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断章Ⅰ〜アローサル:ラークシャサ・ラージャー〜
無謀な正義/コレが僕の最適解。
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「じゃあとっととみんなで逃げるぞ、おい、くいなと……ヤンス! 戦いを終わらせてさっさとこっち来い! このままだとキリがないぞ!」
「……嫌。人間の言うこと、聞かない」
———くいなからはぷいっと、そっぽを向かれそう答えられた。
「なんででヤンスかーーっ?!」
ヤンスの方も困惑を隠せていない様子だった。
「だああっ、もう、おいセン、コイツもう置いてっていいか?! いい加減切り捨てないと俺たちが自滅しちまう!」
「いや……でも……置いてくって言ったら……可哀想、ですし……?」
お前まで私情を持ち込むか……?!
「あーうるさいっ! 行くぞセン! コイツはここで切り捨てる!」
「白さん、何でこの状況になって突然そんな勇者らしくないこと言い出すんですかーーーっ?!」
「こんなんが勇者でいいんでヤンスか……?」
「…………私は何も言ってないからね、後で責任押し付けないでよね!!」
◆◇◆◇◆◇◆◇
そして、何とか王都北の森林地帯に逃げ込むことに成功し、今日はここで野宿をすることとなった。
……黒の私物を用いて、だけど。
すまん黒、弁償はするから許してくれ……!
2日目、夜。
それはそれは、もうみんな寝静まった頃。
敵選手も誰もかもが寝静まった、真夜中にて。
********
「……ねえ、起きてヤンス、起きてくれ、ヤンス」
センはただ1人、ある決意を固めていた。
「何れ……ヤンスか……ってセンでヤンスか、何なんでヤンスか、こんな遅くに」
「くいなを探しに行こうと思う。アイツ1人には、しておけない」
「だるいでヤンスね……でも、親友の頼みでヤンス。それにここらで借りを作っておいた方が、後々有利になってくるでヤンスからね……!」
「?……そう、かな……?」
◇◇◇◇◇◇◇◇
そしてまあ、さっきの戦場にくいなを探しに行く事になったが。
「こ……これ、いきなり敵が襲いかかってきたりしないでヤンスか……?」
だんだんと、夜の闇に呼応するように目が慣れていく。
同時に辺りの様子もこれ以上ないぐらいに見渡せてくる。
朝見た光景と同じだ。
あの魔王の最終兵器『ガイア・コンソール』の被害を被ったはずなのに、深々と生い茂る巨大な木々。
しかし朝は見ていない光景———それは、深々と立ち込める深い霧だった。
サナさんによると、魔術により木々を急成長させ、なんとかその土地の環境を取り戻した———とか言ってた通り、その木々には至る所に魔術の痕跡が残されていた。
「大丈夫だって、この時間帯だからみんな寝静まっているはず。そんな簡単に敵に出会う訳……」
「じゃあアレは、……何でヤンスか?」
そう言って、ヤンスがその細い腕で指差したのは、身長3メートルくらいありそうな巨漢だった。
霧と暗闇に紛れてあまりよく見えないが、確かにその男は動いていた。
「ヤンス、遠回りするぞ、多分アイツは相手にしたらいけないやつだ」
「…………!! でも、アレ……くいなでヤンス……よね……?」
「何だって?!」
「不覚……殺生院、ここまで、強かった、なんて……」
「今はもうその名ではない、獣人の少女よ。我らゴルゴダ機関は、ヒトでは無いモノを殲滅する為に結成された組織だ。
数千年前よりそうであった。が為に、貴様には死んでもらう。元よりヒトから忌み嫌われし者ゆえ、最後くらいは苦しまず殺してやろう」
殺す……?
アイツは、あの男はいま「殺す」と口にしたのか……?
「……やめろ」
「行くでヤンスか?!無謀、あまりにも無謀すぎるでヤンスよ?!」
「神威、起動……!」
「……何だこの神気反応は……まさか、『鍵』……?」
「隙……アリ……!」
くいなが、一瞬困惑したヴォレイの顔面に、精一杯の蹴りを食らわせる。
だがしかし、ヴォレイは微動だにせず。
「……あ……っ……!」
「———いいや、貴様から先に殺しておくか」
逆にヴォレイは、くいなのその小柄な身体の足を摘み、宙吊りにさせる。……おそらく、そこに打撃を食らわせるつもりなのだろう……!
「やらせて……たまるか……折角白さんが作った平和を……破らせてなるものか……!」
そう、僕は何かあった時の為に、白さんの刀「神威」を盗み出していた。
僕には神威の力を最大限引き出す資格はない。だが、それでも僕は、守りたいと思ったモノを守る為に立ち向かう……!
