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断章Ⅱ〜最終兵器にアイの花を〜
『友達』
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「来て……みせたぞ、白!」
聞き覚えのある男の声。———俺はここに来て、コイツに庇われたんだ。
「今が———今がそうなんだろ、今がお前の言った……やるべき時なんだろ?」
「何で…………何でいるんだ、ディル」
聞こえた声、それは紛れもなくディルのものだった。
『戦わない』と最後まで貫き通したはずなのに、お前は———。
「……俺、変わりたかったんだ。
もうあんな自分は嫌だった。誰かを売って、盾にして、そんなもので生き延びるよりかは———死んだ方がマシだって思ったんだよ」
「ヤツは強いぞ、お前が敵う相手じゃない……助けてくれたことは嬉しい、戦うって、そう考えてくれたことは嬉しい!……だけどディル、お前は早く逃げて———」
言いかけた直後、俺の正面にディルの平手が添えられる。
「もう、さ。…………逃げたくは……ないんだよ……!
逃げてばっかだった、生きる理由も目的も意味もなく、ただ逃げて、ただ死にたくないだけだった!
もうそんな人生、うんざりなんだよ!……だから俺は進んでみせる。このままじゃ、俺は隊長やレイラ、カーオにも顔向けできねえ!
…………勝負だ……っ、隊長の、仇…………っ!!!!」
やめろ。やめろ、やめろ。
お前が敵う相手じゃない———それどころか、お前とコイツの戦力差は歴然、天と地ほどの差……間違いなく瞬殺される……!
「お前の想いなんて、今はどうでもいい! 行くな、行くんじゃねえ、死ぬんだぞっ!!!!」
「たとえ、刺し違えてでも貴様を———!」
2本の短刀を両手に、ディルは刹那に向かって駆け始める。
『笑止———!』
……まずい。やられる。確実に、ディルが殺される。
もはや俺にとって、ディルは戦闘要員ではなく、保護すべき民間人としか見えていなかった。
「お前じゃ勝てない、分かってんだろ! ディル!」
「いつまで俺を………………もう俺は、逃げないって誓ったんだ———!」
……その、可能性を。
それを信じきって、お前をみすみす殺させるわけには……いかないんだ。
「ザ・オールマイティ! シャットダウン・オブ・ワールドッ!」
灰色に反転しゆく視界。全てが止まる静止世界。俺の俺だけの、俺にとっての世界、神技。
「すまん、ディル。……だけどこれは、俺たちの戦いで———お前には、関係ない話……だから……!」
何たって———お前を殺させるわけにはいかないんだ、ディル。……たとえ何と言おうと、お前は俺の、俺の———。
……仲間、だったのかもしれない。でもコイツは———俺と同年代で、俺と一緒にここまでいてくれた。……何より、たった今俺を助けてくれた。
たとえお前が何も思っていなくても、俺にとってお前は———唯一の、同年代の『友達』だった。
『雪斬ツバサ』、その名前を、その真の名前を覚えている、俺にとって唯一の親友。このオリュンポスで、初めて俺とマトモに接してくれた人間。
だから俺は叱った。だからコイツとぶつかり合って、その結果が今の状況。
……なればこそ、この場は俺が収める。
あまりにも自分勝手だけど———もう、お前を……関係のないヤツを、危険に晒すわけにはいかないから。
「よかった、助けられる、今———」
『タネは見えた。……そう、口にしたはずだが?』
静止した時の中で。
振り下ろされた刃は、ディルの腹部に直撃した。
……そんなわけ、ないだろ?
そんなこと、あり得ない。
何たって、そもそも———この世界の中で、何かが動くことすら、あり得ないというのに。
「…………??」
振り下ろされた、刃は。
ディルの、腹部に……直撃した。
◆◆◆◆◆◆◆◆
収束しゆく視界。再度反転する景色、風景。
そして動き出す世界の中で。
取りこぼしたものだけが、ただそこにあった。
「は———か……っ」
「ディル……ディルゥゥゥゥゥゥゥゥッ!!!!」
横に振られる刹那の刀。同時に床に向かって吐き出される血。
血、血、血。
そんなことあり得るわけがない、あり得ていいはずがないのに。
「し…………ろ…………っ」
「…………っ!」
床に、眼前に、視界いっぱいに広がる、ただ紅のみに染まりきった世界。
倒れゆく人影。薄ら笑いを浮かべる撃墜ノ王。
「なん———で、なんで、なんでなんでなんで…………っ!」
困惑———より先に、絶望が勝る。
こんなはずじゃなかった。本当は、ディルを巻き込むつもりすら消え失せていたし、こんなところで殺させるわけにもいかないはずだった。
……なのに———なのに、どうして。
『タネは見切った———簡単な話です。神力領域を展開するというのならば、こちらも展開して自分自身を隔離すれば良いというもの。
そのような陳腐なもので、この私を倒せるとでも———』
「うるせぇ……うるせえっ、テメェッ!!」
「しろ…………白、しろ……あっ、痛…………っ」
「ディル……おい、しっかりしろ!」
下から聞こえる、力無い声。
どこか気の抜けたようで、優しい———弱った声。
「俺…………ちゃん、と、やれた……かな……?」
「しっかりしろ、おい! っ寝るな、寝るなよ、寝るなってばっ!」
戦闘中だというのに。敵の脅威すらも、もはやこの時には眼中になかった。
その弱った体に寄り添い、垂れ下がった右腕を握り続ける。
「なんか……さ、気づいたら…………こう、なってて…………こ……れ、どう…………なってっあ……
………………血…………?」
「喋るな、寝るな、意識を保て! なあディル、行くんじゃねえって言ったよな、なあ?!」
その顔から、どんどん生気が抜け落ちてゆく。
これが、最期———なのか。これで終わるのか、ここで死ぬのか、ディルは?!
