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第3話 選択メプル
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身体を通して突き抜けた白い閃光は、全力は。
脱力したかのように経験した事のない自分の身体ではないモノ。
どたりと堕ちた音とともに、フラフラの映画館デートは終わった。
▼▼▼
▽▽▽
『キーンコーンカーンコーン でぃりりりりりりりりりり』
聞いた事もないベル音が鳴り響き、頭をずきずきと刺され。
やけに頭が痛い。右手で抑えようと。
ぼやけやがて鮮明になる視界に、はなれていったやわらかい右手の温もり。
「────んん……あれ……」
「おきた月無くん」
「メプル……さん?」
「はい」
眠気まなこをこすり、じっと見つめ合う2人。ベッドの上で寝ていた月無五百里の右手を握り丸椅子に座るシンプルな青服を纏ったメプルは彼の目覚めを待っていた。
「大丈夫、からだ。違和感とかおかしなところはない?」
「あぁ、えっと……ちょっとだるけがあるだけでオーケーみたいです!」
上体を起こした五百里は、両手をグーパーと握りしめて彼女に少し微笑み。
「よかったぁ……」
彼女もまた、彼の表情を見て言葉とともにすこしうなだれ一つ安堵の息をはいた。
「ってメプルさんは! 俺なんかよりよっぽど!」
「私は全然大丈夫あなたがたたかってくれたから」
「俺……そうだあのチカラ、あ! アイツは!?」
「さぁ……でもあの後私たちは助かったみたい」
今一度状況を確認するため周辺を見回す。大きなカーテンに仕切られており、窓からは少し暗く妖しげな光が差し込んでいる。
よくわからないシンプルな観葉植物。謎のポスターには「痛!」と書かれたよくわからないもの。
五百里は訝しみ知らない光景を確認していくと、メプルに水のペットボトルを「のんで」と手渡されていた。礼を言い。
「んっんっ……ぷはぁ! ……ここは?」
「ここは……おそらく」
『四混高校だ』
見知らぬクールな声が聞こえた後に、ザッと仕切られていたカーテンは開かれた。急に現れたのは。
「白川楓、月無五百里」
「私は四混高校、教頭の田武攻周防子だ。目覚め早々すまないよろしくたのむ」
右耳を出し左に流したブラウン髪のショートカット。纏う黒いパンツスーツとグレーのブラウス。大人クールな女性の印象だが顔立ちは少し可愛らしさも見え隠れし。
「四混高校……」
「白川楓様と言った方がよかったかな」
「……知らない……」
「フフ、まぁいいでしょう。先ずは……状況の整理からだな。おっと、そのままでいい」
▼▼▼
▽▽▽
「吸血鬼……」
「知らないだろう月無五百里くん」
「……敵ってのは分かりますけど、なんでメプルさんが狙われて」
「説明するのは少し難しいものがあるが、そうだなヤツら吸血鬼と神呪使いは、ん……メプル? フフ、メプルか。メプルねぇ」
にやにやと口角を少しあげ紅茶色の瞳は、星色の瞳をじぃと覗き込んだ。
「あ、あー、あぁ……うぅ」
その女性に睨まれてからメプルの様子挙動はおかしくなり、言葉とも言えないものが漏れてしまう。
「あー!! 楓でメプルですね! メプルさん、カエデさん!」
気付いてしまったその名前の由来。五百里は満面の笑みを戸惑うメプルへと見せて何故か喜んでいた。
「…………」
「ふっ、さて君達には今選択権がある」
「選択権?」
「この四混高校でそのチカラ、神呪について学ぶか」
「昨日までのまま一般人として普通に暮らしていくか、どうしたい? 月無五百里くん、白川メプル様?」
脱力したかのように経験した事のない自分の身体ではないモノ。
どたりと堕ちた音とともに、フラフラの映画館デートは終わった。
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『キーンコーンカーンコーン でぃりりりりりりりりりり』
聞いた事もないベル音が鳴り響き、頭をずきずきと刺され。
やけに頭が痛い。右手で抑えようと。
ぼやけやがて鮮明になる視界に、はなれていったやわらかい右手の温もり。
「────んん……あれ……」
「おきた月無くん」
「メプル……さん?」
「はい」
眠気まなこをこすり、じっと見つめ合う2人。ベッドの上で寝ていた月無五百里の右手を握り丸椅子に座るシンプルな青服を纏ったメプルは彼の目覚めを待っていた。
「大丈夫、からだ。違和感とかおかしなところはない?」
「あぁ、えっと……ちょっとだるけがあるだけでオーケーみたいです!」
上体を起こした五百里は、両手をグーパーと握りしめて彼女に少し微笑み。
「よかったぁ……」
彼女もまた、彼の表情を見て言葉とともにすこしうなだれ一つ安堵の息をはいた。
「ってメプルさんは! 俺なんかよりよっぽど!」
「私は全然大丈夫あなたがたたかってくれたから」
「俺……そうだあのチカラ、あ! アイツは!?」
「さぁ……でもあの後私たちは助かったみたい」
今一度状況を確認するため周辺を見回す。大きなカーテンに仕切られており、窓からは少し暗く妖しげな光が差し込んでいる。
よくわからないシンプルな観葉植物。謎のポスターには「痛!」と書かれたよくわからないもの。
五百里は訝しみ知らない光景を確認していくと、メプルに水のペットボトルを「のんで」と手渡されていた。礼を言い。
「んっんっ……ぷはぁ! ……ここは?」
「ここは……おそらく」
『四混高校だ』
見知らぬクールな声が聞こえた後に、ザッと仕切られていたカーテンは開かれた。急に現れたのは。
「白川楓、月無五百里」
「私は四混高校、教頭の田武攻周防子だ。目覚め早々すまないよろしくたのむ」
右耳を出し左に流したブラウン髪のショートカット。纏う黒いパンツスーツとグレーのブラウス。大人クールな女性の印象だが顔立ちは少し可愛らしさも見え隠れし。
「四混高校……」
「白川楓様と言った方がよかったかな」
「……知らない……」
「フフ、まぁいいでしょう。先ずは……状況の整理からだな。おっと、そのままでいい」
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「吸血鬼……」
「知らないだろう月無五百里くん」
「……敵ってのは分かりますけど、なんでメプルさんが狙われて」
「説明するのは少し難しいものがあるが、そうだなヤツら吸血鬼と神呪使いは、ん……メプル? フフ、メプルか。メプルねぇ」
にやにやと口角を少しあげ紅茶色の瞳は、星色の瞳をじぃと覗き込んだ。
「あ、あー、あぁ……うぅ」
その女性に睨まれてからメプルの様子挙動はおかしくなり、言葉とも言えないものが漏れてしまう。
「あー!! 楓でメプルですね! メプルさん、カエデさん!」
気付いてしまったその名前の由来。五百里は満面の笑みを戸惑うメプルへと見せて何故か喜んでいた。
「…………」
「ふっ、さて君達には今選択権がある」
「選択権?」
「この四混高校でそのチカラ、神呪について学ぶか」
「昨日までのまま一般人として普通に暮らしていくか、どうしたい? 月無五百里くん、白川メプル様?」
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