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第二章 聖女の秘密
エウラリア
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黒鴉智亜は、家までの道を全力疾走していた。
はっはっと、間断なく吐き出される息が白い。今日は夜から雪が降るかもしれないと、朝のニュースでは言っていた。
なぜ走っているかというと、せっかく作ったチョコクッキーを家に忘れて来たのだ。せめて午前中に気がついていれば、昼休みを利用して取りに帰ることもできたかもしれない。鞄の中の菓子包みをクラスメイトに発見されてからかわれると恥ずかしいので、なるべく開けないようにしていて、教科書なんかを取り出すときも鞄を少しだけ開いて目的のものだけすばやく取り出し、他の人に中身が見えないようにすばやく閉じる、なんてことをやっていたせいで、気づくのが放課後になってしまった。
渡すのは諦めようかとも思った。野球部のレギュラーでクラスのムードメーカーである彼は、去年同様今年もたくさんの女子からチョコレートをもらうだろう。智亜は彼にとって、ただ同じクラスというだけの、たくさんの女子の一人でしかない。チョコを渡そうと渡すまいと、その関係は変わることはない。
智亜が好きな乙女ゲームでは、ヒロインと攻略対象の男性たちとの間に、特別な出逢いイベントが発生する。ヒロインが積極的に異性にアピールしなくても、相手がヒロインを大勢の中の一人ではなく個人として見てくれるきっかけが最初に生じる。それが恋愛に発展するかはその後の選択次第だが、とにかく一対一の人間として接する機会は用意されている。
でも智亜は乙女ゲームの主人公ではない。待っているだけではクラスの誰ともそんな人間関係は発生しない。誰から見ても大勢いるクラスメイトの一人でしかないまま埋没してしまう。バレンタインデーにかこつけて決死のアピールを試みても、相手が人気者なら結局埋没してしまう。それなら、このまま目立つことをせずに大衆に紛れたまま地味に生きる方がいい。
そんなことを考えながら、智亜はゆっくりと下校をはじめた。
昇降口を出て校門へ向かう途中、すぐ脇のグラウンドで、野球部が練習をしていた。別に春のセンバツに出場するわけでもないので、さほど身を入れて練習しなければならない時期でもない。三年生は引退しまだ新入生は入ってきていないこの時期の練習は、どことなく緊張感を欠いているように見えた。
そんな部員たちを、必死に叱咤する少年の姿が、智亜の目に映った。
「よしその感じだ! 大野はバットのスイングさえ速くなれば絶対打てるんだから。今の感覚を忘れないうちにあと五十!」
その声を聞いた瞬間、胸に締めつけられるような痛みが走った。彼だ。智亜がチョコを渡そうとし、そして諦めた彼だ。
後輩の打撃指導をしているようだったが、当の後輩はというと、自分のためにレギュラーである彼が時間を割いてくれていることに後ろめたさを感じているようだった。
「先輩。どうせ俺なんて多少打率が上がったところでレギュラーになれるわけないんですから、俺のことよりも自分の練習をしてください」
そんな後輩の言葉が終わらないうちに、彼は語気を強めて反論する。
「俺だって一年前は自分がレギュラーになるなんて思ってなかったよ! 勝手に自分を過小評価して諦めんな!」
智亜は、まるでその言葉が自分に向けられているかのように感じた。
そうだ。自分は今は、乙女ゲームの主人公ではない。でも、明日は、あるいは明後日はどうなるかわからない。どうせ自分なんてと卑屈になって諦めずに、向上する努力を積み重ねていけば、いつかはヒロインになれるかもしれないのだ。そのためにまず、行動をはじめよう。チョコを渡すだけではまだ大勢の一人という立場から抜け出せないにしても、小さなことからまずははじめてみよう。今から急いで家に帰り、チョコを持って学校へ戻れば野球部の練習終了までに間に合うはずだ。
そんなこんなで、智亜は家へと走っていたのである。
駅まであと少し。そこから電車で三駅、その後徒歩で十分。電車を待つ時間を含めても、二十分はかからない。
別に急ぐ必要はない。野球部は六時までは練習しているはずだから、家まで往復しても余裕がある。だが智亜は、せっかくの決心が鈍らないうちにと、気ばかり焦っていた。
