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第239死 掃除のちお握り
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群がる獣の群れはカラフルに塵と散る。ジッパーから放出されていく敵を数多のカードを使いクリーンアップ。
ヒートアップする戦闘に汗だくる企み含む笑みで、その男は際限なくカードを切り続けた。
この巨大機獣ヨウサイの中はシンプルで殺風景な広大なスペースを誇る。意気揚々と敵の庭へと侵入してしまったのならば、迷い込んだ者に対して理不尽な現象というモノがこの限られたスペースの中では現世のルール無視に起きてもおかしくはない。
「さすがに疲れたでしょ君、どんなトリックか知らないけどこの世に魔法やスキルがあってもルール無視の無限のチカラはないんだよ! 君の程度は少し他より高いようだけどそろそろヤスメ!」
「てめぇは無限に湧いてくるようだがなチリゴミオカマ」
「あっは! もう勘弁してよ。僕だってアレ程の美品であるJKストックはあまりないんだからね傷付けられると困るんだよ僕を」
先刻、ズタボロになったダルメシアンの人形を仕舞いジッパーから現れたのはもう1人のJKムジン。またもよくわからない柄のツナギを着ているが、さっきと違い赤髪のおさげ。顔の造形もソバカスが増え鼻も先程より高い、声質も僅かに違うものだ戦闘中であるがそのハッキリとした違和感を掃除屋は見抜いていた。
「後何体殺せばその汚ねぇジッパーは噛み壊れて黙るんだ」
「さぁね、でも君はさやっぱ王獣レベルじゃないときっついよねーーっわざわざ僕のスペースに入り込んでまで挑戦するだけあるよあははははでは♡敬意を表して大開放ーーっ!」
両手が鳴らす合図とともに色付きジッパーを開放していく。
「ミギくんヒダリくんウエくんシタちゃん、さぁいけ! 元気な小象くんに噛みつき返せ!」
ミギから四足で走る重戦車が登場、カバの王獣芝生色のシバ。
ヒダリ床下から大口をあけ強襲、鰐の王獣緋色のデスキングワニゲーター。
ウエから羽ばたけず急降下、ダチョウの王獣桜色のシチョウ。
シタから聳え立ち激しく打ち付けるその長首ノ粉砕鞭ハンマー、麒麟の王獣銀色のキシリン。
お気に入りの王獣を大開放。
四方のジッパーから排出された高レベルモンスターの牙爪を避ける黒翼は──裂ける。墜落するそのサダメには。
よぎる敗北の文字────
強かなこの男には、そんな文字など。
戦闘中ずっと思考の隅で試していた手に入れたモノをメインコンピュータで熟考し閃きうなずき、やがて理解してワラう。
信じているのは悪運ではない、その男のアタマに過ぎる事などありはしない。
刻んだのは回転するデスヨーヨーノズル。
斬り裂いたのは手にした名刀黒蜜。
カバとワニはノコ棘が高速回転するデスヨーヨーをその大口にぶち込みズタズタにその大きな全長を突き進み一閃。
首を斬り裂いた黒い切れ味。ダチョウとキリンの細首など容易く落とし、一刀にて二頭両断。
鉄色の舞台へと再び立っていたのは二脚と1匹、倒れていたのは4体の王獣。
「やっぱり持つべきモノはモラルじゃねぇ。世の中真面目屋ノ掃除が追いつかねぇぐれぇよごれきってるからなぁ」
腰に両手を置いてその惨殺撃に拍手は無い、苦くため息JKムジン。
掃除機のノズルは一本ではない。宙に伸びるあやつる二本の鼻は、王猿を参考にしてグレードアップさせたデスヨーヨーノズル。そして主人の握るノズルは美しい黒い刀身、名刀のノズル黒蜜。
コートカード、それはブラックエデンとこの男の知らない未知の領域。それはまさにモラル無しの冒険。
「さぁて、ここからは挑戦に代わって冒険だ。ってか? カッカッカっかっか」
王獣4体では戦いの中で際限なく進化し続けるこの男は止められやしない。
▼▼▼
▽▽▽
戦いの雰囲気はどこへやら、命のやり取りそこに隙などあったのだろうか、敵と味方が設けられた謎のインターバルに握り飯を食うなどおかしな事だ。
▼コロッセウム(ブロック)▼
「ぶぇっぶぇええあ!!! ──ッおい草メガネ何入れやがった!!! んだこれ不味すぎる死んでこい!」
「ふふふふふひどいですねぇ! 花々しいパンジービオラの甘酢漬けと王道の美しい食材お鮭さんですよぉー、彩りエイヨウ華やかでしょ? 知ってました?」
「いっぺん自分で食って死んでこい! シャケだけをよこせ馬鹿が!」
「やはり男子は怒りっぽいですねぇ花を愛でる心と色彩不足です、ふふふふふふ、知ってたけど」
「はふほふうまうまうみゃ、おっ! おっかかぁ~!!!」
「てめぇよこせぇおっカカァァァ」
空腹それは死活問題。どうせ満たすのであれば質の良い味の良いものをヒトは求めてしまう。豊かな時代、飢餓に訪れる死を美味しく回避する必要があるのだ。
「戦争に投げ入れられるおにぎりタイムがあるとは聞かされていなかったねぇ……なんだこれ、甘い……そしてしっている……金・平・糖・味?」
「お侍様すみません!!! ──あぁっ!!!」
カラフルにガリっと苦笑い。彼女の緊張感あふれるその大音量も時既に遅し────
追いかけるおかかと爆発する握り飯。敵と味方、ニコニコとわらう蔓眼鏡の女とあせあせと握るサムライガールの外野から投げ入れられた独創性溢れる丸い握り飯は当たりハズレが激しいようだ。
ヒートアップする戦闘に汗だくる企み含む笑みで、その男は際限なくカードを切り続けた。
この巨大機獣ヨウサイの中はシンプルで殺風景な広大なスペースを誇る。意気揚々と敵の庭へと侵入してしまったのならば、迷い込んだ者に対して理不尽な現象というモノがこの限られたスペースの中では現世のルール無視に起きてもおかしくはない。
「さすがに疲れたでしょ君、どんなトリックか知らないけどこの世に魔法やスキルがあってもルール無視の無限のチカラはないんだよ! 君の程度は少し他より高いようだけどそろそろヤスメ!」
「てめぇは無限に湧いてくるようだがなチリゴミオカマ」
「あっは! もう勘弁してよ。僕だってアレ程の美品であるJKストックはあまりないんだからね傷付けられると困るんだよ僕を」
先刻、ズタボロになったダルメシアンの人形を仕舞いジッパーから現れたのはもう1人のJKムジン。またもよくわからない柄のツナギを着ているが、さっきと違い赤髪のおさげ。顔の造形もソバカスが増え鼻も先程より高い、声質も僅かに違うものだ戦闘中であるがそのハッキリとした違和感を掃除屋は見抜いていた。
「後何体殺せばその汚ねぇジッパーは噛み壊れて黙るんだ」
「さぁね、でも君はさやっぱ王獣レベルじゃないときっついよねーーっわざわざ僕のスペースに入り込んでまで挑戦するだけあるよあははははでは♡敬意を表して大開放ーーっ!」
両手が鳴らす合図とともに色付きジッパーを開放していく。
「ミギくんヒダリくんウエくんシタちゃん、さぁいけ! 元気な小象くんに噛みつき返せ!」
ミギから四足で走る重戦車が登場、カバの王獣芝生色のシバ。
ヒダリ床下から大口をあけ強襲、鰐の王獣緋色のデスキングワニゲーター。
ウエから羽ばたけず急降下、ダチョウの王獣桜色のシチョウ。
シタから聳え立ち激しく打ち付けるその長首ノ粉砕鞭ハンマー、麒麟の王獣銀色のキシリン。
お気に入りの王獣を大開放。
四方のジッパーから排出された高レベルモンスターの牙爪を避ける黒翼は──裂ける。墜落するそのサダメには。
よぎる敗北の文字────
強かなこの男には、そんな文字など。
戦闘中ずっと思考の隅で試していた手に入れたモノをメインコンピュータで熟考し閃きうなずき、やがて理解してワラう。
信じているのは悪運ではない、その男のアタマに過ぎる事などありはしない。
刻んだのは回転するデスヨーヨーノズル。
斬り裂いたのは手にした名刀黒蜜。
カバとワニはノコ棘が高速回転するデスヨーヨーをその大口にぶち込みズタズタにその大きな全長を突き進み一閃。
首を斬り裂いた黒い切れ味。ダチョウとキリンの細首など容易く落とし、一刀にて二頭両断。
鉄色の舞台へと再び立っていたのは二脚と1匹、倒れていたのは4体の王獣。
「やっぱり持つべきモノはモラルじゃねぇ。世の中真面目屋ノ掃除が追いつかねぇぐれぇよごれきってるからなぁ」
腰に両手を置いてその惨殺撃に拍手は無い、苦くため息JKムジン。
掃除機のノズルは一本ではない。宙に伸びるあやつる二本の鼻は、王猿を参考にしてグレードアップさせたデスヨーヨーノズル。そして主人の握るノズルは美しい黒い刀身、名刀のノズル黒蜜。
コートカード、それはブラックエデンとこの男の知らない未知の領域。それはまさにモラル無しの冒険。
「さぁて、ここからは挑戦に代わって冒険だ。ってか? カッカッカっかっか」
王獣4体では戦いの中で際限なく進化し続けるこの男は止められやしない。
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戦いの雰囲気はどこへやら、命のやり取りそこに隙などあったのだろうか、敵と味方が設けられた謎のインターバルに握り飯を食うなどおかしな事だ。
▼コロッセウム(ブロック)▼
「ぶぇっぶぇええあ!!! ──ッおい草メガネ何入れやがった!!! んだこれ不味すぎる死んでこい!」
「ふふふふふひどいですねぇ! 花々しいパンジービオラの甘酢漬けと王道の美しい食材お鮭さんですよぉー、彩りエイヨウ華やかでしょ? 知ってました?」
「いっぺん自分で食って死んでこい! シャケだけをよこせ馬鹿が!」
「やはり男子は怒りっぽいですねぇ花を愛でる心と色彩不足です、ふふふふふふ、知ってたけど」
「はふほふうまうまうみゃ、おっ! おっかかぁ~!!!」
「てめぇよこせぇおっカカァァァ」
空腹それは死活問題。どうせ満たすのであれば質の良い味の良いものをヒトは求めてしまう。豊かな時代、飢餓に訪れる死を美味しく回避する必要があるのだ。
「戦争に投げ入れられるおにぎりタイムがあるとは聞かされていなかったねぇ……なんだこれ、甘い……そしてしっている……金・平・糖・味?」
「お侍様すみません!!! ──あぁっ!!!」
カラフルにガリっと苦笑い。彼女の緊張感あふれるその大音量も時既に遅し────
追いかけるおかかと爆発する握り飯。敵と味方、ニコニコとわらう蔓眼鏡の女とあせあせと握るサムライガールの外野から投げ入れられた独創性溢れる丸い握り飯は当たりハズレが激しいようだ。
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