みんなみんな全部、大好き

１．惚れた相手と恋敵*

「和真かずまー!!　会いたかったぁ……!!」
「七央なおひさしぶ…………あぇっ!?」
「チッ……」
「ふぁっ……!!　雅鷹まさたか、急に動いちゃダメだって……んんっ!!」

　予備校から帰って来たら、数ヶ月ぶりに帰省した幼馴染七央が、ケツで同級生雅鷹のチンコを咥えながら笑顔で挨拶してきた。ちなみに二人とも全裸だ。ベッドの下には、脱ぎ捨てられた二人の服が転がっている。

「なっ!?　はあぁぁぁぁっ!?　おまえら、人の部屋で何やってんだよ……!!」
「なにって……見ての通りだが？　わからないのか？」
「見てのっ、て……!!」

　七央がオレのベッドの上で四つん這いになっている。その背後からチンコを突っ込んでいる雅鷹が馬鹿にしたように笑った。

「和真の部屋に居るってだけで、どうしてもムラムラが我慢できなくて……先に始めちゃって、ごめんね」

　眉を下げて謝る七央は、相変わらず天使のように可愛い。それだけじゃない。会話の端々かに漏れる吐息は熱っぽいし、頬はほんのりサクラ色に染まっていて、見たことのない色気を纏っている。しかも、全裸だ!!　全裸!!

　オレは目を見開いて、その姿をガン見した。
　ついでに七央に密着している雅鷹の裸も視界に入ってくるのは不快だが、オレは不要部分には脳内でモザイクをかけながらとにかく七央の姿を脳内に記録した。

　しかし、さっき七央が「ムラムラが我慢できなくて」と言ったような気がしたのだけど、幻聴だろうか？　性的なことに疎いピュアな天使の七央がそんなこと言うはずがない。
　ていうか、なんで惚れた相手と恋敵ライバルがオレの部屋でセックスしてんだ!?