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88.発情*

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 唇を深く重ね、入り込んできた舌を絡め合って、ぢゅっぢゅっと音を立てて吸い合う。媚薬を飲まされてから随分時間が経っているというのに、身体の火照りは収まる気配がない。
 グエンの腕を使って自慰をして幾分かは熱を発散したつもりだったけれど、全然発散なんてできていなかった。火照った身体は、キスだけじゃ満たされない。直に触れ合う素肌から伝わってくる熱が嬉しくて、オレはグエンに抱き着いて身体全体を擦り付けてしまった。

「グエン……も、待ちきれない……」

 中の疼きをはやくどうにかして欲しくて、オレはキスの合間にグエンにねだった。
 ぐちゅりとグエンの指がオレの後ろに入り込んできて、中を掻き回す。その刺激だけで射精してしまいそうになったけれど、唇を噛んでなんとか堪える。それでもピクピクと身体が震えて、甘くイってしまうのは抑えられなかった。

「んぅっ……、もっとぉ……」

 指でクチュクチュと掻き回されるのも気持ちいいけれど、それだけじゃ全然足りない。

「こんなに柔らかくなってるけれど、あいつに何をされたの?」
「んんっ、なんにもされてなぁ……!!」

 指を二本に増やされて、オレの中がビクビクと震える。ああ、また射精さずにイってしまった。

「あいつの前で発情して、気持ち良くなったのか?」
「なってないっ!! グエンじゃなきゃヤだったからぁ……!! ロロに触られるのが嫌で、ポメラニアンの姿になったのぉ!!」

 まだイき足りなくて、自分で腰を振って、中をグエンの指に擦り付けてしまう。指じゃなくて、もっと太くて熱いので満たして欲しいのに……

「ねぇ、焦らしちゃヤだぁ……!! グエンのっ!! グエンの、早くちょぉだいぃ……!!」

 後ろをグエンに触られて、疼きが加速していく。我慢ができなくなったオレは、グエンのペニスに手を伸ばした。

「ねぇ、これで中をぐちゃぐちゃに掻き回して、グエンの精液をたっぷり注いで?」

 触れるとグエンのペニスもピクピクと震えた。オレは媚びるように上目遣いでグエンに訴えかける。
 オレの中からグエンの指が出て行くと、かわりに熱の塊を押し付けられた。

 あ、くる……

 そう思っただけで、オレのアナルはヒクヒクと震えて、グエンのペニスを中に誘い込もうとした。

「ふぁっ……あっ、あっ、ああ……!!」

 グエンのペニスがゆっくりと挿入はいってくる。
 ただそれだけの刺激で、オレは絶頂した。

「さっきから、ずっと射精さないでイってる? ショータ、気持ちいいんだ?」
「ひぃああああぁっ……!!」

 奥までグエンを受け入れた腹を撫でられて、それだけでオレはまたイった。

「媚薬を飲まされたから、セックスがしたくなったの?」
「違うっ!! グエンだから……!! グエンがいいのぉ……!! 媚薬がなくても、セックスするのはグエンだけだからぁ……」

 もう自分で何を言っているのかわからない。
 グエンは一番奥まで入ってきたのに、そのままじっと動かないで、ただオレの腹を撫でるだけだ。オレの中がグエンのペニスをきゅうきゅうと締めつけて、精をねだる。

「やだ、動いてぇ……!! グエンのでオレのこと、奥まで満たしてぇ……!!」

 グエンが動いてくれないから、もどかしさに耐えきれなくなってオレは自分で腰を振った。

「あっ、ああっ……」

 ぎこちない動きなのに中への刺激は気持ちが良くて、オレは自分の感じるところを一生懸命、擦り付けた。

「ショータ、気持ちいいね」
「やぁ……気持ちいいのが、足りないのぉ……!! もっと、もっとグエンが欲しいぃ……!!」

 腰の動かし方に慣れてきたオレは、だんだんと動きを大胆にしていく。

「一人で気持ち良くなってるショータは、可愛いな」
「やだぁ……!! グエンも一緒に気持ちよくなってぇ……!! オレのこと、好きにしてぇ!! グエンのことが好きだからぁ……!! オレのこと気持ち良くするのも、滅茶苦茶にするのも、グエンがいい……!! 全部、グエンじゃなきゃ、ヤだぁ……!!」
「一生、私の側に居てくれると誓ってくれる?」
「もう、絶対離れない……!! ずっと一緒に居るぅ……!!」
「約束だよ?」
「うんっ、うん……!! 約束するからぁ……!!」

 オレがそう言うと、グエンは一度腰を引いて入口ギリギリまで引き抜いたかと思うと、ドチュンと一番奥まで突き上げられた。

「アァーーーーーーーーーーーーーッ!!」

 オレはその刺激で、悲鳴みたいな声を上げながらペニスから精を吐き出した。

「ああぁああっ、んんっ、あっ、あぁっ、あっ、あっ……!!」

 オレがイき続けている間も、グエンは腰の動きを止めなかった。それでオレはイくのが止まらなくなる。

「や、ぁ……気持ちイイ……イイよぉ……!!」

 待ち望んでいた刺激を与えられて、オレはボロボロと涙を流した。

「グエン、好きっ……!! 好きぃ……!!」

 オレは手を伸ばして、グエンに抱きつく。
 一度好きと言ったら、その感情が溢れて止まらなくなった。それに、好きと言うたびに気持ち良さが増していく気がする。

「あぁっ!! ……好き!! ……好きだよ、グエン」
「私も、ショータのことを愛しているよ」

 唇を深く合わせたら、胎の奥でグエンの熱が弾けたのを感じた。



「……身体の疼きは収まったか?」

 しばらく二人で熱を分け合っていたけれど、それが収まった頃、グエンが身体を起こした。オレの中から出ていこうとしたので、慌てて両脚でグエンの腰を捕まえる。

「もっと……もっと、シて欲し……」

 グエンに精液を注がれたら、それですぐに媚薬の効果はなくなるかと思っていたけれど、全然身体の疼きはおさまらない。それよりも、中でグエンを感じてしまったら、もっともっと、グエンが欲しくなった。理性なんか吹っ飛ばして、ただ愛を感じながら獣みたいに交わりたい。オレの身体はグエンのことを貪欲に求めていた。

「グエンの、もっとちょーだい?」

 甘えたように言うと、グエンのペニスがオレの中でグンと大きくなった。

 それから、オレたちは気が済むまでお互いを貪り続けたのだった。
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