したくなるほどなのに、俺の身体はピクピクと微かに動くだけだ。

「あー……あー……」
「うんうん、気持ちいいねー。こっちも触ってあげるね」

 そう言うと、俺のチンコを握って扱き始めた。
 こんな奴の手で感じたくないのに、身体は与えられた快感にとても従順だ。
 涎と涙がボロボロと零れる。

「い、やだ……」

 俺の上に伸し掛かっている相手を振り払うほどの力はまだないけれど、なんとか声を出せるようになってきた。

「あ、そうか。噛まれるのが好きだったよね。噛み痕もいっぱい残してあげるから、俺のことも噛んでいいいよ」

 顔の前に差し出されたのは、相手の腕。服を捲った部分だけでも、傷跡がたくさんあった。よく見たら、手の甲も傷だらけだ。
 どうして、飄々としている相手には傷など一つもないと思い込んでいたのだろう。
 この様子からすると、確かに俺のほうが傷は少ないようだけど……

「ひぐっ……!!」

 頭を押さえつけられて、肩に痛みが走った。
 反射的に目の前の腕に噛みついてしまう。といっても、俺の場合はただ歯が当たった程度だったけれど……

「あは。すごい……くっきり噛み痕ついている……!!」
「ちょっ、やめっ……!!」

 そのあとも、背中に、腰に、あちこちに噛みつかれる。
 力を込めたら、微かに藻掻くくらいの抵抗をすることができた。
 だけど、相手を振り払うには不十分だ。しかも、尻の穴もグニグニと弄る手は止まらない。
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