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31.恋人

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 グエンにズボンの上からチンコを撫でられて、その衝撃発言との合わせ技で、危うく射精しそうになった。ほんとにもう、この身体はいったいどーなっちゃってんだ!?

「私が脱いだら、ビジュも脱ぐか?」
「だからなんで脱ぐ必要があるの!?」

 オレは少しでも肌が隠せるように、ブラウスの前をぎゅっと握りしめた。

 ああ、もう。こんな押し問答なんてしていないで、早く思いっきりチンコを扱きたいのに!!

「せっかくスるなら脱いだほうがいいだろう?」
「だから、何を!?」
「セックスだ」
「はああぁぁ……っ!!??」

 どうして話がそこまで飛躍した!?
 ムラムラなんて自慰で射精せば収まるじゃないか。

「恋人との愛を確かめ合うのには、身体を重ねるのが有効だと聞いたことがある」
「そんなことしないし!!」

 ていうか、そもそもグエンと恋人同士になったって、オレは認めてないし!!

「何故? せっかく発情期が来ているのに?」
「だから、その発情期ってなにっ!?」

 この状況はなんかおかしいって思ってるのに、そんなのは関係ないと言わんばかりにオレの身体はものすごくムラムラしているし、さっき触られたチンコは今にも爆発しそうなくらいジンジンしている。確かにこれが発情期だと言われれば、そうかもしれないという気にはなってきてしまった。

 だけど、なんでそれがグエンとセックスすることになっちゃうの!?

「真実の愛が伝わった後、異世界から来たものは発情期を迎えるので、それを収めるには恋人とのセックスが効果的だと……」

 いやいやいやいや。なんで文献にそんなことまで書いてあんの!? グエンが読んだのって、実は古い文献なんかじゃなくて、官能小説か何かの間違いじゃないの!? そこに書いてあったのは、実際にあった出来事じゃなくて、たまたま奇跡的に現状が一致しちゃっただけの誰かが悪戯に書いた創作話なんじゃないの!?

 そんなことを考えている間に、いつの間にかグエンはベッドの上で全裸になっていた。
 その身体を見て、オレはゴクリと唾を飲み込んだ。うっすらと筋肉をまとった均整の取れたオレ好みの身体が目の前にある。

「やはりビジュは私の身体が好きなようだな」

 うっかりガン見してしまっていたオレに、グエンは言った。

「や、やだ……セックスはしない……」

 そう言ったけれど、やっぱりその身体から視線を逸らすことはできなかった。

「何故? 私の愛はビジュに届いたんだろう? 人の姿に戻れたのだから」

 そもそもそれが誤解なんだって、言わなきゃいけないのに、上手く言葉が出てこない。
 視線を下げたら、グエンの陰茎が視界に入ってしまった。どうしてだかわからないけど、グエンのチンコは臨戦態勢に入っていた。
 ねえなんでどうしてそこがおっきくなっちゃってるの!?

「だって、オレ……本当にグエンのことが好きかどうかわからないし……」

 確かにオレはグエンに好意を持っている。だけど、それは恋愛感情ではないと思うし、少なくとも性欲を伴う好きではないハズだ。
 そう思っているのに、オレはグエンの下肢を凝視したまま、視線を外せないでいる。グエンのチンコを見ているだけで、どんどん身体が熱くなっていく。

「身体から始まる関係でも構わない」

 グエンの言葉にオレは首を横に振る。

「発情期のせいだから仕方ないと思えばいい」
「で、でも……セックスするのは嫌」

 早くこのムラムラをどうにかしたいとは思ったけれど、好きかどうかわからないまま、発情期のためだけにグエンと身体を重ねるのは嫌だった。
 チンコをガン見しながらそんなこと言ったって全然説得力なんてなかっただろうけど……

「……わかった、セックスはしない。ビジュの身体を楽にするだけだから、気持ちいいことだけ考えていろ」

 その甘い言葉に、オレは頷いてしまったのだった。
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