「そうでヤンスね、センは、そういう人間だったでヤンスからね……」
「神威、力を貸してくれ……っ!」
もはやこうなれば「殺せば死罪」なるルールも関係ない。
正当防衛だ、ここでこの男を殺す……!
めいっぱいの力で刀を突き刺した、つもりだった。
しかし、その男の強靭な肉体の前に、その刀は止められており。
「それでも、諦めるもんか……!」
それでも、と、その男の手から離されたくいなを抱き、3歩距離をとる。
……だが、ここからどうする……?
僕に何ができる……?
いくら神威を持ったとて、僕が使えばなまくら刀。
諦めない、そんな感情論で押し切れるならいい話だ。
だが、コイツはどうもそんな弱っちい力じゃ倒せるような相手じゃないらしい……
「誰だか知らんが……結局貴様では、この私には勝てない。絶対にな……!」
来る……1秒後、僕は死んでいる……!
サッとその場に、気絶したくいなを降ろし、すぐさまに回避行動をとる。
振り下ろされる巨腕。
素手だと言うのに、その一振りは地を割った。
———ああ、死ぬ。
当たったら、今度こそ本当に。
……思い出せ、思い出すんだ。
一瞬、身に覚えのあるピリッとした感覚が走った。
誰かが、近づいてくる……?
『最適解』、今の僕にとって、それは何がある……?
魔術?それとも肉弾戦……?
……違う、僕にはそんなことはできない。
生まれてこのかた、魔術はほとんど扱えない。身体能力だって、そこまで高くはない。
ならばどうする……? 僕は……
……そうだ、これしかない。
「イデアさーーーーんっ! ここです、ここに敵はいまーーーすっ!!」
天に向かって、誰に届くかも分からない声を上げた。
……まあ、誰に届くか、など、とっくに分かりきっていた事であり、それが必死に導き出した、僕にとっての『最適解』だったのだが。
天より、地に向かって刃が突き刺さる。
「……よお、化け物。化け物は化け物らしく、あちらの大陸にお帰りいただけないとなあ?」
たったの一瞬。
風を裂くようにして、一瞬にて降り立った人影は、紛れもなく。
「———なるほど、イデア・セイバーか。亡国の王子が、何を偉そうに」
……ヤツはイデアさんのことを知っている……?
「くだらん、俺をアイツと一緒にするな」
「イデアさん、やっぱり来てくれたんですね……!」
「……いいや、ここを通ったのは単なる偶然だ。それよりもその刀、寄越してもらおう」
……そう、今の今まで、イデアが使っていたのは「神威のレプリカ」であり、イデアが元々の神威の使い手だった。
それを使い、カミの一柱を堕とした事は、既に周知の事実だろうが。
「……よくやった、セン。それがお前なりの最適解だったのなら、それでいい。それでこそだ……!」
『救世主』の兄。
『最強の勇者』の兄。
『神堕とし』のイデア。
イデアが本物の神威を持ったという事は、それ即ち『神堕とし』の再臨を意味していた。
「殺させはせん、なんせ、殺し合いなしの戦いだろう?」
「無謀……あまりにも無謀だな、貴様というものは」
「無謀かどうかなど、今となっては些細な問題だ。事実、コイツの活躍も無謀ではなかっただろう?」
「結果論の話だ、その行動自体は無意味かつ無謀で無駄なものだった、すぐさまこの少女を見逃しておけばよかったものを」
「だからこの俺様が来た。すぐさまこの少年と少女を見逃しておけばよかったのにな、神の下劣な使徒さんよ。
多重幻覚境界面ッ!!!!」
景色は移り変わり、イデアさんの心象風景が写される。
「顕現魔術、開口」
一瞬にして形作られたのは、無数もの銃。
それら銃口が一斉に、ヴォレイのもとへと向けられる。
「脅しのつもりか」
「脅しじゃないさ」
空を斬る炸裂音。
その銃幕は、それぞれ寸分違わぬタイミングで発砲し、その場に弾幕を作り出した。
一瞬にして舞い上がる砂埃。
確実に仕留めきったか……?
「姿がない———逃げたか、臆病者め。折角、神威の威力を試せるいい相手だったというのに」
かき消された砂埃には、既にその巨漢はおらず、代わりに数滴の血痕が残されていた。
「……セン! こいつは、この神威はお前に預けておく。お前からアレンに返してやれ」
イデアさんの手元より神威が投げ渡される。
「アレン……つまり白さんですね、分かりました。……さっきは、本当にありがとう、ございます。僕に力が無いばかりに……」
「……いいや、お前には力はなくとも、その勇気があるだろう」
次々に飛び移る枝の上にて、イデアはそう小さく呟いた。
数時間後にて、少女は目覚める。
明るい月明かりを背にしながら、その身に纏った紅の液体が輝く。
「セン……と、ヤンス…………あり、がと、う……」
少女は照れ臭そうにしながらも、しっかりとその感謝を伝えてみせた。
……本人達は疲れて寝てしまっているので、その声は聞こえてはいないのだが。
「……嫌。人間の言うこと、聞かない」
———くいなからはぷいっと、そっぽを向かれそう答えられた。
「なんででヤンスかーーっ?!」
ヤンスの方も困惑を隠せていない様子だった。
「だああっ、もう、おいセン、コイツもう置いてっていいか?! いい加減切り捨てないと俺たちが自滅しちまう!」
「いや……でも……置いてくって言ったら……可哀想、ですし……?」
お前まで私情を持ち込むか……?!
