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33♡理想と保険

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死なず踊る雷剣と水剣、骨の兵隊をスベテ砕けど序ノ口、
妖しい骨身がキシキシと疼き興が乗ってきたところ、

この荒野のステージに立つ各々の天秤は誰もその細部カタチまでを計り知れないが、たたかいの火花は激しさを増しどちらかにじりじりと傾いていく。


「ほぉなかなか鍛えた剣士と見慣れないなかなかしなやかないい剣だその剣は美しいな、ハッハッハしかしいたよ貴様のようなヤツが1000人は」

「…なんだと! (こいつは剣士…それも簡単には食い破れない達人の域)」

天秤は鍔迫り合う。とてつもなく速い水流を纏う秘刀と紫のオーラを孕む妖刀はぶつかりあい、

褐色の肌、目尻の高く鋭いダークガーネットの瞳は……ニヤリと細めて微笑っている。

煌びやかな金の刺繍が施された黒ローブを纏う、厳かで妖しい呪術師のような衣装は剣士には見えない。しかし、その力はオーラだけでは片付けられない…たしかに凄腕の剣士であるとしか言えない剣の腕をして、ムスイの剣と噛み合っていた。

「剣士はどいつも己の剣なら我に勝てると思い上がる、しかし貴様らはその強く無駄な剣を捨てたことはないだろうふふふ心骨数千年の暇つぶしには及ばないなあああ!」

紫色のオーラはさらに燃え上がるように高まり、ムスイはそれに気を取られた。

ゆったりとした黒ローブの袖口から不意に伸びたもうひとつの隠された白刃に、なんとか刀は反応。
とてつもない膂力に耐えきれずしなる刀とともに彼方へと弾き飛ばされた。

赤髪が吹き飛ばされたその瞬間、雷光はバチりと一瞬光り、瞬く間にツルギは喉元まで到達した。

突き刺さらん切先は、予め右手首に仕込まれていたかのように伸びた白く幅の広いボーンソードに阻まれた。

「【ボーンソード】…アソブ雷獣も結局はそのような形にとらわれる、生きた肉どもはどれも勘違いをする。命の距離がまだまだ遠い、だから遅い!!! かるいいいぃい!!!」

弾き返された雷剣は宙返りしながら途中加速、

不意を突く再度の【爆雷斬】も、
立ち上がり仕掛けた【無剣流水】も、

白く太いボーンソードはビキビキとひび割れ猛攻の二太刀に削ぎ落とされた。

「ハッハッハ…肉どもが!!!」

しかし一本を取った──そこまで。
阻むもう片方のボーンソードは赤と青をまとめて薙ぎ払った。


「では約束通りの時間切れだ、ふふふ若くて不味いだけの肉には死をくれてやる用もない。我々はシーズ、悪の種を孕み悪を嗜むモノ、そして我はボーンクイーン。ではな、その程度で傾くスカスカと軽々しい己の天秤を知れハッハッハ」


骨で組まれた鳥籠にネムリ囚われたのは……緑のブレザー姿の1人の青年。
ボーンクイーンを背に乗せた骨獣プテラノドンの鉤爪は、鳥籠を引っ掛け、ぶら下げ、暗雲のむこうへと飛んでいく。

