ポメガバって異世界転移したら、冷酷王子に飼われて溺愛されました

夏芽玉

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89.式典

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「グエナエル様、失礼いたします。そろそろお時間ですので、準備をお願いします」

 部屋のドアがノックされて、外からドニが声をかけてきた。

「わかった。すぐに支度をしよう」
「んー……グエンは今日はこんなに早くからお仕事なのかぁ……頑張ってね」

 オレは隣に居るグエンの頬にキスをする。
 昨日も夜遅くまでヤってた所為で、まだ眠い。いつもより早い時間のようだし、オレはもう少し寝ていても大丈夫だろう。
 グエンがベッドから出ると、オレは布団を鼻先まで被った。



 ロロから助け出された後、オレたちは一週間近く交わり続けた。
 媚薬はすぐに抜けたんだけど、どうやらその直後にオレは発情期になってしまったようだ。グエンと寝室に籠っている間中、イき続けたオレも大概だけど、オレに突っ込み続けたグエンも絶倫すぎじゃね?

 そんなにヤり続けたら、身体はボロボロになりそうなものなのに、腰の痛みも穴の痛みもヤった側から治癒されてしまったから、オレはただ快楽地獄に突き落とされただけだった。
 延々と終わらない快感に、オレは目が腫れるくらい泣かされて、声も枯れるくらい喘がされたんだけど、それもグエンに突っ込まれているうちに治ってしまった。
 それで調子に乗ったオレたちは、気が済むまでセックスしまくった。グエンの能力って便利なのかそうじゃないのか……

 セックスしまくったといっても、グエンが報告を受けたり、二人で軽く食事を取ったりというような休憩を挟むくらいの余裕はあった。その時、事の顛末を教えてもらった。


 ロロ・ドゥはルグミアンで指名手配中の人物だった。どうやら、あっちの偉い人の殺害に関わった疑いがあるらしい。
 それどころか、大陸間の個人的な行き来は禁止されているにもかかわらず、許可もなくこちら側に来ていた上に、ラグマットの王族にルグミアンの毒を使ったという罪も加わって、国際的に指名手配されることになった。
 といっても、こちらの大陸には魔法使いに対抗できる力を持つ人物が居ないので、ルグミアンから捜査員が派遣されるそうだ。

 そうそう。あの日、オレの王妃教育の講師としてやって来たのは王妃だったけれど、やっぱりグエンが頼んだことではなかったらしい。
 本物の講師が物置でグルグル巻きにされているのが見つかったので、グエンがオレを探したんだけど、そのときにはすでにオレは誘拐されていた。それで騎士たちを連れて助けに来てくれたんだ。あの娼館にジェレール王子が出入りしていたのを知っていたので、真っ先に調べに行ったら大正解だったというわけだ。

 王妃は北の離島にある修道院で生涯幽閉されることになった。オレ王太子妃に害をなそうとしただけでなく、ジェレール王子が関わっていないことのほとんどは王妃が犯人だった。ニコラの件も王妃の仕業だったそうだ。
 王妃の不在とスキャンダルによる王家のイメージ低下を防ぐため、オレは早急にグエンと結婚することになった。結婚式も近々執り行われるらしい。
 ここ数日は、その準備もあってグエンはとくに忙しそうだ。



「ショータも一緒だよ」
「うん……?」
「今日の式典には、ショータも出るから。さぁ、準備をして」

 オレはグエンの言葉にパチリと目を瞬かせた。
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