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後日談2 トラウマ
【3】Sub性欲求不満
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「唯織さん、最近眠れてないです?」
「そんなことない」
プレイのあと、一緒に布団に入る。
布団の中で久我の温もりを感じるのが好きだ。これから真夏になって、暑さで寝苦しくなってもオレはこの温もりを手放さないだろうと思った。
「でも、目の下にクマがあるの、Sub性欲求不満由来の不眠症ですよね?」
こいつは、変なところで勘がいい。
「オレのプレイ、物足りてないですよね? もっとGlareが必要ですか? それとも、なにか嫌なこととか我慢をさせちゃってるとか……」
「なんもねーよ……」
「そんなことないですよね。最近、唯織さん、プレイのあとにサブスペース入ってないし……」
「普通はサブスペースなんて、そんなにホイホイ入るもんじゃねーだろ?」
言えない。あんなこと言った後なのに。
久我にもっと苛められたいと思ってるだなんて。久我にお仕置きされたいと思ってるなんて。
今までは普通にプレイするだけで満たされていたのに。最近になって、新しい欲が出てきてしまった。
こいつのお仕置きに耐えたら、きっといっぱい褒めてもらえる。そしたらどんなに気持ちいいだろうって、想像しては打ち消す。
下手したら、サブドロップに落ちる。まだ怖い。
でも、その恐怖も我慢して耐えたらどんなに褒めて貰えるのだろう、と思考が堂々巡りする。
「ふーん。じゃあ、素直に喋れるように、GlareとCommandあげますね。唯織さん、何があったのかSpeak」
「……っ!」
オレは慌てて唇を引き結んだ。
「もー、本当に強情なんだから。素直に言えたら、いっぱいご褒美あげますよ?」
枕に顔を埋めたオレの髪を優しく撫でてくれる。
「唯織さんのことは何でも知っていたいんです。良いところも悪いところも、嬉しいことも、悲しいことも。不安に思ってることも」
「……久我は、オレの嫌なところないのか?」
「唯織さんの全てが好きです。実は、唯織さんが素直じゃないところも好きなんですよ」
「可愛げなんて、欠片もねーだろーが……」
「だって、ぶっきらぼうなこと言いながらも、いつもオレのこと物欲しそうに見てるじゃないですか。そんなところが可愛くて仕方ないんです」
「久我って、オレといて怒ったり悲しくなったりすることねーの?」
枕から顔を上げて久我を見る。
「うーん……今まで唯織さんと一緒に居て、怒りを覚えたことはないですけど……でも、言いたいこと言ってくれないのは悲しいです。オレってそんなに頼りないですか? そりゃ、5歳も歳下で、会社でもまだ新人扱いされてますけど……」
オレはユルユルと首を振った。
久我は出会ってからいつも楽しそうにニコニコしている。オレが何をやっても許してくれる。
オレはすっかりそれに甘え切ってしまっている。頼り過ぎだと思うけど、どれだけ甘えても久我はオレを受け入れてくれる。
「お願いです、教えてください」
「そんなことない」
プレイのあと、一緒に布団に入る。
布団の中で久我の温もりを感じるのが好きだ。これから真夏になって、暑さで寝苦しくなってもオレはこの温もりを手放さないだろうと思った。
「でも、目の下にクマがあるの、Sub性欲求不満由来の不眠症ですよね?」
こいつは、変なところで勘がいい。
「オレのプレイ、物足りてないですよね? もっとGlareが必要ですか? それとも、なにか嫌なこととか我慢をさせちゃってるとか……」
「なんもねーよ……」
「そんなことないですよね。最近、唯織さん、プレイのあとにサブスペース入ってないし……」
「普通はサブスペースなんて、そんなにホイホイ入るもんじゃねーだろ?」
言えない。あんなこと言った後なのに。
久我にもっと苛められたいと思ってるだなんて。久我にお仕置きされたいと思ってるなんて。
今までは普通にプレイするだけで満たされていたのに。最近になって、新しい欲が出てきてしまった。
こいつのお仕置きに耐えたら、きっといっぱい褒めてもらえる。そしたらどんなに気持ちいいだろうって、想像しては打ち消す。
下手したら、サブドロップに落ちる。まだ怖い。
でも、その恐怖も我慢して耐えたらどんなに褒めて貰えるのだろう、と思考が堂々巡りする。
「ふーん。じゃあ、素直に喋れるように、GlareとCommandあげますね。唯織さん、何があったのかSpeak」
「……っ!」
オレは慌てて唇を引き結んだ。
「もー、本当に強情なんだから。素直に言えたら、いっぱいご褒美あげますよ?」
枕に顔を埋めたオレの髪を優しく撫でてくれる。
「唯織さんのことは何でも知っていたいんです。良いところも悪いところも、嬉しいことも、悲しいことも。不安に思ってることも」
「……久我は、オレの嫌なところないのか?」
「唯織さんの全てが好きです。実は、唯織さんが素直じゃないところも好きなんですよ」
「可愛げなんて、欠片もねーだろーが……」
「だって、ぶっきらぼうなこと言いながらも、いつもオレのこと物欲しそうに見てるじゃないですか。そんなところが可愛くて仕方ないんです」
「久我って、オレといて怒ったり悲しくなったりすることねーの?」
枕から顔を上げて久我を見る。
「うーん……今まで唯織さんと一緒に居て、怒りを覚えたことはないですけど……でも、言いたいこと言ってくれないのは悲しいです。オレってそんなに頼りないですか? そりゃ、5歳も歳下で、会社でもまだ新人扱いされてますけど……」
オレはユルユルと首を振った。
久我は出会ってからいつも楽しそうにニコニコしている。オレが何をやっても許してくれる。
オレはすっかりそれに甘え切ってしまっている。頼り過ぎだと思うけど、どれだけ甘えても久我はオレを受け入れてくれる。
「お願いです、教えてください」
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