漆黒のロングヘアーに厳かな黒ローブ、端正な褐色肌に鋭く赤い瞳。
ボーンクイーンは此度のたたかいの戦利品の肉を持ち帰り、空高いどこかへと消えていった。

「カイト生徒おおお!!!!!」

「チッ、こいつは!!!」

荒野に乱れ咲く太い骨草の置き土産にはばまれて、其処にはたどり着けない。

幾度も鍔迫り合い敗北を喫した2人の剣士に、とどかぬチカラと年季の差を魅せつけ知らしめるように──
手を伸ばせど刀をいくら強くいまさら握れど、悪は遠ざかっていく。


緑蜜高校ダンジョン部の雷夏、ムスイ、楽天海都が挑んだこの日のダンジョンは──

見開いた瞳を潤ませるどしゃぶりの暗雲。

敗北は天高く舞い上がり、ふたりの剣士の心が地に落ち着くことはなかった……。









▼▼
▽▽








「あーー、で、おめおめ毛布くんを連れ去られておめーらは逃げてきたと、はは、」

いつもの黒パジャマを着た素足の元に、正座する赤と青の大人の女性が2人いる。


▽部室ビーチ▽にて


「「……そうだ」」


赤と青の情けないセットは、灼ける砂の上で膝をついたまま情けない声をそろえた。


「なんということでぇーす…フタリソロテしんじられませぇーん、ミソコナイマシテヨ」

居合わせていた金髪外国人もあまりのことに耳にかけていたグラサンを鼻からずり下げながら、2人を見下し表情は驚き落胆するしかなかった。

「んやんやいやッ!!! でも絶対に取り返──」

「あー、いまごろ死んでたらどすんの、はは、」

「ち、ちがうぞド神子そんな訳はない!!! アイツはそんな感じの極悪じゃなくそれに関してはこの夏ちゃ──」

「はは、負けた敵を褒めてどすんの、はは、」

「ナッちゃんダンジョンは甘くないでぇーす、ソナしゃべるてきがいたら希望はサイショゲンにとどめてココロしておくべきでぇーす」

「ちがう海都は鳥籠に丁重に囚われていた、ということは海都にそれだけの価値があるということ……私も雷夏に同意だ。ヤツは剣を暇つぶしと言っていた単純な性格ではなさそうだ、それにRPGでは攫われた姫は──」

「負けたヤツが何言ってんの、はは、その場でソイツ斬ったらイチバンはぁやいんだわ、なんでしなかったの、はは?」

首筋をとんとんと叩きあそばせていた珊瑚柄の剣は、頭が高い反論に勤しむ敗れた剣士たちにそれぞれ…その剣の切先を指差すように向けた。
怒るときに表情は怒らず、いつものようにのらりくらり表面上ワラうものほど怖いものはいない。


「「…………」」


押し黙り正座は維持、取り返しのつかない大チョンボを犯した赤と青は最大限の情けなさと屈辱を与えられつづけている。

はぁ、とため息混じりにセリーもまたド神子のごもっともな正論とゆるい叱責に同調した。

「ドミィにどういでぇーす…さすがにひどいでぇす、ナツとムゥふたりでデス級はセリーの買い被りでしたぁー、今のワタシでもなさけなぁいみすぼらしぃアポンたんなふたりは余裕で勝てまー」


離れ心配そうに見守るイザベラ・ゴールドも、一本あるヤシの木にもたれかかり横向き顎に手をやり考え込むシデン・レイラも、うんうんと頷いた。

ここにいる大人たちは皆、俯き頭のいっそう低くなった赤と青を責める。

とてつもない失態である、挑んだダンジョンで見事返り討ちに合い敵と思われる得体の知れない者に部の生徒を堂々と連れ去られた。
それも大人である2人だけは五体満足で自陣へと帰り……。


しかしどこか、ここにいる誰もがこのような未来がこんなに早く来ることを想像はできていなかった。

どんよりと俯いたムードに──


「やぁ小焼けちゃんたち、日が沈みそうな表情でどうしたんだい」


「み、ミッチー校長……?」


頭をかかえながら俯く、──ふとオモテをあげた。
落ち込んだ赤目に映るのは、爽やかな笑顔と爽やかな声。
黒いネクタイを必要以上にただしながら背筋を伸ばし暗雲のムードに歩み寄る、黒いスーツをバッチリと着込んだこの学校の絶対的王子様であった。





きちんとした喪服にしては……
すっかり独り占めした時間と空気と視線に、披露されたのは爽やかな王子様の笑顔。

「夏風の事情はそよ風にきかせてもらったよ、──はい★」

「──あー、なに? はは、くれるの?」

王子から投げられたちいさなキラキラはド神子の手の中に収まった。

「キラキラな理想には保険が必要だからね、そのバッジが輝くかぎり──じゃ、シンリョクシーユー」

ナイスコントロール、
華麗なサイドスローで特別なプレゼントをし終え。
爽やかに髪をかきあげながらターン、颯爽と現れた校長はそれだけで砂浜を歩き帰って行った。


明るい太陽に照らされる、キラキラは人差しと親指の間に輝いている。
片目を閉じよーくにらみつけ覗き込んでも、ド神子には意味深な言葉の意味をあまり読み取れない。
しかし、すぐに何かに気付き微笑んだ。

