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後日談2 トラウマ
【6】スパンキング*
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一度、膝から降ろされ、改めてベッドの中央で枕側を向いて四つん這いになるように指示される。
「唯織さん、腰を上げてStayです。お仕置き終わるまで、腰を落としたらダメですよ」
ベッドサイドに立った久我の手が高く振り上げられ、バシッと強く叩かれた。
「っ……!!」
その衝撃にオレは息を飲んだ。体勢を崩さないように、腕に力を入れる。
「まだ1回目ですよ。ちゃんと、自分で決めた15回。最後まで我慢してくださいね」
そう言って再び平手で尻を叩かれる。痛みとともにじんわりと叩かれたところに熱が広がる。
だけど、不思議と怖いとは思わなかった。
「2回目。痛いですか?」
叩かれたところを撫でられながら久我に聞かれる。
オレはコクリと頷いた。
「……でも、大丈夫」
歯を食いしばっていた口を緩めて、オレはそう言った。
「それじゃあ、次、いきますね」
また尻が打たれる。
食いしばった歯の間から、熱い息が漏れる。
打たれた痛みは熱を持って蓄積していく。
「唯織さんの白いお尻がだんだん赤く染まっていくの、そそりますね」
指先で臀部を撫でられると、ゾワっと痛み以外の何かを感じた。
「くふ、ん……」
痛みだけを警戒していた所為で、思わず甘い声が漏れてしまった。
「まだお仕置きは始まったばかりですから、しっかり堪能してくださいね」
オレは身体を支える手に力を入れなおした。
5回目あたりから、平手打ちされるときに久我から漏れ出すGlareを感じるようになった。態度には出していないが、久我も興奮しているようだ。痛みに悶えながらもそのGlareに身を委ねると、何ともいえない気持ちになる。
「ふっ、あっ……!」
声を抑えようと歯を食いしばっていたが、耐え切れず、叩かれると悲鳴と言うよりは喘ぎ声に近いものが口から漏れる。
与えられる痛みから逃げ出したくなる。
「ほら、逃げちゃダメですよ。Stayって言ったでしょう?」
いつの間にか腰が下がっていたのを久我に見咎められ、崩れかけた体勢を引き戻される。
オレは久我の言葉に頷いた。
久我のCommandに従って、お仕置きを甘受する。心も身体も久我の支配に委ねる。そうやって、久我に全て支配されることに歓喜する。久我のお仕置きを全部受け入れることができたらもっと久我のものになれる。そんな甘美なご褒美が待ってると思うと、もうどうしようもなかった。
自然と息が荒くなるのが止められない。身体を支えている手が震える。
「次で10回目ですよ」
「ひぁぁんっ……!!」
体勢を崩さないことに気をとられていたら、叩かれた瞬間、誤魔化しようもない鼻にかかった甘い声が漏れた。
「唯織さん、腰を上げてStayです。お仕置き終わるまで、腰を落としたらダメですよ」
ベッドサイドに立った久我の手が高く振り上げられ、バシッと強く叩かれた。
「っ……!!」
その衝撃にオレは息を飲んだ。体勢を崩さないように、腕に力を入れる。
「まだ1回目ですよ。ちゃんと、自分で決めた15回。最後まで我慢してくださいね」
そう言って再び平手で尻を叩かれる。痛みとともにじんわりと叩かれたところに熱が広がる。
だけど、不思議と怖いとは思わなかった。
「2回目。痛いですか?」
叩かれたところを撫でられながら久我に聞かれる。
オレはコクリと頷いた。
「……でも、大丈夫」
歯を食いしばっていた口を緩めて、オレはそう言った。
「それじゃあ、次、いきますね」
また尻が打たれる。
食いしばった歯の間から、熱い息が漏れる。
打たれた痛みは熱を持って蓄積していく。
「唯織さんの白いお尻がだんだん赤く染まっていくの、そそりますね」
指先で臀部を撫でられると、ゾワっと痛み以外の何かを感じた。
「くふ、ん……」
痛みだけを警戒していた所為で、思わず甘い声が漏れてしまった。
「まだお仕置きは始まったばかりですから、しっかり堪能してくださいね」
オレは身体を支える手に力を入れなおした。
5回目あたりから、平手打ちされるときに久我から漏れ出すGlareを感じるようになった。態度には出していないが、久我も興奮しているようだ。痛みに悶えながらもそのGlareに身を委ねると、何ともいえない気持ちになる。
「ふっ、あっ……!」
声を抑えようと歯を食いしばっていたが、耐え切れず、叩かれると悲鳴と言うよりは喘ぎ声に近いものが口から漏れる。
与えられる痛みから逃げ出したくなる。
「ほら、逃げちゃダメですよ。Stayって言ったでしょう?」
いつの間にか腰が下がっていたのを久我に見咎められ、崩れかけた体勢を引き戻される。
オレは久我の言葉に頷いた。
久我のCommandに従って、お仕置きを甘受する。心も身体も久我の支配に委ねる。そうやって、久我に全て支配されることに歓喜する。久我のお仕置きを全部受け入れることができたらもっと久我のものになれる。そんな甘美なご褒美が待ってると思うと、もうどうしようもなかった。
自然と息が荒くなるのが止められない。身体を支えている手が震える。
「次で10回目ですよ」
「ひぁぁんっ……!!」
体勢を崩さないことに気をとられていたら、叩かれた瞬間、誤魔化しようもない鼻にかかった甘い声が漏れた。
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