「はは…………そう、か、俺…………死ぬ、のか……」
「死なねえ……死なせねぇ、絶対に……!
そうだった、俺の得意魔術は回復魔術だった、今治してやる……今治してやるからっ!」
今も血が流れ、ドクドクと痙攣している腹部損傷部位に手を当て、そこにありったけの魔力を流し込む。
魔術の使い方なんて知らない。回復魔術なんて、思えば俺は一度も使ったことがない。……だけど、ディルを助けるためなら、俺はなんだって———!
「…………やめ……ろ、俺は…………俺は、たいちょう……の、仇を———」
「今はいいんだ、もういいんだよ、お前が生きていれば、それでっ!」
その言葉を聞き届けたディルの顔は、一瞬だけ何かを悟ったようにハッとして。
そして、今度は優しい眼差しで、ゆっくりこちらに向く。
「そっ……か、もう…………いい、のか……」
何度も何度も、血の流れる腹に魔力を流し込む。
治ってくれ、治ってくれ、治ってくれと何度も願い、祈りながら。
「なんで……なんでなんでなんで、なんで血が止まらねえんだよ……なんでぇっ!」
「…………白、もう…………いい、よ。……何も、しなくたって———」
「ちくしょう…………ちくしょう、ちくしょうっ!……起こってくれよ、奇跡でも偶然でも!
願ってやる、何度だって———もしも願いが叶うならって、願うから、だから起こってくれよ、なあ!
……気前よく、前は起こってくれただろ、なあ! なあっっ!!!!」
「ごめん…………な、お前の……話も聞かずに……」
「謝るな、謝るなよ、謝るなっ!……お前は俺が助ける、だから———!」
「これは……多分、俺みたいなヤツへの…………罰、なんだ…………やっぱり、先に……死ぬべき、だったんだ……」
「違う……違う、違うよっ、お前みたいないいヤツが死んでいいわけ———そんなわけ、ないだろ、なあっ、なあっ!
来てくれたんだ、俺たちを売ったとしても———そのことを悔いて、死んでいった隊長の仇が取りたくて、お前はここに来てみせた……そんなお前が、いいヤツじゃないわけないだろっ!!!!!!」
「………………あり…………がと、う…………俺、だっ、て……お前と、一緒にいれて、よかった———っっ……」
ゆっくりと、その瞼が閉じられる。どれだけ大声で呼びかけようと、どれだけ死に物狂いでその体をゆすろうと、ディルの意識は遠のくばかりで。
ポッ、と。
一瞬にして、途切れる音がした後。
「おい、寝るなってアレだけ———アレ……だけ、なあっ!!!!」
声も聞こえない。あの身体の温かさも、荒れ狂う闘志も、内に秘めた本当の想いも、その全てが。
その、神力も。ディルの魂を示す、微かな煌めきも。
「…………んで、なんで、なんで……俺は…………救えないんだ……ここにきて、なんで俺は———!」
もはや泣くこともできなかった。
涙は既に、枯れ果てていたんだ。
こんな、時に。俺はアイツのために、泣くことすらできなかった。
「いつも…………朝、呼びに来るのは早いのに…………っ、
こんな時にまで、早いことに…………こだわることないだろ、お前は……っ!」
祈った。願った。理想ばかりを想って、俺はここまで来てみせた。
……が、理想は儚く砕け散った。現実は俺を待ってはくれず、俺から理不尽に全てを奪い尽くしていく。
耐えられるわけが、なかった。
何より、俺よりも生きるべきだったコイツが———俺のために、死んでしまったことが。
「…………ぅ……っ、ああ……っ、うああああああああああああああああああっ!!!!」
聞き覚えのある男の声。———俺はここに来て、コイツに庇われたんだ。
「今が———今がそうなんだろ、今がお前の言った……やるべき時なんだろ?」
「何で…………何でいるんだ、ディル」
聞こえた声、それは紛れもなくディルのものだった。
『戦わない』と最後まで貫き通したはずなのに、お前は———。
「……俺、変わりたかったんだ。
もうあんな自分は嫌だった。誰かを売って、盾にして、そんなもので生き延びるよりかは———死んだ方がマシだって思ったんだよ」
「ヤツは強いぞ、お前が敵う相手じゃない……助けてくれたことは嬉しい、戦うって、そう考えてくれたことは嬉しい!……だけどディル、お前は早く逃げて———」
言いかけた直後、俺の正面にディルの平手が添えられる。
「もう、さ。…………逃げたくは……ないんだよ……!