「見せてくださぁーい、(──このオーラ?)わお、これはアレですね…博士が引き継いだ研究ですねぇーー! 生命バッジ」

「──! ほんとだ。このオーラは……うん! かっ回復オーラは……めちゃくちゃ貴重だから、そのしゃべる骨がいたら人体実験されてるだけで済んでいるかも……だけ……」

密着したセリーはド神子の指の間に光る校章バッジをよーくみた。
イザベラもそっと近付き、目に光をやどす。
それがWASAで自分たちも使っている生存を表す希少な……2個で1つの【生命バッジ】と同種のものだと気付いた。

どんなに離れた場所でも片方の変化した性質を同じように引き継ぎ反映する、他に名付けるとするならば双子石という言葉がピッタリである。
ダンジョンのチップと地球の特殊な鉱石を混ぜ合わせ加工した非常に希少なものであり、現在はマリア・アケチ博士がその友人の研究を引き継いでいる。


つまり────


「よおおおおおおし緑蜜の絶対的校長ミッチーがいうなら絶対的にだいじょおおおおおおおぶ!!! よーし、よしよしッッ今すぐもう一度ダンジョンに乗り込むぞおおおムゥちゃん! この夏ちゃんのダンジョンが倒すべきアイツに導いてくれるはず!!!」

「あぁ、当然だ! あのボーンクイーンは私が倒す! 骨が剣と分かればびっくり技はもう喰らわない幾らでもやりようはある、一世イチ──」

急に強大なエネルギーを得たように勇ましく立ち上がった赤と青の2人は、闘志しかない熱いお互いの目を見合わせた。

「待ちなよ」

当主代行の放った鋭い一言に、2人して振り向き目を合わせた。

「とりあえずこのままじゃぜったい返り討ちだから2人は修行、」

借りてきた猫のように大人しくなっている、赤猫青猫にゆっくりと飼い主は近付いていく。

「はい、」
「はい、」

そして次々と握手。

「いちからじゅーよりぎゅー、──握手だけに、」


「当主代行なにを……これは…」

「な、なな夏ちゃん…これは…アレ? ────」


おえらい当主代行モードのド神子に握手されトツゼンにうけとった手のひらの奇妙な感触を、神牙流の剣士は各々ぽかんと口を開けながら…また口を結ぶ。集中しないと今にもかき消えて掴み損ねてしまうようなあやふやな心の設計図を睨めっこをしながら…────


「──行くよ! 行きたいひとーーっ、それ夏休みの宿題だから終わるまで戦力外、絶対的ににかい負けに来ないでね、はは、」

これまた急にド神子は雷夏とムスイの代わりにメンバーを募集しだした。さっきまでダンジョンに乗り込もうと鼻息荒く意気揚々だった2人に戦力外通告をさらっと告げて。

呼びかけるおどけた平坦声とキョロキョロと見回す視線に、周囲の人々は反応した。

「セリー、愛しのカイトボーイのためにいきたいのはやまやままー。日曜日のせいひちゅに服がほつれててはすこし今日は調子が悪いでぇーす。ソデスネシカシィ代わりにダンジョントラブルシュティング詳しい知り合いをよびまー、イソガババマレ」

セリーは自身のコンディションが万全ではないとはっきり主張し、他の方法で海都を助けるとこの場の〝真のリーダー〟に告げた。

「わたし、いく。だけ……索敵なら…できる」

「わお、イザベラさぁん勇者ですねー。ドミィあんしんするでぇーす、イザベラさぁんはセリーより数倍ダンジョンで役に立ちまぁーす!!」

「んじゃいこっか、偵察だっけ、」
「索敵…」
「サクサク? たぁすかるわ、」

イザベラは珍しく積極、乗り気。ド神子が主導する海都の救出メンバーに加わることを志願した。

「わたしもいかせてもらおうかい。迷子の獅子と迷子のお宝を探すのはこう見えて得意さ」

さりげなく現れた、シデン・レイラ。何故かあまり口は挟まなかったがここでようやくもたれていたヤシの木から悩める背を剥がし動いた。

「おおー、ひさびさにそろった──【まとも三人衆】、じゃあいこうかはは、」

「ふふ、ギラギラと元気なのが多いからね、さしずめ月夜の方が似合う【ミステリアスビューティーアンサンブル三姉妹】かい」

「……(ミステリアスビューティーアンサンブル三姉妹? ──ミスブル)」

メンバーが決まればおつぎは部隊名、バンド名、おふざけ。
既にダンジョン探索と救出作業に必要な物資は使い古されたリュックに詰め込まれ、先を読んでいたシデン・レイラにまとめ上げられていた。
暗雲ムードはどこへやら、集結した部室ビーチに差し込む何筋もの太陽光の下に、着々と準備がととのい決まっていく。