住宅街の狭い道を走り、交差点が近づいてきた。この交差点は左右が民家の垣根に視界を遮られて見通しが悪く、それでいて時折、駅前の幹線道路の混雑を避けた車が猛スピードで走ってくる交通事故要注意エリアだ。実際に数ヶ月前にここで事故が起こり、学校から注意喚起がなされていた。しかし急いでいた智亜は、あまりにも不用意にその交差点を渡り始めた。
二月の冷たい空気をつんざく鋭い警笛の音がして、智亜は左を向いた。白いトラックが、かなりのスピードでこちらに迫ってくる。危ない、と思った次の瞬間には、智亜の身体はトラックに跳ね飛ばされて宙を舞っていた。
*
智亜が目を覚ますと、そこは見知らぬ部屋だった。病室のようにも見えない。陶製の女神像やら何か宗教画らしき絵やら、そういった物ばかりに囲まれた少し薄暗い部屋のベッドに寝かされていて、周囲に数人の男女がいるのが見えた。
「お、お嬢様がお目を覚まされました!」
エプロンドレスを着た女性が、智亜を見て興奮気味に言う。服装といい「お嬢様」という呼び方といい、おそらくメイドなのだろうが、智亜の家はメイドを雇うような名家ではないし、そもそもここは智亜の家ではない。メイド喫茶のようなメイドさんが接客してくれるお店なのかもしれないが、そんなお店に入った覚えもない。交差点でトラックにはねられたと思ったらメイド喫茶で寝てましたなんて意味不明だ。
智亜の混乱をよそに、メイドの声に反応して部屋の奥に座っていた一組の男女がベッドに歩み寄って来た。男性の方はちぢれた黒髪に彫りの深い顔立ち、女性の方は赤毛の髪を結い上げて、真珠や翡翠のアクセサリで飾り立てていた。彼らは心配そうに智亜を覗き込むと、口々に言う。
「エウラリア! 大丈夫? どこか痛いところはない?」
「堅信礼の時間までまだ少し余裕があるからね。もうしばらく休んでいなさい」
痛いところは……ない。間違いなくトラックに轢かれたのにどこも痛くないのは変といえば変だが、それよりも今は、もっと大きな疑問がある。
「あの、……失礼ですが、どなたですか?」
目の前の男女は智亜の両親でもなければ、担任や養護の先生でもなかった。学校でこういう顔の先生を見たこともないし、服装からして医者や看護師でもなさそうだ。一体どこの誰で、どうして智亜の看病をしているのだろう。
智亜からしてみれば当然の疑問だったが、問われた二人は戸惑ったような表情になる。
「まだ意識がはっきりしないのかい? お前は、父さんたちとウルフィラの大聖堂に来ているんだよ。ほら、今日はお前の堅信礼だから」
「大聖堂に入った途端に、急に意識を失って倒れたのですよ。母さんが慌てて抱きとめて、司祭様がこの部屋に運んでくださったのです」
どうやらこの人たちは、智亜を自分の娘だと勘違いしているらしい。平均的な日本人顔の智亜が、どう見ても西洋風の顔立ちの彼らの娘になぜ間違われるのかとか、そもそも自分がなぜ大聖堂とやらにいるのかとか謎は残るが、まずは誤解を解いておかねばならない。
「私、黒鴉智亜って言います。あなた達の娘さんではないです」
智亜がそう言うと、二人は驚愕と怯えがないまぜになった表情で騒ぎ出した。
「エウラリア! どうしたんだ。お前が私たちの娘でないはずがあるか!」
「目を覚ましたばかりで少し混乱しているのですね。あなたは間違いなく、メリノ公爵セルバンテスと、わたくしイメルダの娘ですよ」
二人はかたくなに人違いを認めようとしないが、理解してもらわなければ困る。自分はメリノ公爵とやらの娘ではなく黒鴉智亜で、クラスメイトに渡すチョコクッキーを取りに戻る途中なのだから。
「本当に人違いなんです。私が持っていた鞄がどこにあるか知りませんか? あの中に私の学生証が入っています。それを見れば分かっていただけると思うんですけど」
だが二人は、一層不審そうな表情になるだけだった。
「ま、まさか……取りかえ児……」
「イメルダ! うちの娘に限ってそんなことあるわけ……」
小声でそんなやり取りをしながら、申し合わせたかのように半歩後ずさって智亜と距離を置く。
後に、智亜は後悔することになる。
このとき、自分はエウラリアではないなんて言い張らず、適当に話を合わせていれば、取りかえ児だと疑われないような言動をしてさえいれば。
