いつか、愛に跪くまで

夏芽玉

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後日談3 嫉妬の行方

【3】全然、足りない*

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 ベッドに上がってきた久我の胸に背中を預ける。オレは全裸だけど、久我はまだ何も脱いでいない。オレの皮膚は汗ばんでいるのに、背中に感じる服越しの乾いた体温が少し寂しい。

「あっ、あっ……イく、イきそ……」
「いいですよ。唯織さん、Cumイって
「くぅっ……ああぁっ……!!」

 久我の手の動きとCommandに、背を反らせて何度目かの精を吐き出したけれど、量も出ておらず、色も薄い。もう吐き出すものなんてほとんど残っていない。ペニスも擦りすぎてほのかに赤くなっていて、じんわりと痛みに近い熱を持っているような気がする。

 射精した余韻でぐったりと体重を久我に預けるけれど、久我はまだ許してくれる気はなさそうだ。久我の指先が乳首を摘んで、もう片方の手で睾丸を揉みこまれる。久我のGlareに溺れているオレは、些細な刺激だけでも簡単に身体を昂らせてしまう。

「はぁ……っ、久我、お願い。お尻も欲しい……」

 久我から出続けているGlareが心地良過ぎて、頭がぼんやりする。気持ちいいのに物足りない。満たされない。

「自分で弄っていいですよ」

 力の抜けた手を持ち上げられて、自分の後孔に触れさせられる。そこは、それだけの刺激でもヒクヒクと浅ましく疼いた。

「や、久我のがいい……」
「可愛い我儘ですね」

 オレは飢餓感に耐え切れず、身体を摺り寄せて言った。

 ベッドサイドにあったローションを手に取った久我が、自分の手の平に中身を出した。オレを抱き直してローションを纏った指を後ろの孔に差し入れる。ぬぷぬぷと指先で入口を解されただけで、オレのアナルはあっさりと久我の指を飲み込んでいった。

 体内に感じる久我の存在にほぅっと息を吐いたけれど、その指は根元まで入り込んでからは動く気配が全くない。物足りなさに、後ろの穴が勝手にヒクヒクと中にある指を締め付けてしまう。
 オレはもっと強い刺激が欲しくて、久我を上目に見つめて視線でその続きをねだった。

「オレは動かさないんで、唯織さんが自分でイイトコロ擦ってくださいね」

 今日の久我はとても意地が悪い。
 だけどそれに対して文句を言うだけの余裕がないオレは、両手で久我の手を掴んでゆっくり前後に動かした。

 ようやく与えられた刺激に身体がビクビクと震える。動きを制御しているのはオレ自身であるハズなのに、自分の指で擦るのとは全然違った快感が身体を駆け巡る。

「ふぁ、あっ……気持ちイイ……」

 自分の指を入れるのとも、久我がオレの中で指を動かすのとも違う。なんかヘンな感じがする。
 イクのはもう辛いのに、キモチイイところに久我の指先を押し付けて擦ってしまう。

「あ、あ……足りない、もっと……もっと、ほしい……」

 指が一本だけじゃまだ物足りなくて、自ら大きく脚を開き腰を振って久我にさらなる刺激をねだる。ようやく二本目がくぷりと差し込まれて、オレはそれを大きく出し入れし始めた。

「オレの指でオナニーしちゃってる唯織さん、かわいー」
「やぁ、気持ちいいっ……あっ、あっ、あっ……何かクるっ……」
「今度は後ろだけでCumしてイっていいですよ」
「あァァアア……!!」

 ぎゅって久我の指を締め付けて、オレは何も出さずにイった。絶頂の余韻で、頭がフワフワする。

「上手にイけて偉いですよ。中イキだったら、まだまだイけますよね」

 このままフワフワした感覚に浸っていたいのに、久我がさっきまでとは一転して指を動かし始めた。前立腺をオレが一番感じる強さで的確に刺激され、腰が跳ねるのと中が痙攣するのを繰り返す。

「ひぃっ……今、イった……イったのに、そんなことされたらっ……あああぁあ゛あ゛あ゛っ……!!」

 自分がいつ絶頂しているのかすらわからない。強制的に追い上げられて、気持ちいいところから降りてこられない。イってる、イってると何度も言うけれど、久我は手を止めてくれずに、何度も高みに追いやられる。

 そして、イくときにもう声すら出せなくなった頃になって、ようやく久我は手の動きを止めた。


「唯織さん、中イキ上手になりましたね。気持ち良かったです?」

 何か言い返したいのに、イきすぎて頭がクラクラする。上手く言葉が出てこない。
 気持ちイイのも度を超えればただ辛いだけだ。オレは荒く息を吐きながら久我を睨みつけた。

「嫌になったならセーフワード、使ってもいいんですよ。そしたらやめてあげます」
「……っ! 誰が、使うかよっ!」

 思わず言い返す。なんとか絞り出した声は思った以上に嗄れていた。

「オレが欲しがったんだから、イイんだよっ! もっと久我を寄越せよ。感じさせろよ」
「ふぅん、唯織さん、まだイき足りないんですか」

 わざとらしく呆れた口調で、意地悪なことを久我に言われる。オレが欲しいものが何かなんて、本当はわかってるくせに。
 イきすぎて身体はマジで辛い。脳が酸欠になったみたいに痺れてるし、もう声もすっかり掠れている。
 だけどオレは久我に向かって、その場所を見せつけるように脚を開いた。

「ああ、全然足んねぇ。だから、今度は久我のでオレをもっといっぱいイかせろ」


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