「これ以上迷子の理想っこはいらないからね、ゼンリョクシーユーでたのむよ。そしてシンリョクカムバック!」

完璧なタイミングで消えたはずの校長はいつの間にか完璧なタイミングで戻ってきていた。
今まさにこれから発つよていの急遽編成された救出部隊であり緑蜜高校ダンジョン部への完璧な見送りだ。

重くるしい黒いスーツはバッと勇ましく夏風に脱ぎ捨てられ、エメラルドのギラギラスパンコールの特注スーツに、真の姿をサプライズであらわした。

(そんな校章があるとは初耳ですが……理想理想と、妙な自信はそれでしたか)

(キラキラの理想には保険が必要だからね、タノンダシーユー)

緑蜜の王子と黄金の守人は、ウインクを放ち風にひみつのメッセージを乗せ飛ばし合っている。


そんなこんなのらりくらり…たしかに心強いモノを得た。


遠くにぽつりと立つ赤と青を捨て置き、
この場に集まった、
セリー・ヴェーバー
緑野光男校長
ヤドコンちゃん
青い鳥

いい雰囲気いい笑顔に見送られて、

「よーし、はいっ、てことで【まとも三人衆・ミステリアスビューティーアンサンブル】しゅっつじーん、はは、」

略して【ミスブル】。
神牙流当主代行 古井戸神子
AAA級ダイバー イザベラ・ゴールド
黄金の守り人 シデン・レイラ

以上三名。

頼れるまともな大人の女性たちは謎の敵ボーンクイーンに囚われている海都を救出すべく、確かなキラキラの希望を持ち、

光り輝くブライトステッキを手持ち…頷く、
黄金とぎんいろの双銃を腰のホルダーに収め…キメる、
珊瑚柄の剣は虚空に浮かぶ何かを幾度か斬りつけ…微笑。

意気揚々、パーティーの士気高々に────
今、あんぜんな部室を発った。







はっきりとした意識に最後にみたのは、先生のではない…もっと妖しく邪な赤黒い目に睨まれカラダが紫に包み燃やされるような────

みじかくてながい悪夢をみていた気がする……。
よくないことを経験したのに青年はネムっていた。

なのに恐怖もなく、
おのずと瞼をあけ目を覚ますと……

はじまった見知らぬ世界が色付きはじめ何かが──覗き込んでいた。

「起きたかふっふっふ」

「────え…!?」

そうだ、これは悪夢のつづきであったことを青年はすぐに思い出した。

褐色の肌とダークガーネットの瞳、そして漆黒の髪。
金刺繍の黒のローブを纏い、
どことも知らないエキゾチックで威厳のある者の顔立ちをしている。
人間にみえるがただの人間ではないと一目みればわかる…底知れぬ深さと異質さを感じる妖気を持つ者。

「我はボーンクイーン、わっぱオマエという食事肉を手に入れた者だ」

「しょ、しょくじに!?」

「耳あたりのよい噂話や千の嘘話を献上するのが好きな貴様らは総じて勘違いしているが骨に栄養がいらないわけではない。死のルールは矮小なる誰にも平等であり多少の肉の食事も必要である。我はボーンクイーンであるからな矮小なる他の者よりも生と死の天秤のルールに則りルールを刻みルールを知る、偉大で真の自由を手にした歴ある者である」