――聖女ファティマ様に、罪を犯させることもなかったのに。
はっはっと、間断なく吐き出される息が白い。今日は夜から雪が降るかもしれないと、朝のニュースでは言っていた。
なぜ走っているかというと、せっかく作ったチョコクッキーを家に忘れて来たのだ。せめて午前中に気がついていれば、昼休みを利用して取りに帰ることもできたかもしれない。鞄の中の菓子包みをクラスメイトに発見されてからかわれると恥ずかしいので、なるべく開けないようにしていて、教科書なんかを取り出すときも鞄を少しだけ開いて目的のものだけすばやく取り出し、他の人に中身が見えないようにすばやく閉じる、なんてことをやっていたせいで、気づくのが放課後になってしまった。
渡すのは諦めようかとも思った。野球部のレギュラーでクラスのムードメーカーである彼は、去年同様今年もたくさんの女子からチョコレートをもらうだろう。智亜は彼にとって、ただ同じクラスというだけの、たくさんの女子の一人でしかない。チョコを渡そうと渡すまいと、その関係は変わることはない。
智亜が好きな乙女ゲームでは、ヒロインと攻略対象の男性たちとの間に、特別な出逢いイベントが発生する。ヒロインが積極的に異性にアピールしなくても、相手がヒロインを大勢の中の一人ではなく個人として見てくれるきっかけが最初に生じる。それが恋愛に発展するかはその後の選択次第だが、とにかく一対一の人間として接する機会は用意されている。
でも智亜は乙女ゲームの主人公ではない。待っているだけではクラスの誰ともそんな人間関係は発生しない。誰から見ても大勢いるクラスメイトの一人でしかないまま埋没してしまう。バレンタインデーにかこつけて決死のアピールを試みても、相手が人気者なら結局埋没してしまう。それなら、このまま目立つことをせずに大衆に紛れたまま地味に生きる方がいい。
そんなことを考えながら、智亜はゆっくりと下校をはじめた。
昇降口を出て校門へ向かう途中、すぐ脇のグラウンドで、野球部が練習をしていた。別に春のセンバツに出場するわけでもないので、さほど身を入れて練習しなければならない時期でもない。三年生は引退しまだ新入生は入ってきていないこの時期の練習は、どことなく緊張感を欠いているように見えた。
そんな部員たちを、必死に叱咤する少年の姿が、智亜の目に映った。
「よしその感じだ! 大野はバットのスイングさえ速くなれば絶対打てるんだから。今の感覚を忘れないうちにあと五十!」
その声を聞いた瞬間、胸に締めつけられるような痛みが走った。彼だ。智亜がチョコを渡そうとし、そして諦めた彼だ。
後輩の打撃指導をしているようだったが、当の後輩はというと、自分のためにレギュラーである彼が時間を割いてくれていることに後ろめたさを感じているようだった。
「先輩。どうせ俺なんて多少打率が上がったところでレギュラーになれるわけないんですから、俺のことよりも自分の練習をしてください」
そんな後輩の言葉が終わらないうちに、彼は語気を強めて反論する。
「俺だって一年前は自分がレギュラーになるなんて思ってなかったよ! 勝手に自分を過小評価して諦めんな!」
智亜は、まるでその言葉が自分に向けられているかのように感じた。
そうだ。自分は今は、乙女ゲームの主人公ではない。でも、明日は、あるいは明後日はどうなるかわからない。どうせ自分なんてと卑屈になって諦めずに、向上する努力を積み重ねていけば、いつかはヒロインになれるかもしれないのだ。そのためにまず、行動をはじめよう。チョコを渡すだけではまだ大勢の一人という立場から抜け出せないにしても、小さなことからまずははじめてみよう。今から急いで家に帰り、チョコを持って学校へ戻れば野球部の練習終了までに間に合うはずだ。
そんなこんなで、智亜は家へと走っていたのである。
駅まであと少し。そこから電車で三駅、その後徒歩で十分。電車を待つ時間を含めても、二十分はかからない。
別に急ぐ必要はない。野球部は六時までは練習しているはずだから、家まで往復しても余裕がある。だが智亜は、せっかくの決心が鈍らないうちにと、気ばかり焦っていた。