逃げてばっかだった、生きる理由も目的も意味もなく、ただ逃げて、ただ死にたくないだけだった!
もうそんな人生、うんざりなんだよ!……だから俺は進んでみせる。このままじゃ、俺は隊長やレイラ、カーオにも顔向けできねえ!
…………勝負だ……っ、隊長の、仇…………っ!!!!」
やめろ。やめろ、やめろ。
お前が敵う相手じゃない———それどころか、お前とコイツの戦力差は歴然、天と地ほどの差……間違いなく瞬殺される……!
「お前の想いなんて、今はどうでもいい! 行くな、行くんじゃねえ、死ぬんだぞっ!!!!」
「たとえ、刺し違えてでも貴様を———!」
2本の短刀を両手に、ディルは刹那に向かって駆け始める。
『笑止———!』
……まずい。やられる。確実に、ディルが殺される。
もはや俺にとって、ディルは戦闘要員ではなく、保護すべき民間人としか見えていなかった。
「お前じゃ勝てない、分かってんだろ! ディル!」
「いつまで俺を………………もう俺は、逃げないって誓ったんだ———!」
……その、可能性を。
それを信じきって、お前をみすみす殺させるわけには……いかないんだ。
「ザ・オールマイティ! シャットダウン・オブ・ワールドッ!」
灰色に反転しゆく視界。全てが止まる静止世界。俺の俺だけの、俺にとっての世界、神技。
「すまん、ディル。……だけどこれは、俺たちの戦いで———お前には、関係ない話……だから……!」
何たって———お前を殺させるわけにはいかないんだ、ディル。……たとえ何と言おうと、お前は俺の、俺の———。
……仲間、だったのかもしれない。でもコイツは———俺と同年代で、俺と一緒にここまでいてくれた。……何より、たった今俺を助けてくれた。
たとえお前が何も思っていなくても、俺にとってお前は———唯一の、同年代の『友達』だった。
『雪斬ツバサ』、その名前を、その真の名前を覚えている、俺にとって唯一の親友。このオリュンポスで、初めて俺とマトモに接してくれた人間。
だから俺は叱った。だからコイツとぶつかり合って、その結果が今の状況。
……なればこそ、この場は俺が収める。
あまりにも自分勝手だけど———もう、お前を……関係のないヤツを、危険に晒すわけにはいかないから。
「よかった、助けられる、今———」
『タネは見えた。……そう、口にしたはずだが?』
静止した時の中で。
振り下ろされた刃は、ディルの腹部に直撃した。
……そんなわけ、ないだろ?
そんなこと、あり得ない。
何たって、そもそも———この世界の中で、何かが動くことすら、あり得ないというのに。
「…………??」
振り下ろされた、刃は。
ディルの、腹部に……直撃した。
◆◆◆◆◆◆◆◆
収束しゆく視界。再度反転する景色、風景。
そして動き出す世界の中で。
取りこぼしたものだけが、ただそこにあった。
「は———か……っ」
「ディル……ディルゥゥゥゥゥゥゥゥッ!!!!」
横に振られる刹那の刀。同時に床に向かって吐き出される血。
血、血、血。
そんなことあり得るわけがない、あり得ていいはずがないのに。
「し…………ろ…………っ」
「…………っ!」
床に、眼前に、視界いっぱいに広がる、ただ紅のみに染まりきった世界。
倒れゆく人影。薄ら笑いを浮かべる撃墜ノ王。
「なん———で、なんで、なんでなんでなんで…………っ!」
困惑———より先に、絶望が勝る。
こんなはずじゃなかった。本当は、ディルを巻き込むつもりすら消え失せていたし、こんなところで殺させるわけにもいかないはずだった。
……なのに———なのに、どうして。
『タネは見切った———簡単な話です。神力領域を展開するというのならば、こちらも展開して自分自身を隔離すれば良いというもの。
そのような陳腐なもので、この私を倒せるとでも———』
「うるせぇ……うるせえっ、テメェッ!!」
「しろ…………白、しろ……あっ、痛…………っ」
「ディル……おい、しっかりしろ!」
下から聞こえる、力無い声。
どこか気の抜けたようで、優しい———弱った声。
「俺…………ちゃん、と、やれた……かな……?」
「しっかりしろ、おい! っ寝るな、寝るなよ、寝るなってばっ!」
戦闘中だというのに。敵の脅威すらも、もはやこの時には眼中になかった。
その弱った体に寄り添い、垂れ下がった右腕を握り続ける。
「なんか……さ、気づいたら…………こう、なってて…………こ……れ、どう…………なってっあ……
………………血…………?」
「喋るな、寝るな、意識を保て! なあディル、行くんじゃねえって言ったよな、なあ?!」
その顔から、どんどん生気が抜け落ちてゆく。
これが、最期———なのか。これで終わるのか、ここで死ぬのか、ディルは?!
