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激震!勇魔最終戦争…!
サナの心境
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白、コックさんといい感じ……だなあ。
なんだかいつの間に仲良くなってたし。……私なんて心配すらせず、白はすぐにコックの元に駆け寄ったし。
……どうしようかな。
この旅が———魔王との戦いが終わったら、私……
告白するつもりだった、のに。
ずっと、多分好きだったんだ。
いつからか、ふとした時に白のことばっか考えるようになった。
胸が熱く———弾んで、跳ねて、溶け出して。
全部終わったら……白と何をしようかな、どこに行こうかな———って。
ここ数日は色々と起こりすぎたけど、ふとした隙間の時間に私は———そんなくだらないことを考えていた。
白といることが、当たり前に思えてきてしまった。
本来それは当たり前なんかじゃないはずなのに、いつのまにか———そんな関係になってた。
でも一線は超えてない。
やっぱりどこまで行っても、私は告白を———気持ちを打ち明けることができずにいた。
何度言おうと思っても、そのたびに締め付けられて。抜け出せずに、結局言えないで。
今の今まで、それを切り出すタイミングを失ってしまったのだ。
……どうしようか。イデアに相談してみる……のもアリ……いや、ナシか。
……そもそも他人に頼るのがいけないのかな、自分の手で言わなきゃ、それじゃないと意味がないのかな。
でも、何とかしてこの気持ちは伝えたい。
伝えたい、伝えたい、伝えようと思うたび、何かが私の奥底から湧いてきて、『やめておけ』と水を差す。
不釣り合い……なのかな。
私、別に強くないし。
だって、コックって言う上位互換みたいなのが出てきたじゃん。
私よりふくよかで……美人で、胸も……大きくて———って違う。
それでも私より……めちゃくちゃ強くって。
だからもう、魔術要員はいらないって———思われてるのかな。
……じゃあ、想いを伝えたって———意味がないのかな。
結局、私のおじさんとの約束で、仕方なく旅をしていただけなんだ。
———私を好きにさせた責任、ちゃんと取ってもらうつもりだった……んだけどなあ。
このまま———もう魔王との戦いは終わって、私たちの旅は終わっちゃったわけだけど、まだ私は———白と一緒にいれるかな……?
だって、あれだけ……『もしも願いが叶うなら』って、願い続けたんだから。
だから、もっと一緒に———いさせてほしいのに。
◆◆◆◆◆◆◆◆
「———さて、コックの件もとりあえずは収集ついたけど———どーすっかなあ、この王都」
王都は既にボロボロ。
人1人、住めたものじゃなかった。
住宅を成していたものは完全に崩壊し、壁と影をその場に残すのみとなってしまった。
辺りに人はあまりいない。
ほとんどの人が、王城地下の避難シェルターにて匿われているからだ。
「……とりあえず……住む場所決めっかなあ……」
積み上がった瓦礫の上にて、白はあぐらをかきながら話し始める。……と、次の瞬間、座っていたはずの白はすぐさま瓦礫から飛び降りる。
「まあ、まずは———行くか!」
「ふぇっ?!」
手を———握られた?!
「え……ちょ、ちょちょちょっとぉっ?!」
「行くぞサナ、黒の家を貸してもらおう、な?!」
「え———いや、貸してもらおう……って、一緒に住むってこと?!」
さも当然の如く、黒の家を借りる———なんてことには目もやらず。
「そりゃあそうだろ、同じパーティなのに一緒にいないなんて、締まりがないだろ?」
———イデアに関しては触れないのね?!
「———ま、まあ、そりゃあ……そう、だけど……?!」
「っしゃあ行くぞ、黒の家制圧作戦だーーっ!」
まるで、子供のようにはしゃぐ白。
そんな姿も、儚くもいいな、と思ってしまう。
「———うんっ!」
白、コックさんといい感じ……だなあ。
なんだかいつの間に仲良くなってたし。……私なんて心配すらせず、白はすぐにコックの元に駆け寄ったし。
……どうしようかな。
この旅が———魔王との戦いが終わったら、私……
告白するつもりだった、のに。
ずっと、多分好きだったんだ。
いつからか、ふとした時に白のことばっか考えるようになった。
胸が熱く———弾んで、跳ねて、溶け出して。
全部終わったら……白と何をしようかな、どこに行こうかな———って。
ここ数日は色々と起こりすぎたけど、ふとした隙間の時間に私は———そんなくだらないことを考えていた。
白といることが、当たり前に思えてきてしまった。
本来それは当たり前なんかじゃないはずなのに、いつのまにか———そんな関係になってた。
でも一線は超えてない。
やっぱりどこまで行っても、私は告白を———気持ちを打ち明けることができずにいた。
何度言おうと思っても、そのたびに締め付けられて。抜け出せずに、結局言えないで。
今の今まで、それを切り出すタイミングを失ってしまったのだ。
……どうしようか。イデアに相談してみる……のもアリ……いや、ナシか。
……そもそも他人に頼るのがいけないのかな、自分の手で言わなきゃ、それじゃないと意味がないのかな。
でも、何とかしてこの気持ちは伝えたい。
伝えたい、伝えたい、伝えようと思うたび、何かが私の奥底から湧いてきて、『やめておけ』と水を差す。
不釣り合い……なのかな。
私、別に強くないし。
だって、コックって言う上位互換みたいなのが出てきたじゃん。
私よりふくよかで……美人で、胸も……大きくて———って違う。
それでも私より……めちゃくちゃ強くって。
だからもう、魔術要員はいらないって———思われてるのかな。
……じゃあ、想いを伝えたって———意味がないのかな。
結局、私のおじさんとの約束で、仕方なく旅をしていただけなんだ。
———私を好きにさせた責任、ちゃんと取ってもらうつもりだった……んだけどなあ。
このまま———もう魔王との戦いは終わって、私たちの旅は終わっちゃったわけだけど、まだ私は———白と一緒にいれるかな……?
だって、あれだけ……『もしも願いが叶うなら』って、願い続けたんだから。
だから、もっと一緒に———いさせてほしいのに。
◆◆◆◆◆◆◆◆
「———さて、コックの件もとりあえずは収集ついたけど———どーすっかなあ、この王都」
王都は既にボロボロ。
人1人、住めたものじゃなかった。
住宅を成していたものは完全に崩壊し、壁と影をその場に残すのみとなってしまった。
辺りに人はあまりいない。
ほとんどの人が、王城地下の避難シェルターにて匿われているからだ。
「……とりあえず……住む場所決めっかなあ……」
積み上がった瓦礫の上にて、白はあぐらをかきながら話し始める。……と、次の瞬間、座っていたはずの白はすぐさま瓦礫から飛び降りる。
「まあ、まずは———行くか!」
「ふぇっ?!」
手を———握られた?!
「え……ちょ、ちょちょちょっとぉっ?!」
「行くぞサナ、黒の家を貸してもらおう、な?!」
「え———いや、貸してもらおう……って、一緒に住むってこと?!」
さも当然の如く、黒の家を借りる———なんてことには目もやらず。
「そりゃあそうだろ、同じパーティなのに一緒にいないなんて、締まりがないだろ?」
———イデアに関しては触れないのね?!
「———ま、まあ、そりゃあ……そう、だけど……?!」
「っしゃあ行くぞ、黒の家制圧作戦だーーっ!」
まるで、子供のようにはしゃぐ白。
そんな姿も、儚くもいいな、と思ってしまう。
「———うんっ!」
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