いつか、愛に跪くまで

夏芽玉

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本編

【25】我儘*

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「そろそろ大丈夫だと思うので……挿れますね」

 スキンのパッケージを開けた久我が、自分のペニスに装着するのを見て、ようやく挿れてもらえるのだと安堵する。前準備だけで力尽きてしまったら、オレの今日の本懐が遂げられなくなる。

「じゃあ、唯織さん、うつ伏せに……」
「……いや、だ……」

 初めてなら後ろからのほうが楽だからと、バックからしようとする久我に、オレは断固拒否をする。

「でも、うつ伏せのほうが身体が楽ですから……」

 ふるふると、しかし強い意志を持って首を横に振る。
 駄々っ子に手を焼いているみたいに、久我の眉毛がハの字になる。

「……オレが処女くれてやるっつってんだから、こんくらいの我儘、聞けよ……」
「まだそんなに喋れるんですね。Glare足りなかったですね、すみません」

 そう言って、またGlareが与えられる。
 心も身体もすでにぐずくずに溶けている。自分の輪郭すら、もう溶けてしまっているんじゃないかって感覚になる。

「や、ぁ……も、久我のことしか考えらんないから、はやく挿れてぇ……これ以上焦らされたら、アタマおかしくなるからぁっ……!!」

 オレの言葉に、久我が膝裏を抱える。ゴムを纏った久我のペニスがオレの後孔に宛がわれて、一気に奥まで貫かれた。その瞬間、またGlareが与えられた気がした。

「アァあああぁぁああーーーーーーっ!!」

 挿れられた衝撃だけで、オレのペニスから白濁が飛び散った。目の前がチカチカする。やっと一つになれたなんて考える余裕もないくらい、圧倒的な快楽を叩きつけられた。
 
「ゆっくり挿れようと思ってたのに、貴方はどーしてあのタイミングで煽るんですか……」

 久我が腰を揺するたびに、ひっきりなしにオレの口から嬌声が零れる。
 気持ちいい、気持ちいい、気持ちいい……!!

「あっ、はぁっ、あっ、んんっ……!!」

 久我に与えられる快感に、ただ溺れる。

「唯織さん、意識飛ばしちゃダメですよ。あなたが処女を捧げた相手を……オレをちゃんとLook見て
「ふぁっ、あっ、あっ、久我っ……!」

 Command命令に従うために久我を見ると、久我も欲に濡れた目でオレを見ていた。久我がオレに欲情している。オレを欲しがってくれている。その表情にすら煽られて、さらに昂ってしまう。

 大きく脚を開いて、尻穴にペニスを抜き差しされて、顔中ぐちゃぐちゃになりながら、ただ嬌声を上げる。今自分がとんでもない痴態を晒している自覚はあるけれど、久我から視線を逸らすことは許されていない。

 痴態を晒しているオレを、久我が見つめる。視線でも犯されているのを、見せつけられる。


「唯織さんのイイところは……ここでしたね」

 グイと腰を押し付けられて、先ほど教えられた前立腺をその切っ先で押しつぶされる。

「あ、あぁぁああああアアアアっ……!!」

 強烈な快感に、視界が白く塗りつぶされる。
 指先で弄られたときは随分手加減されていたのだとこのとき気づいた。

「久我っ、久我ぁ……」

 助けを求めるように手を伸ばそうとしたけれど、全然力が入らない。
 気づいた久我が、オレの両腕を取って首に巻きつけてくれた。腰を支えていた両手が、オレの顔の両側に来る。オレが抱き着きやすいように上体を下げてくれたので、至近距離から久我の顔をLookする見ることになった。

「唯織さんが、オレのでこんなぐちゃぐちゃになってくれてる……スッゲ……」
「んあぁっ、はっ、ぁ……あぁっ、久我も、きもちいい……?」
「すごく、イイですよ……すぐにイッてしまいそうです……」
「……オレも気持ちイイ……なぁ、キスしたい……」
「だから、なんで貴方は今煽るんですか」

 荒っぽく唇を合わせたあと、ガツガツと乱暴なくらい奥まで強く腰を叩きつけられた。その力強さが途方もなく気持ちいい。快楽の嵐にもみくちゃにされる。

「あ、あ……イイ、イくっ……あ、あぁっ、イきたいっ……!!」
「今度は一緒にイきましょう。それとも、Commandが欲しいですか?」

 先ほどのCommandイきを思い出して、きゅっと久我を締め付けた。

「いいですよ。じゃあ、唯織さん……オレのでCumって」

 耳元でCommandを囁かれる。ぎゅっと強く身体を抱きしめられたまま、身体の最奥を久我が穿った。

「んあああぁぁあああああ……っ!!!!!!」

 久我のCommandとペニスに追いつめられて、オレ自身が何度目かの精を放つのと同時に、奥深くで久我の熱が弾けるのを感じた。
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