「あーうるさいっ! 行くぞセン! コイツはここで切り捨てる!」
「白さん、何でこの状況になって突然そんな勇者らしくないこと言い出すんですかーーーっ?!」
「こんなんが勇者でいいんでヤンスか……?」
「…………私は何も言ってないからね、後で責任押し付けないでよね!!」
◆◇◆◇◆◇◆◇
そして、何とか王都北の森林地帯に逃げ込むことに成功し、今日はここで野宿をすることとなった。
……黒の私物を用いて、だけど。
すまん黒、弁償はするから許してくれ……!
2日目、夜。
それはそれは、もうみんな寝静まった頃。
敵選手も誰もかもが寝静まった、真夜中にて。
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「……ねえ、起きてヤンス、起きてくれ、ヤンス」
センはただ1人、ある決意を固めていた。
「何れ……ヤンスか……ってセンでヤンスか、何なんでヤンスか、こんな遅くに」
「くいなを探しに行こうと思う。アイツ1人には、しておけない」
「だるいでヤンスね……でも、親友の頼みでヤンス。それにここらで借りを作っておいた方が、後々有利になってくるでヤンスからね……!」
「?……そう、かな……?」
◇◇◇◇◇◇◇◇
そしてまあ、さっきの戦場にくいなを探しに行く事になったが。
「こ……これ、いきなり敵が襲いかかってきたりしないでヤンスか……?」
だんだんと、夜の闇に呼応するように目が慣れていく。
同時に辺りの様子もこれ以上ないぐらいに見渡せてくる。
朝見た光景と同じだ。
あの魔王の最終兵器『ガイア・コンソール』の被害を被ったはずなのに、深々と生い茂る巨大な木々。
しかし朝は見ていない光景———それは、深々と立ち込める深い霧だった。
サナさんによると、魔術により木々を急成長させ、なんとかその土地の環境を取り戻した———とか言ってた通り、その木々には至る所に魔術の痕跡が残されていた。
「大丈夫だって、この時間帯だからみんな寝静まっているはず。そんな簡単に敵に出会う訳……」
「じゃあアレは、……何でヤンスか?」
そう言って、ヤンスがその細い腕で指差したのは、身長3メートルくらいありそうな巨漢だった。
霧と暗闇に紛れてあまりよく見えないが、確かにその男は動いていた。
「ヤンス、遠回りするぞ、多分アイツは相手にしたらいけないやつだ」
「…………!! でも、アレ……くいなでヤンス……よね……?」
「何だって?!」
「不覚……殺生院、ここまで、強かった、なんて……」
「今はもうその名ではない、獣人の少女よ。我らゴルゴダ機関は、ヒトでは無いモノを殲滅する為に結成された組織だ。
数千年前よりそうであった。が為に、貴様には死んでもらう。元よりヒトから忌み嫌われし者ゆえ、最後くらいは苦しまず殺してやろう」
殺す……?
アイツは、あの男はいま「殺す」と口にしたのか……?
「……やめろ」
「行くでヤンスか?!無謀、あまりにも無謀すぎるでヤンスよ?!」
「神威、起動……!」
「……何だこの神気反応は……まさか、『鍵』……?」
「隙……アリ……!」
くいなが、一瞬困惑したヴォレイの顔面に、精一杯の蹴りを食らわせる。
だがしかし、ヴォレイは微動だにせず。
「……あ……っ……!」
「———いいや、貴様から先に殺しておくか」
逆にヴォレイは、くいなのその小柄な身体の足を摘み、宙吊りにさせる。……おそらく、そこに打撃を食らわせるつもりなのだろう……!
「やらせて……たまるか……折角白さんが作った平和を……破らせてなるものか……!」
そう、僕は何かあった時の為に、白さんの刀「神威」を盗み出していた。
僕には神威の力を最大限引き出す資格はない。だが、それでも僕は、守りたいと思ったモノを守る為に立ち向かう……!
「そうでヤンスね、センは、そういう人間だったでヤンスからね……」
「神威、力を貸してくれ……っ!」
もはやこうなれば「殺せば死罪」なるルールも関係ない。
正当防衛だ、ここでこの男を殺す……!
