163 / 256
断章Ⅱ〜最終兵器にアイの花を〜
Side-イデア/セン: 機動戦
しおりを挟む
同じく、イデアの視点にて。
********
「……っ!」
引き金が引かれる。
破裂音と共に飛び交う銃弾、全弾30発。
音を立て穴の空いた地面に、その足を落とす。
———先程のセンの攻撃、おそらくは俺を囮に使ったのだろうが……そんなものじゃヤツは倒せない。
コイツに対して、遠距離から一方的に撃つのは……どちらかと言えば不利だ。
俺が顕現させている魔術領域、今はこれがあるからこその先程の動きをとった訳だが———コレがいつまで持つかは分からない。
先程までの戦いにて、俺は既に体力を大幅に消費している、いつこの魔術領域だって切れるか分からないのだ。
だからこそ、そうなった時に———センをサポートすることは……できない。もはや敵の投擲し得る爆剣を弾く手段が無いからだ。
……サイドツーなんてデカブツに乗ってる暇など……ないぞ……セン!
「……来ない、と」
そう言いつつもレインは両手で合計6本の爆剣を指の間に構える。
「セン、決めるならば短期決戦だ、俺の魔力が切れたら最後、そのサイドツーはただの的にしかならない……!」
『いいえ、大丈夫です。そんなことは既に想定済み、だからこその魔力機関です』
「魔力障壁を纏わせる気か?……魔力の無駄だ、それに魔力機関を用いるのならお前の魔力回路だって———さっさと降りるべきじゃないのか、お前ならば白兵戦の方が———」
『それでも突破力、殲滅力ははこっちが上です、言われた通り、短期決戦で決着をつける!!』
********
『残り弾数———』その機械音声に指摘される前に、先に弾倉を入れ替える。
なんだかそれを言われるとどこか癪なのだ、特に機械に言われてるって事実が。
『残り弾数———』
もういいから。
「ロボット……奇妙な兵器だ、脆そうなものだがよくできて~~」
……あなた方の主というか、機神という存在も、もこちらからしたら奇妙以外の何物でもないのですが。
くだらない思考を巡らせた後、足のペダルを思い切り踏ん付けサイドツーを動かす。
『っ!』
すぐさま手でレバーに付いている引き金を指切りで引き、数発の弾がレインに向かって放たれる。ディスプレイ上の残弾数は26という数字を示している。
……その様はイデアさんから見たらよっぽど奇妙だったのだろうか。
「何してる?!……どうせデカい図体だ、どれだけ動こうと当たるもんは当たるだろ!」
その言葉は確かにそうだ、現に赤く染まった体温のみのレインを見ると、既に投擲の体制を整えている。
———が、5回にもなる発砲の末、その男は、もはや投擲の構えをとっておらず、既に爆剣でその弾を弾くことに専念していた。
この弾が『神力障壁貫通式Cキャノン専用中口径弾』だということは既に見破られているのか……!
********
「……っ!」
引き金が引かれる。
破裂音と共に飛び交う銃弾、全弾30発。
音を立て穴の空いた地面に、その足を落とす。
———先程のセンの攻撃、おそらくは俺を囮に使ったのだろうが……そんなものじゃヤツは倒せない。
コイツに対して、遠距離から一方的に撃つのは……どちらかと言えば不利だ。
俺が顕現させている魔術領域、今はこれがあるからこその先程の動きをとった訳だが———コレがいつまで持つかは分からない。
先程までの戦いにて、俺は既に体力を大幅に消費している、いつこの魔術領域だって切れるか分からないのだ。
だからこそ、そうなった時に———センをサポートすることは……できない。もはや敵の投擲し得る爆剣を弾く手段が無いからだ。
……サイドツーなんてデカブツに乗ってる暇など……ないぞ……セン!
「……来ない、と」
そう言いつつもレインは両手で合計6本の爆剣を指の間に構える。
「セン、決めるならば短期決戦だ、俺の魔力が切れたら最後、そのサイドツーはただの的にしかならない……!」
『いいえ、大丈夫です。そんなことは既に想定済み、だからこその魔力機関です』
「魔力障壁を纏わせる気か?……魔力の無駄だ、それに魔力機関を用いるのならお前の魔力回路だって———さっさと降りるべきじゃないのか、お前ならば白兵戦の方が———」
『それでも突破力、殲滅力ははこっちが上です、言われた通り、短期決戦で決着をつける!!』
********
『残り弾数———』その機械音声に指摘される前に、先に弾倉を入れ替える。
なんだかそれを言われるとどこか癪なのだ、特に機械に言われてるって事実が。
『残り弾数———』
もういいから。
「ロボット……奇妙な兵器だ、脆そうなものだがよくできて~~」
……あなた方の主というか、機神という存在も、もこちらからしたら奇妙以外の何物でもないのですが。
くだらない思考を巡らせた後、足のペダルを思い切り踏ん付けサイドツーを動かす。
『っ!』
すぐさま手でレバーに付いている引き金を指切りで引き、数発の弾がレインに向かって放たれる。ディスプレイ上の残弾数は26という数字を示している。
……その様はイデアさんから見たらよっぽど奇妙だったのだろうか。
「何してる?!……どうせデカい図体だ、どれだけ動こうと当たるもんは当たるだろ!」
その言葉は確かにそうだ、現に赤く染まった体温のみのレインを見ると、既に投擲の体制を整えている。
———が、5回にもなる発砲の末、その男は、もはや投擲の構えをとっておらず、既に爆剣でその弾を弾くことに専念していた。
この弾が『神力障壁貫通式Cキャノン専用中口径弾』だということは既に見破られているのか……!
0
お気に入りに追加
34
あなたにおすすめの小説
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
グレイス・サガ ~ルーフェイア/戦場で育った少女の、夢と学園と運命の物語~
こっこ
ファンタジー
◇街角で、その少女は泣いていた……。出会った少年は、夢への入り口か。◇
戦いの中で育った少女、ルーフェイア。彼女は用があって立ち寄った町で、少年イマドと出会う。
そしてルーフェイアはイマドに連れられ、シエラ学園へ。ついに念願の学園生活が始まる。
◇◇第16回ファンタジー大賞、応募中です。応援していただけたら嬉しいです
◇◇一人称(たまに三人称)ですが、語り手が変わります。
誰の視点かは「◇(名前)」という形で書かれていますので、参考にしてください
◇◇コンテスト期間中(9月末まで)は、このペースで更新していると思います
しおり機能で、読んだ場所までジャンプするのを推奨です…




サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる