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断章Ⅱ〜最終兵器にアイの花を〜
Side-レイラ: 急転
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「……さあてとっ! これでようやく一休みってとこか……しっかし案外順調だな、他の隊はどーなってんだか……」
男———02が気を抜きかけた、その瞬間の出来事であった。
『ゼッ……02!……応答だ、応答してくれ02!』
ヤケに慌てた声だ、一体何が———。
『こちら05、敵が、敵が……うっうおあぼげばぐ———!』
直後、左斜め後方にて爆発が起こる。
まさか———05機がやられた……?!
「02より各機、敵襲だ。繰り返す、敵襲だ。05がやられた!」
『まさかさっきの爆発———!』
『ま……待て、来るな来るな来るなぁっ!』
先程の爆発よりすぐ近くの場所より銃声が聞こえる。敵に対して発砲してるのか……!
『来るな来るなぁ、来るなぐひぃやぁあ———!』
またもや爆発、今度は誰の機体だ?!
「———敵の正体は?! 未だ掴めないのか!」
『06より各機、敵は———女です! 鎌を操る赤髪の女、そいつが2機を撃破し———』
「……おい、どうした06! 応答しろ06っ!」
もう既に爆発音が響いていたので、聞かなくとも分かっていたのだが……
「全機集結、嬢ちゃんを囲むように三日月方円の陣形だ、いいな!」
『『了解!!』』
残存機は02機含め9機。
中心、レイラを護るようにして立つ02機を中心に、一瞬にして陣形が構築される。
「すまんな嬢ちゃん、ちょっとサイドツーの肩にでも乗っかっててくれ」
『……分かりました、ですけどコレって一体何が———』
———すまん、今それに答えている余裕はない。
「敵は捕捉できたか?!」
『こちら04、前方正面方向より鎌を持った女が突進してきます!』
「……馬鹿め…………指切り点射の餌食にしてやれっ!」
銃声が辺り一帯に数秒間に渡って響き続ける、そして———。
『命中しました、敵対象、沈黙』
「……警戒体制は解くな。……妙な胸騒ぎがしやがる、2機もこの第5機動部隊の仲間を刈り取った死神だ、念には念を入れてもう1度遺体に射撃をすると言うのも……」
———ここまで慎重になったのも久しぶりだ、もう何も懸念するべき要素はないと言うのに、なぜ俺はここまで慎重に———。
『っうっうわああぁあっ?!』
「今度はどうしたぁ、何があったぁっ!」
『敵対象、立ち上がりました……!』
———何、だとぉっ?!
立ち上がった……?!
連射形態Cキャノンの36mmチェーンガンを食らっても尚、生きている……だとおっ?!
「近接戦闘用意! 懐に入り込まれる前に薙ぎ払えぇっ!」
『これでも食ら———』
何があったか、と目をやった左翼部には、腰部を文字通り両断されたサイドツーが。
『07ロスト! こっちは左腕大破、使い物になりませぇ———』
眼前にて並ぶサイドツーが、3機同時に衝突し爆散する。
「っ、全機散開! フラットレフトシザーズっ! この場を離れるぞ!」
『ダメです追いつかれ……ひぎゃあっ!』
またもや爆発、残存機は———4機だと……っ?!
「たった4機だろうが構わない、ライフルで迎え撃ってやれっ!」
そうやって視界を向けた後方には———。
「んなっ……!」
音もなく、脚のみを切り落とされたサイドツーが2機。
機体を縦に両断され、声を上げることすら許されず、今にも火花を上げ爆散し行くサイドツーが1機。
……次は、俺か……!
「……さあてとっ! これでようやく一休みってとこか……しっかし案外順調だな、他の隊はどーなってんだか……」
男———02が気を抜きかけた、その瞬間の出来事であった。
『ゼッ……02!……応答だ、応答してくれ02!』
ヤケに慌てた声だ、一体何が———。
『こちら05、敵が、敵が……うっうおあぼげばぐ———!』
直後、左斜め後方にて爆発が起こる。
まさか———05機がやられた……?!
「02より各機、敵襲だ。繰り返す、敵襲だ。05がやられた!」
『まさかさっきの爆発———!』
『ま……待て、来るな来るな来るなぁっ!』
先程の爆発よりすぐ近くの場所より銃声が聞こえる。敵に対して発砲してるのか……!
『来るな来るなぁ、来るなぐひぃやぁあ———!』
またもや爆発、今度は誰の機体だ?!
「———敵の正体は?! 未だ掴めないのか!」
『06より各機、敵は———女です! 鎌を操る赤髪の女、そいつが2機を撃破し———』
「……おい、どうした06! 応答しろ06っ!」
もう既に爆発音が響いていたので、聞かなくとも分かっていたのだが……
「全機集結、嬢ちゃんを囲むように三日月方円の陣形だ、いいな!」
『『了解!!』』
残存機は02機含め9機。
中心、レイラを護るようにして立つ02機を中心に、一瞬にして陣形が構築される。
「すまんな嬢ちゃん、ちょっとサイドツーの肩にでも乗っかっててくれ」
『……分かりました、ですけどコレって一体何が———』
———すまん、今それに答えている余裕はない。
「敵は捕捉できたか?!」
『こちら04、前方正面方向より鎌を持った女が突進してきます!』
「……馬鹿め…………指切り点射の餌食にしてやれっ!」
銃声が辺り一帯に数秒間に渡って響き続ける、そして———。
『命中しました、敵対象、沈黙』
「……警戒体制は解くな。……妙な胸騒ぎがしやがる、2機もこの第5機動部隊の仲間を刈り取った死神だ、念には念を入れてもう1度遺体に射撃をすると言うのも……」
———ここまで慎重になったのも久しぶりだ、もう何も懸念するべき要素はないと言うのに、なぜ俺はここまで慎重に———。
『っうっうわああぁあっ?!』
「今度はどうしたぁ、何があったぁっ!」
『敵対象、立ち上がりました……!』
———何、だとぉっ?!
立ち上がった……?!
連射形態Cキャノンの36mmチェーンガンを食らっても尚、生きている……だとおっ?!
「近接戦闘用意! 懐に入り込まれる前に薙ぎ払えぇっ!」
『これでも食ら———』
何があったか、と目をやった左翼部には、腰部を文字通り両断されたサイドツーが。
『07ロスト! こっちは左腕大破、使い物になりませぇ———』
眼前にて並ぶサイドツーが、3機同時に衝突し爆散する。
「っ、全機散開! フラットレフトシザーズっ! この場を離れるぞ!」
『ダメです追いつかれ……ひぎゃあっ!』
またもや爆発、残存機は———4機だと……っ?!
「たった4機だろうが構わない、ライフルで迎え撃ってやれっ!」
そうやって視界を向けた後方には———。
「んなっ……!」
音もなく、脚のみを切り落とされたサイドツーが2機。
機体を縦に両断され、声を上げることすら許されず、今にも火花を上げ爆散し行くサイドツーが1機。
……次は、俺か……!
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