住宅街の狭い道を走り、交差点が近づいてきた。この交差点は左右が民家の垣根に視界を遮られて見通しが悪く、それでいて時折、駅前の幹線道路の混雑を避けた車が猛スピードで走ってくる交通事故要注意エリアだ。実際に数ヶ月前にここで事故が起こり、学校から注意喚起がなされていた。しかし急いでいた智亜は、あまりにも不用意にその交差点を渡り始めた。
二月の冷たい空気をつんざく鋭い警笛の音がして、智亜は左を向いた。白いトラックが、かなりのスピードでこちらに迫ってくる。危ない、と思った次の瞬間には、智亜の身体はトラックに跳ね飛ばされて宙を舞っていた。
*
智亜が目を覚ますと、そこは見知らぬ部屋だった。病室のようにも見えない。陶製の女神像やら何か宗教画らしき絵やら、そういった物ばかりに囲まれた少し薄暗い部屋のベッドに寝かされていて、周囲に数人の男女がいるのが見えた。
「お、お嬢様がお目を覚まされました!」
エプロンドレスを着た女性が、智亜を見て興奮気味に言う。服装といい「お嬢様」という呼び方といい、おそらくメイドなのだろうが、智亜の家はメイドを雇うような名家ではないし、そもそもここは智亜の家ではない。メイド喫茶のようなメイドさんが接客してくれるお店なのかもしれないが、そんなお店に入った覚えもない。交差点でトラックにはねられたと思ったらメイド喫茶で寝てましたなんて意味不明だ。
智亜の混乱をよそに、メイドの声に反応して部屋の奥に座っていた一組の男女がベッドに歩み寄って来た。男性の方はちぢれた黒髪に彫りの深い顔立ち、女性の方は赤毛の髪を結い上げて、真珠や翡翠のアクセサリで飾り立てていた。彼らは心配そうに智亜を覗き込むと、口々に言う。
「エウラリア! 大丈夫? どこか痛いところはない?」
「堅信礼の時間までまだ少し余裕があるからね。もうしばらく休んでいなさい」
痛いところは……ない。間違いなくトラックに轢かれたのにどこも痛くないのは変といえば変だが、それよりも今は、もっと大きな疑問がある。
「あの、……失礼ですが、どなたですか?」
目の前の男女は智亜の両親でもなければ、担任や養護の先生でもなかった。学校でこういう顔の先生を見たこともないし、服装からして医者や看護師でもなさそうだ。一体どこの誰で、どうして智亜の看病をしているのだろう。
智亜からしてみれば当然の疑問だったが、問われた二人は戸惑ったような表情になる。
「まだ意識がはっきりしないのかい? お前は、父さんたちとウルフィラの大聖堂に来ているんだよ。ほら、今日はお前の堅信礼だから」
「大聖堂に入った途端に、急に意識を失って倒れたのですよ。母さんが慌てて抱きとめて、司祭様がこの部屋に運んでくださったのです」
どうやらこの人たちは、智亜を自分の娘だと勘違いしているらしい。平均的な日本人顔の智亜が、どう見ても西洋風の顔立ちの彼らの娘になぜ間違われるのかとか、そもそも自分がなぜ大聖堂とやらにいるのかとか謎は残るが、まずは誤解を解いておかねばならない。
「私、黒鴉智亜って言います。あなた達の娘さんではないです」
智亜がそう言うと、二人は驚愕と怯えがないまぜになった表情で騒ぎ出した。
「エウラリア! どうしたんだ。お前が私たちの娘でないはずがあるか!」
「目を覚ましたばかりで少し混乱しているのですね。あなたは間違いなく、メリノ公爵セルバンテスと、わたくしイメルダの娘ですよ」
二人はかたくなに人違いを認めようとしないが、理解してもらわなければ困る。自分はメリノ公爵とやらの娘ではなく黒鴉智亜で、クラスメイトに渡すチョコクッキーを取りに戻る途中なのだから。
「本当に人違いなんです。私が持っていた鞄がどこにあるか知りませんか? あの中に私の学生証が入っています。それを見れば分かっていただけると思うんですけど」
だが二人は、一層不審そうな表情になるだけだった。
「ま、まさか……取りかえ児……」
「イメルダ! うちの娘に限ってそんなことあるわけ……」
小声でそんなやり取りをしながら、申し合わせたかのように半歩後ずさって智亜と距離を置く。
後に、智亜は後悔することになる。
このとき、自分はエウラリアではないなんて言い張らず、適当に話を合わせていれば、取りかえ児だと疑われないような言動をしてさえいれば。
――聖女ファティマ様に、罪を犯させることもなかったのに。
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