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第115死 丘パのその後⑥ ホトプレ: 葬儀屋: オーバー未惇:

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 黒くボロいソファーと食卓を挟む、突っ立った2人と楽に腰掛けた1人、3人の位置関係で分かり合うための雑談はつづいている。

「俺が死んだから葬儀屋が待機……」

「はいそう……ですね。もろもろの代わりにと言いますか……」

「ホトプレ青年、つまりキミはあっちで勝手に死んだしんだ詐欺してたから諸々勝手に手続きしてえ坊さん呼んでえ丘パの記事にしてえ、パパッと、骨までしゃぶしゃぶってね! ここまでが死のダンジョン、ってね!」

「…………なんですかそれ……。……俺のためにわざわざそんなのってあるんですか?」

「あるよあるぅ! 日本は手厚いよぉ、私も若かりし頃は死んじまった死鳥舎のお宅でごべんなざああいって嘘泣きしたんだからね!」

「あると、いうか……ん……言いますか。ドッツさんのサービスの一部と言いますかユチャ……はい外注の葬儀屋で雑務係といった感じで仕事させてもらってます」

「葬儀屋で、ざ、雑務……ドッツ?」

「ドッツってのはね! 私が悪の女幹部やってる死のダンジョンのやっべぇ組織だよ! べらぼぅに邪魔な白服の職員をわたしが帰らせてあげたのさぁ! 感謝して?」

「……なるほど……それは感謝します、ぅ? でも俺ちゃんと何かを報告しないとダメなんじゃ?」

「あー、いいのいいのオーバー未惇だよ?」

「……オーバー2トン?」

「だれがクソ豚ブルドーザーじゃい!! えっ、えっ、知らない!? うそおおくっそ超人気クール系美少女JK吐い信者なんですが!!」

「……すみません。俺グロいのとか欠損とかゾンビものとか苦手で死のダンジョンは興味あったんすけど人が死ぬショッキングを記憶したくなくて見なくなっちゃって……実は一切シャットアウトしてて……ほんとあの俺はなんだったんだろう……反省してます」

「いやいやそんな繊細な乙女ハートであんなに寵愛チートでバトってたの!? メンタルの成長具合おかしいでしょ?」

「私も欠損とゾンビは嫌悪感ですね、臭いし葬儀屋ですし死んだなら化粧の時にじっとして欲しいこわいから、最近は自由もいきすぎて裏のサービスですが土葬も選べますし日本にもゾンビが増えるかも」

「そうなんですか! やだなぁ……ですよね……俺なんかゾンビって、うわでも葬儀屋って具体的に何を? 俺って死んでたらどういう風に弔ってたんですか?」

「えっとですねはい! 実は私、葬儀屋で諸々の雑務という即断プランニング担当の下拵えでその後はちゃんとしたお暇なお坊さんにバトンタッチということですが僧侶に厳格な資格は必要ないですが最近ではちゃんとしたインスタントな資格もあって、【小さなお坊さん】というお坊さん格安派遣サービスにも私自身属してまして。大きいらしいですけど」

 長身の黒スーツでホワイトブロンドのショート。そんな容姿の女性が長々と発したお話に傾聴していた青年はつい最後には吹き出してしまい。

「あははっ、いやちょっと……ごめんなさい! なんか大きい女性ってつい最近のことなのでなんか……ははごめんなさい!!」

「いえいえ、これじっさいに笑われて本当困り事ですので。私それ以来は」

「葬儀屋のその話つづくのかな!? オーバー未惇だよっ!! そこそこの美少女の出迎えを青年が数分放置だよ!? って死のダンジョンから帰ってきてその話は広げる必要ないってば!」

「そ、それもそうっすね……なんか俺ひどく混乱してヘンに高揚してたみたいです……」

「……いえいえ……」

 自称クール系美少女の冷静な突っ込みに、青年と葬儀屋はハッとし申し訳なさげに目を見合わせて軽く頭を下げた、それ以上の葬儀屋話は中断され無駄に広がる予感は消え去った。

「あそだ冷蔵庫にジュースあるよホトプレ! 取って来て!」

「ハイ!! って俺ん……ありがとうございます!」

 とにかくジュースを飲んで落ち着こう──氷をべらぼぅに入れてと注文され、グラスを3つ用意、冷蔵庫から取り出したスカッとしたレモン色を注いでいく。
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