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本編
17話 背徳感と恋心
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目覚めたら、オレはベタベタのドロドロになった礼二さんのパジャマとパンツを抱きしめていた。体液は自分にもべったりと付着している。そして、少し冷静になった頭で発情期が近いんだと気づいた。時期的にもきっとそうだと思う。
毎晩一緒に寝ているけれど、礼二さんはオレに手を出さない。オレと礼二さんは番で結婚もしているのだから、好きにしたらいいのに。それが例えただの性欲処理だとしても、オレは構わないのに。それとも発情期じゃない男オメガの尻は濡れないから面倒なのだろうか。
多分、礼二さんは本当はオレになんて興味ないんだと思う。礼二さんは優しいから、事故の責任をただ取ってくれただけで、オレに対してそれ以上の感情を持っていないんだ、きっと。
だけど、オレは浅ましいから、礼二さんを求めてしまう。
ベッドから抜け出したとき、スマホが点滅していることに気づいた。
昨日の夜、礼二さんからメッセージが届いていたみたいだ。
アプリを立ち上げると「出張先で見た景色がキレイだったから今度は一緒に見たい。会いたい、愛してるよ」といった内容が綴られていた。こんなことをされたら、本当に愛されているんだと錯覚してしまいそうになる。
オレは返事をせずに、そっとスマホの画面を消した。
オレはとりあえずシャワーを浴びて、色んなもので汚れてしまった礼二さんの衣類を洗濯した。
だけど、オレの体液で汚しまくってしまったそれらを礼二さんに着てもらうわけにもいかないから、洗いあがったらこっそりと自分の部屋に隠しておこう。
もし礼二さんが気づいたら、新しいのを買って誤魔化そうと思った。
だけど、もうすぐ発情期なのはちゃんと言わなきゃならない。
次の発情期、礼二さんは一緒に過ごしてくれるだろうか。
オレは重い溜息を吐いた。
それなのに、土曜日も、リビングに礼二さんのジャケットが置いてあるのを見つけたオレは、それをオカズに自慰行為をした。まだ明るいうちからリビングで勝手に礼二さんの服をオカズにしてしまう背徳感をスパイスにして、オレの身体はあっさりと昂ってしまった。
だから、日曜日は無心で家事をした。最初は掃除をしようかと思ったのだけど、いまから発情期がくるなら、食べるものはいくらあっても困らないだろうからと、一日かけて作り置きをいっぱい用意した。
そして、その日の夜に礼二さんは帰ってきた。
「ただいま」
ソファに座っていたら、リビングに入ってきた礼二さんにぎゅって抱きしめられた。ふんわりと、礼二さんのフェロモンが香る。
「お、おかえりっ! ごはん、できてるから」
オレは礼二さんのフェロモンに反応してしまわないように、慌てて身体を離した。
「わぁ、ありがとう。作ってくれたんだ、嬉しいな。一緒に食べる?」
「もう食べたからいい! それと……オレは疲れたから、もう寝るっ!」
礼二さんが不在の間、疚しいことをしていた自覚のあるオレは、礼二さんの顔を見るのが気まずくて、早々に寝室に籠ってしまった。本当は会えない時間が寂しかったから、ぎゅってされて嬉しかったのに。
礼二さんが優しくしてくれればしてくれるほど、オレは可愛げのない反応をしてしまう。
「好きだよ、愛してる」って言ってもらえると内心ではすごく喜んでいるのに、恥ずかしいのと申し訳ない気持ちがごちゃまぜになってしまって、どうしても聞き流すような態度をとってしまう。
ただでさえオレは見た目も中身も可愛くないのに、こんなんじゃいつか愛想を尽かされてしまうかもしれない。
毎晩一緒に寝ているけれど、礼二さんはオレに手を出さない。オレと礼二さんは番で結婚もしているのだから、好きにしたらいいのに。それが例えただの性欲処理だとしても、オレは構わないのに。それとも発情期じゃない男オメガの尻は濡れないから面倒なのだろうか。
多分、礼二さんは本当はオレになんて興味ないんだと思う。礼二さんは優しいから、事故の責任をただ取ってくれただけで、オレに対してそれ以上の感情を持っていないんだ、きっと。
だけど、オレは浅ましいから、礼二さんを求めてしまう。
ベッドから抜け出したとき、スマホが点滅していることに気づいた。
昨日の夜、礼二さんからメッセージが届いていたみたいだ。
アプリを立ち上げると「出張先で見た景色がキレイだったから今度は一緒に見たい。会いたい、愛してるよ」といった内容が綴られていた。こんなことをされたら、本当に愛されているんだと錯覚してしまいそうになる。
オレは返事をせずに、そっとスマホの画面を消した。
オレはとりあえずシャワーを浴びて、色んなもので汚れてしまった礼二さんの衣類を洗濯した。
だけど、オレの体液で汚しまくってしまったそれらを礼二さんに着てもらうわけにもいかないから、洗いあがったらこっそりと自分の部屋に隠しておこう。
もし礼二さんが気づいたら、新しいのを買って誤魔化そうと思った。
だけど、もうすぐ発情期なのはちゃんと言わなきゃならない。
次の発情期、礼二さんは一緒に過ごしてくれるだろうか。
オレは重い溜息を吐いた。
それなのに、土曜日も、リビングに礼二さんのジャケットが置いてあるのを見つけたオレは、それをオカズに自慰行為をした。まだ明るいうちからリビングで勝手に礼二さんの服をオカズにしてしまう背徳感をスパイスにして、オレの身体はあっさりと昂ってしまった。
だから、日曜日は無心で家事をした。最初は掃除をしようかと思ったのだけど、いまから発情期がくるなら、食べるものはいくらあっても困らないだろうからと、一日かけて作り置きをいっぱい用意した。
そして、その日の夜に礼二さんは帰ってきた。
「ただいま」
ソファに座っていたら、リビングに入ってきた礼二さんにぎゅって抱きしめられた。ふんわりと、礼二さんのフェロモンが香る。
「お、おかえりっ! ごはん、できてるから」
オレは礼二さんのフェロモンに反応してしまわないように、慌てて身体を離した。
「わぁ、ありがとう。作ってくれたんだ、嬉しいな。一緒に食べる?」
「もう食べたからいい! それと……オレは疲れたから、もう寝るっ!」
礼二さんが不在の間、疚しいことをしていた自覚のあるオレは、礼二さんの顔を見るのが気まずくて、早々に寝室に籠ってしまった。本当は会えない時間が寂しかったから、ぎゅってされて嬉しかったのに。
礼二さんが優しくしてくれればしてくれるほど、オレは可愛げのない反応をしてしまう。
「好きだよ、愛してる」って言ってもらえると内心ではすごく喜んでいるのに、恥ずかしいのと申し訳ない気持ちがごちゃまぜになってしまって、どうしても聞き流すような態度をとってしまう。
ただでさえオレは見た目も中身も可愛くないのに、こんなんじゃいつか愛想を尽かされてしまうかもしれない。
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