めいっぱいの力で刀を突き刺した、つもりだった。
しかし、その男の強靭な肉体の前に、その刀は止められており。
「それでも、諦めるもんか……!」
それでも、と、その男の手から離されたくいなを抱き、3歩距離をとる。
……だが、ここからどうする……?
僕に何ができる……?
いくら神威を持ったとて、僕が使えばなまくら刀。
諦めない、そんな感情論で押し切れるならいい話だ。
だが、コイツはどうもそんな弱っちい力じゃ倒せるような相手じゃないらしい……
「誰だか知らんが……結局貴様では、この私には勝てない。絶対にな……!」
来る……1秒後、僕は死んでいる……!
サッとその場に、気絶したくいなを降ろし、すぐさまに回避行動をとる。
振り下ろされる巨腕。
素手だと言うのに、その一振りは地を割った。
———ああ、死ぬ。
当たったら、今度こそ本当に。
……思い出せ、思い出すんだ。
一瞬、身に覚えのあるピリッとした感覚が走った。
誰かが、近づいてくる……?
『最適解』、今の僕にとって、それは何がある……?
魔術?それとも肉弾戦……?
……違う、僕にはそんなことはできない。
生まれてこのかた、魔術はほとんど扱えない。身体能力だって、そこまで高くはない。
ならばどうする……? 僕は……
……そうだ、これしかない。
「イデアさーーーーんっ! ここです、ここに敵はいまーーーすっ!!」
天に向かって、誰に届くかも分からない声を上げた。
……まあ、誰に届くか、など、とっくに分かりきっていた事であり、それが必死に導き出した、僕にとっての『最適解』だったのだが。
天より、地に向かって刃が突き刺さる。
「……よお、化け物。化け物は化け物らしく、あちらの大陸にお帰りいただけないとなあ?」
たったの一瞬。
風を裂くようにして、一瞬にて降り立った人影は、紛れもなく。
「———なるほど、イデア・セイバーか。亡国の王子が、何を偉そうに」
……ヤツはイデアさんのことを知っている……?
「くだらん、俺をアイツと一緒にするな」
「イデアさん、やっぱり来てくれたんですね……!」
「……いいや、ここを通ったのは単なる偶然だ。それよりもその刀、寄越してもらおう」
……そう、今の今まで、イデアが使っていたのは「神威のレプリカ」であり、イデアが元々の神威の使い手だった。
それを使い、カミの一柱を堕とした事は、既に周知の事実だろうが。
「……よくやった、セン。それがお前なりの最適解だったのなら、それでいい。それでこそだ……!」
『救世主』の兄。
『最強の勇者』の兄。
『神堕とし』のイデア。
イデアが本物の神威を持ったという事は、それ即ち『神堕とし』の再臨を意味していた。
「殺させはせん、なんせ、殺し合いなしの戦いだろう?」
「無謀……あまりにも無謀だな、貴様というものは」
「無謀かどうかなど、今となっては些細な問題だ。事実、コイツの活躍も無謀ではなかっただろう?」
「結果論の話だ、その行動自体は無意味かつ無謀で無駄なものだった、すぐさまこの少女を見逃しておけばよかったものを」
「だからこの俺様が来た。すぐさまこの少年と少女を見逃しておけばよかったのにな、神の下劣な使徒さんよ。
多重幻覚境界面ッ!!!!」
景色は移り変わり、イデアさんの心象風景が写される。
「顕現魔術、開口」
一瞬にして形作られたのは、無数もの銃。
それら銃口が一斉に、ヴォレイのもとへと向けられる。
「脅しのつもりか」
「脅しじゃないさ」
空を斬る炸裂音。
その銃幕は、それぞれ寸分違わぬタイミングで発砲し、その場に弾幕を作り出した。
一瞬にして舞い上がる砂埃。
確実に仕留めきったか……?
「姿がない———逃げたか、臆病者め。折角、神威の威力を試せるいい相手だったというのに」
かき消された砂埃には、既にその巨漢はおらず、代わりに数滴の血痕が残されていた。
「……セン! こいつは、この神威はお前に預けておく。お前からアレンに返してやれ」
イデアさんの手元より神威が投げ渡される。
「アレン……つまり白さんですね、分かりました。……さっきは、本当にありがとう、ございます。僕に力が無いばかりに……」
「……いいや、お前には力はなくとも、その勇気があるだろう」
次々に飛び移る枝の上にて、イデアはそう小さく呟いた。
数時間後にて、少女は目覚める。
明るい月明かりを背にしながら、その身に纏った紅の液体が輝く。
「セン……と、ヤンス…………あり、がと、う……」
少女は照れ臭そうにしながらも、しっかりとその感謝を伝えてみせた。
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