「な、ナニを…」

跨る姿勢にさらに圧するように端正で異様な顔付きが、これ以上下がりようのない視界いっぱいに近付いてくる。まったく訳の分からない事をのたまいながら。

「つまり────」

「え!? ああああ!?」

「貴様ら儚い肉どもよりおなじ肉をもち骨をもち心骨の歴史を極めた上の存在という訳だハッハッハ」

みちみちと挿入された。黒ローブの中で海都のペニスはひんやりとした肉の感触にいきなりつつまれた。

「ふっふっふ、撫でてやる前からビンビンといきり勃たせていたな童♡」

「ちがっ、ああああ♡♡♡」

ひんやりとした肉が熱く硬い肉棒にさらに密着した。
得体の知れない肉感がみちみちと瞬く間に支配していく。

「ハッハッハ痴れ者め、どれお前の肉を我によこせ♡」

「ちょ、ひやっッ♡♡」

「ふっふっふ聞いたことがあろう不死の者は体温が低いと、貴様ら肉どもは存外想像力が豊かなようでの、移ろう時の暇つぶしに愛でるのもよいと言うものだ」

尻肉を打ち付けていく。ひんやりとした肉はあたたかな肉棒をしゃぶるように締め上げボーンクイーンは一方的な騎乗位で海都を貪っていく。

肉を欲する淫汁と鈴口から漏れる肉汁がぬちゃぬちゃと混ざり合い、擦り合い熱と快感を孕んでいく。

未体験の未知の肉につつまれる、激しい刺激に、

若い雄は抗えず耐えられない────

「ハッハッハ童め、そのなさけない肉棒で我にスベテ献上しろ、さぁ吐き出せ!!!♡♡♡」

「ひゃめああああああ♡♡♡♡」

おそろしいほどピッタリとペニスの造形に添い吸い付くひや肉に食べられながら、海都は射精した。

びゅーびゅーーッと熱い肉汁はボーンクイーンの膣内へと献上させていく。
冷えた骨身に染み込んでいく熱さと、含んでいた回復オーラが食事肉を貪っていたボーンクイーンを悦ばせる。
記念すべき最初の食事は最後の一滴まで丹念に……膣内は自在にうごめき、捕らえた肉棒の隅々までをしゃぶり尽くしていく。

「ンン♡♡♡ふっふっふ、なんとも美味い肉と骨身に染みる至福のオーラよ♡♡♡我のこの慧眼にやはり狂いはないなハッハッハ♡♡」

「ああぁ……♡……」

冷肉に一気にザーメンを搾り上げられた。

見下すダークガーネットの鋭い眼に睨まれながら最後の最後まで……海都は容赦のない激しい食事行為の疲労感と与えられたとてつもない快楽に、脳はショート寸前でとてもイケナイ恍惚に浸かった。

浸かっていたところ────おもむろに脱力するカラダをおこされ抱き寄せられていく。

「近こうよれ────」

海都の細身は黒いローブ姿に覆われ、対面する美しい褐色顔がとても近く、その妖しい赤目から視線が外せない。

やがて、ぼーっととろけた表情に長い舌が滑り込んでくる。

とても長くながく、冷えた舌が口内を蹂躙していく。
なす術なく突き出した海都の肉舌を、とても長い冷舌はちゅーっと巻き付けるように常人ではあり得ないキスを披露する。

さらに、また膨張していく肉棒は、一層──締め上げられた。
きゅ♡きゅーーっ♡…冷肉は押し潰すように肉を抱く。
彼女はボーンクイーンただの人間ではない。骨盤骨格を自在に変幻させ、あり得ない程ナカを締め上げていく。

深く長いキスで舌を長舌で巻き締め上げられ、骨を最適に動かしみっちりきゅーきゅーと♡収縮する至高の腰使いに、また最高硬度まで怒張した肉棒がしゃぶりあげられていく。

ぬちゃぬちゃぬめぬめ、ちゅーちゅー……もはやナニが起こっているのか海都には分からない。
ただただ気持ちいい…気持ち良すぎる快楽の支配に肉身は満たされていき吸われていき──溢れる。


1回目よりも随分と早く射精してしまった。

びゅーーびゅーーっ抜かずの2回目だがいきおいが止まらない。

黒いローブに抱かれ包まれながら、ごくごくとザーメンを飲み干すように蠢く膣に促され、馬鹿になった鈴口からお漏らしが止まらない。

やがて巻きついた蛇舌がやっと離れる────


「ちゅぢゅちゅーーーっ────ハッハッハ、存外美味かったぞオマエの肉とオーラは♡♡ふっふっふ、これから我ボーンクイーンの肉として骨になっても永久に抱いて愛でてやろう♡ハッハッハッハッハ」

何もかも一気に支配されて、何もかもをしゃぶり尽くされた……何も考えられなくなるほどのキスと濃厚濃密な男と女の肉の交わりに。

微笑うダークガーネットの輝きがぼやぼやとかすみ遠くなっていく……。
とてつもない脱力感と恍惚にピントが合わなくなり、瞼が重くなっていく……。


悪夢は寝ても覚めても終わらない、ボーンクイーンに囚われた楽天海都はわけもわからずにまたネムリについた。

助けはまだ来ない、幸か不幸か世にも貴重な回復オーラを持つ肉は、悠久を死に生きるはるか上の存在の気まぐれで生かされている。
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