Wit:1/もしも願いが叶うなら〜No pain, no live〜

月影弧夜見(つきかげこよみ)

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断章Ⅱ〜最終兵器にアイの花を〜

Side-セン: 1つの決着

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「僕……の、勝ちだ、さあ教えろ、あの4本の道はどこに繋がっている、どこに行けば神核へと至れる?!」

 脳天から割れ、その間に肉の生えつつある、だとかいうふざけた状態の死体に話しかける。




「……どう、か……どうか私に……神の祝福を……エデンへと至れる切符を……」

「———話が、まるで……噛み合って、ないな…………死ぬ前に教えろ、罠はあるか、神核へ至れる道はどこだ……!」

「…………」

 くそ、何が何でも言わないつもりか……!
 
「塵と化すも我が宿命……タルム、ヴォレイ、カレン……今、私も逝くぞ……そちらへと……」

「……」

「『永遠』は———どこへむかうのか……刹那、お前は……どう動く……?…………いやしかし……本当にくだらない事を思いついたものだ……。

 なあ、なぜだ、刹那。なぜ貴様が、永遠を与えようとするのだ……?

 我が主のご意志ならば仕方のないことだ、しかし…………しかしなぜ……我らが出らねば…………ならなかった、のだ……?

 ……永遠を、得るのならば……衝突の必要は……我らが武力行使をする必要は……ないはず、だ……であれば…………やはりが反発する方法故、か———」



「さっさと……!」

 もはやそんなものを聞いていたくなるような余裕すらも、なかったのだ。
 だから、さっさと……

「話さないなら、死ね……っ!」

 神威コピーのその刃をもって、灰や塵と化し始めたその身体を薙ぎ払う。


「くたばれ…………!」

 普段の口調とはとても似合わない言葉を吐き捨て。
 静かな怒りは、青い焔へと差し代わる。










「はあ、そうですよね。……貴方があそこまで言ってくれたんだ。その死を嘆き、今ここで立ち止まる事は———許されない」

 泣きたい。
 吐き出したい。
 縋り付きたい。
 何度思った事か。

 でも、そんな弱さは———捨てなきゃいけないんだ。

 ———まあ、今日の僕は……だけど。

「やっぱり、そうか……

 足は動かない。
 動かそうとしたとて、全くもって反応がないのだ。
 力が入らない———痺れた時と同じ感覚。……まあ、感覚などしなくなっているのだが。

「でも、せめて———僕が動けないとしても、が来た時のために———」

 下より力が抜ける。
 立ち尽くした身体は瓦解する、が、せめて身体を揺さぶり倒れ込む角度を変える。
 その先には。

「……あ、った、トランシーバー……」

 そうだ、いくら僕が『戦うな』と言ったとは言え、どう考えたってあの人は来るはずだ。
 ……あの可愛らしい機神を連れて。

 だからせめてその時のためにと、大破したサイドツーの中へと手を伸ばし、ソレを回収する。



『……あー、あー、これでいいのか? おーい、おーい、聞こえてますかーー?』

 ……そら見ろ。
 どう止めたって、来るのは分かってたはずなのに。



 ……そう言えば。
『影』に呑まれていた時、イデアさんは何を考えていたのだろうか、何をしていたのだろうか———いや、考えたって無駄だ、今は……とりあえず報告するべきだろう。

「……やっぱり来たんですね、———!」
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