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26.禁書庫
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ピアスをつけているオレの方が、ジェレール王子より身分は上だって!?
「え、それはいったい……」
どういうことかと聞こうと思ったら、すでにグエナエル王子は歩き出してしまっていた。
置いていかれないように、慌ててオレもついていく。
結局、その後すぐに目的地に着いてしまったので、ピアスのことを聞きそびれてしまった。
ポメラニアンの姿のときは、人の話を聞きながらなんとなく状況を察することしかできなかったから、聞きたいことは他にもたくさんある。
でも、せっかくここまで来たんだから、まずはグエナエル王子の言っていた文献をしっかり読もう。
サロンのような場所の奥にある細い通路を通り抜けると、その先に目的の場所が現れた。
「ここは……?」
「書庫室だ。禁書庫はこの奥にある」
木でできた重厚なドアを開けると、その部屋には沢山の本棚が並べられていた。図書館特有の匂いは、どの世界でも一緒なんだなと妙なところで感心する。
入り口から入ってすぐのところにカウンターのような場所があって、そこに中年の男性が座っていた。司書さんのようだ。彼はグエナエル王子の姿に気づくと会釈で挨拶した。
「禁書庫の鍵を借りたい」
「そちらの方は……」
カウンター内に座っている男性にグエナエル王子が声を掛けた。
「彼も一緒だ」
「……かしこまりました」
男性はオレの右耳についたピアスに気づいたようで、ハッとした表情をしてそう言った。
「必要な時は、いつでもお声がけください」
「は、はいっ!!」
一度席を外した男性が鍵を手にして戻って来た。その鍵をグエナエル王子に渡しながら、彼はオレに向かってそう言った。
どうやらこのピアスをしていれば、禁書庫に入ることもできるらしい。グエナエル王子から貰ったときは、ちょっと高価な宝石がついたピアスくらいにしか思っていなかったんだけど、このピアスにはオレが思っている以上の意味があるようだ。
グエナエル王子は鍵を受け取ってすぐに禁書庫に向かってしまったので、慌てて後を追う。
書庫室の奥には小さなドアがあって、それを開けると短い階段が現れた。下まで降りると、右手にある扉を先ほど受け取った鍵を使って王子が開いた。
禁書庫は細長い形をしていて、左右の壁に備え付けられた天井と同じ高さの本棚にはぎっしりと書物が詰まっていた。
突き当りの壁のやや高い場所に鉄格子の嵌った大きな窓があり、その正面に机とイスが置いてある。
「ここには、王家の歴史にかかわるものや貴重な資料などが収められている」
隠し部屋っぽいのが物珍しくて、キョロキョロと室内を見回していたら、グエナエル王子がそう教えてくれた。
「あ、あの……それで、さっき言ってた文献っていうのは……」
「座って待っていろ」
そう言われて窓辺の椅子に腰を下ろすと、グエナエル王子がオレの前に一冊の本を置いた。
「持ち出すことはできないので、ここで読んでくれ」
目の前にあるのは学校で使うノートよりも一回り小さいくらいの大きさの本だった。かなり古びていて、乱雑に扱ったら崩れてしまいそうだ。表紙は青とも緑ともつかない不思議な色をしていて、紐で綴じられている。
オレはその本を手に取ると、恐る恐る表紙を捲った。
「え、それはいったい……」
どういうことかと聞こうと思ったら、すでにグエナエル王子は歩き出してしまっていた。
置いていかれないように、慌ててオレもついていく。
結局、その後すぐに目的地に着いてしまったので、ピアスのことを聞きそびれてしまった。
ポメラニアンの姿のときは、人の話を聞きながらなんとなく状況を察することしかできなかったから、聞きたいことは他にもたくさんある。
でも、せっかくここまで来たんだから、まずはグエナエル王子の言っていた文献をしっかり読もう。
サロンのような場所の奥にある細い通路を通り抜けると、その先に目的の場所が現れた。
「ここは……?」
「書庫室だ。禁書庫はこの奥にある」
木でできた重厚なドアを開けると、その部屋には沢山の本棚が並べられていた。図書館特有の匂いは、どの世界でも一緒なんだなと妙なところで感心する。
入り口から入ってすぐのところにカウンターのような場所があって、そこに中年の男性が座っていた。司書さんのようだ。彼はグエナエル王子の姿に気づくと会釈で挨拶した。
「禁書庫の鍵を借りたい」
「そちらの方は……」
カウンター内に座っている男性にグエナエル王子が声を掛けた。
「彼も一緒だ」
「……かしこまりました」
男性はオレの右耳についたピアスに気づいたようで、ハッとした表情をしてそう言った。
「必要な時は、いつでもお声がけください」
「は、はいっ!!」
一度席を外した男性が鍵を手にして戻って来た。その鍵をグエナエル王子に渡しながら、彼はオレに向かってそう言った。
どうやらこのピアスをしていれば、禁書庫に入ることもできるらしい。グエナエル王子から貰ったときは、ちょっと高価な宝石がついたピアスくらいにしか思っていなかったんだけど、このピアスにはオレが思っている以上の意味があるようだ。
グエナエル王子は鍵を受け取ってすぐに禁書庫に向かってしまったので、慌てて後を追う。
書庫室の奥には小さなドアがあって、それを開けると短い階段が現れた。下まで降りると、右手にある扉を先ほど受け取った鍵を使って王子が開いた。
禁書庫は細長い形をしていて、左右の壁に備え付けられた天井と同じ高さの本棚にはぎっしりと書物が詰まっていた。
突き当りの壁のやや高い場所に鉄格子の嵌った大きな窓があり、その正面に机とイスが置いてある。
「ここには、王家の歴史にかかわるものや貴重な資料などが収められている」
隠し部屋っぽいのが物珍しくて、キョロキョロと室内を見回していたら、グエナエル王子がそう教えてくれた。
「あ、あの……それで、さっき言ってた文献っていうのは……」
「座って待っていろ」
そう言われて窓辺の椅子に腰を下ろすと、グエナエル王子がオレの前に一冊の本を置いた。
「持ち出すことはできないので、ここで読んでくれ」
目の前にあるのは学校で使うノートよりも一回り小さいくらいの大きさの本だった。かなり古びていて、乱雑に扱ったら崩れてしまいそうだ。表紙は青とも緑ともつかない不思議な色をしていて、紐で綴じられている。
オレはその本を手に取ると、恐る恐る表紙を捲った。
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