「はは…………そう、か、俺…………死ぬ、のか……」
「死なねえ……死なせねぇ、絶対に……!
そうだった、俺の得意魔術は回復魔術だった、今治してやる……今治してやるからっ!」
今も血が流れ、ドクドクと痙攣している腹部損傷部位に手を当て、そこにありったけの魔力を流し込む。
魔術の使い方なんて知らない。回復魔術なんて、思えば俺は一度も使ったことがない。……だけど、ディルを助けるためなら、俺はなんだって———!
「…………やめ……ろ、俺は…………俺は、たいちょう……の、仇を———」
「今はいいんだ、もういいんだよ、お前が生きていれば、それでっ!」
その言葉を聞き届けたディルの顔は、一瞬だけ何かを悟ったようにハッとして。
そして、今度は優しい眼差しで、ゆっくりこちらに向く。
「そっ……か、もう…………いい、のか……」
何度も何度も、血の流れる腹に魔力を流し込む。
治ってくれ、治ってくれ、治ってくれと何度も願い、祈りながら。
「なんで……なんでなんでなんで、なんで血が止まらねえんだよ……なんでぇっ!」
「…………白、もう…………いい、よ。……何も、しなくたって———」
「ちくしょう…………ちくしょう、ちくしょうっ!……起こってくれよ、奇跡でも偶然でも!
願ってやる、何度だって———もしも願いが叶うならって、願うから、だから起こってくれよ、なあ!
……気前よく、前は起こってくれただろ、なあ! なあっっ!!!!」
「ごめん…………な、お前の……話も聞かずに……」
「謝るな、謝るなよ、謝るなっ!……お前は俺が助ける、だから———!」
「これは……多分、俺みたいなヤツへの…………罰、なんだ…………やっぱり、先に……死ぬべき、だったんだ……」
「違う……違う、違うよっ、お前みたいないいヤツが死んでいいわけ———そんなわけ、ないだろ、なあっ、なあっ!
来てくれたんだ、俺たちを売ったとしても———そのことを悔いて、死んでいった隊長の仇が取りたくて、お前はここに来てみせた……そんなお前が、いいヤツじゃないわけないだろっ!!!!!!」
「………………あり…………がと、う…………俺、だっ、て……お前と、一緒にいれて、よかった———っっ……」
ゆっくりと、その瞼が閉じられる。どれだけ大声で呼びかけようと、どれだけ死に物狂いでその体をゆすろうと、ディルの意識は遠のくばかりで。
ポッ、と。
一瞬にして、途切れる音がした後。
「おい、寝るなってアレだけ———アレ……だけ、なあっ!!!!」
声も聞こえない。あの身体の温かさも、荒れ狂う闘志も、内に秘めた本当の想いも、その全てが。
その、神力も。ディルの魂を示す、微かな煌めきも。
「…………んで、なんで、なんで……俺は…………救えないんだ……ここにきて、なんで俺は———!」
もはや泣くこともできなかった。
涙は既に、枯れ果てていたんだ。
こんな、時に。俺はアイツのために、泣くことすらできなかった。
「いつも…………朝、呼びに来るのは早いのに…………っ、
こんな時にまで、早いことに…………こだわることないだろ、お前は……っ!」
祈った。願った。理想ばかりを想って、俺はここまで来てみせた。
……が、理想は儚く砕け散った。現実は俺を待ってはくれず、俺から理不尽に全てを奪い尽くしていく。
耐えられるわけが、なかった。
何より、俺よりも生きるべきだったコイツが———俺のために、死んでしまったことが。
「…………ぅ……っ、ああ……っ、うああああああああああああああああああっ!!!!」
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